異世界でひたすらコンティニュー!
新たな能力
「おい!『いつもと同じ』ってことはいつゲームオーバーになってもあの夜からになるってことだよな!」
  ジジイは何食わぬ顔で
「その通りだよ。それがどうかしたか?」
「じゃぁ仮に彼女が出来そうになってゲームオーバーになっても……そこからなのか!」
「もちろんそうじゃ。」
は?そんな感じで俺に彼女が作れると思ってるのか?このハゲ頭は?
「ふざけんな!!そんな今までの努力がパーになることがあって溜まるか!!」
「ふざけてないぞ!普通の人はお主みたいにコンティニュー出来るわけじゃないぞ!コンティニューだけでも十分チートじゃぞ!」
「コンティニューもあるならセーブとロードもあって当然だろ!!逆にそれがないゲームなんてほぼ無いだろ!!」
やっぱりこのジジイは役たたずだ。コンティニューあるならロードやセーブもあって当然だろう。
「いつから人生がゲームだと錯覚していたんだ?そもそもチート能力持っていて弱音吐くなんぞ雑魚すぎやしませんかの?」
「雑魚で結構!そうじゃなきゃこちとら万年童貞で引きこもりなんてやってこれてねーんだよ!」
「そこは威張れるところじゃないぞい!自分の立場が分かっているならサッサと頑張ってこんかい!」
「頑張れねぇから言ってるんだろうが!!ボケジジイ!!」
それから揉めるに揉め合ってなんとかセーブとロードの能力も手に入れることが出来た!!
「ほれ……万年童貞の引きこもりのためのものだ。これでもうチート能力はラストだぞ!」
そう言われて渡されたのは、どこでも見るような本と淡い光沢を放つ栞だ。
これで俺は天下無双の最強になれたんだ!!見てるかー!陽キャ共!俺はお前らを超えたんだ!
「……ドヤ顔してるところ悪いが、大半の人はこんな能力がなくても普通に生活出来るからな?」
「だーかーら!俺みたいに引きこもりのやつが大半の人にカウントされてるわけないだろうが!脳のシワ足りないんじゃないか?」
ジジイの頭頂部を指で思い切りぐりぐりしながら、先程手に入れた能力の使い方を確認する。
「まずセーブするためには……この本に栞を挟めば……ってセーブ出来ないじゃないか!早速不良品渡しやがって!!」
腹が立ったので、ジジイから貰った本を投げつけた。
「お主の導火線はどれだけ短いんじゃ!!すぐにキレ散らかすんじゃない!」
苛立つ気持ちを抑えながら、ジジイからセーブとロードの方法と制限を教えて貰った。
まずセーブの方法は先程やったように、至って普通そうな本に金色の栞を挟むだけで、終わりである。
なぜさっき出来なかった理由は、一部の場所ではどうやってもセーブ出来ないらしい。例えば、このジジイがいる場所がそうらしい。
てかなんで一部出来ないんだよ……。
そして、ロードの方法はさっきセーブした時に使った金色の栞を破けばセーブした所に戻れるのだ。
ロードの難点としては、破くためにまんま同じセーブ箇所には二度と戻れない所だ。一応ロードしてからすぐにセーブすればいいので、そこまで問題ではないが……。
「じゃぁ本当にわしは疲れたから休むぞい……。あとこんなにチート貰ったんだから、もう当分こっちに戻ってこないでくれ。」
なにか色々腹立つ言い方されたのだが……まぁコンティニューだけでなくセーブとロードも出来るようになったから当たり前か。
とりあえず俺も疲れたので、異世界に帰ることにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「………戻ってきたか……。」
目を覚ますと、またあの夜になっていた。
「とりあえず明日の朝になったら、早速セーブするか!いい加減この夜も飽き飽きしてきたし!」
まずは疲れた体を休めるためにシャワーを浴びて、すぐにベッドに転がり込んだ。
朝、目覚めが良く起きれた。
「うっしゃぁぁ!起きれたー!っとセーブも忘れずにしておかないと!」
早速あのジジイから貰った能力を使う。これで死んでもここからロードしておけば良いはずだ。
「ふぅぅぅ……まさか高校行くのにこれだけのチート能力持ってないといけないのかよ……自分の事だけど泣けるぜ……。」
異世界もリアルも甘くはないことを実感しつつ、朝食を食べた後、まだ見てもない学校に向かうことにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇
あれから何事もなく高校の前まで着いた。
「あぁ……やっとだ!やっとだよー!!」
今まで苦労した道のりも相まって、思わず泣いてしまった。
多分周囲からは変なやつだと思われているだろう。でも俺は後悔してない。
《レッドゼクスフリーエクス》
これが俺がこれから3年間通う高校名である。
初見で見た時はめちゃくちゃ厨二病じゃねーか!と思っていたが、道行く人が素晴らしいと言っていることから、ちゃんとした意味があるらしい。
と言っても単語の意味なんて分からないからどうしようもないが……。
とりあえずここでセーブはしておかないとな……ここで死ぬなんてごめんだぞ。
「よし!セーブ完了!まだ始業式まで時間あるし、どんな女の子が居るか観察してようか!」
近くにあったベンチに座り、校門から入ってくる女の子達を眺めることにした。
眺めていると、昔胸にダイブしたあの可愛いエルフや俺に対して防犯ブザーを鳴らしやがったチビも居る。
それ以外だと、まるでサキュバスみたいに翼を持ち胸も爆乳サイズの子や尻尾がもふもふしてそうな獣人も居た。
この高校の女子レベルは高すぎる。少なくても前の世界のようなブスなんて居ない!
「あとは……どれだけハーレムを作るかだな!このチート能力を100%使ってみせてやる!」
時間もいい感じになったし、早速始業式に出向くことにした。
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