だからわたくしはデレたくないんです!

soltier

色んなお店

お店に着くとアレン様が店員さんに予約したこと伝えます。このお店は完全予約制みたいで周りを気にせずに楽しめる個室制になってます。言っちゃえば貴族御用達ですね。
さすがは王都、、わたくしの実家の方にはありませんでした。
ある程度広さもあるので向かい合うのもよし、隣に座るのもよし、色々配慮がなされてますね。隣なら手つなぎは離さなくてもよくて、向かい合うと食べさせあったり、見つめ合ったり、、普段は向かい合って食べてるんですよね。

「ティアラ?」

「あ、あの、もしよかったら隣に座ってもよろしいでしょうか?」

「もちろんいいですよ」

いつもとは違う感じを楽しめると思ったんですけど、、結構密着しててそれどころじゃないですね。
いつもは見つめられてて顔がにやけてしまうのを必死で隠してるんですけど、今回はそんなに表情は見えないと思うので大丈夫ですね!

「アレン様は何を頼みますか?」

「ここは予約制だけあって事前にコースが選べるんですよ!選んだのはデイビッドなので間違いはないと思います」

料理人のデイビッドなら間違いないですね!わたくし達の好みをちゃんと理解してくれてますし。

わたくし達が話していると、料理が運ばれてくる。

「美味しそうですね!はむっもぐもぐ」

パンケーキと冷たいフルーツジュースですね。甘いのとさっぱりしたのが合っててとても美味しいです。

「私のはティアラとはちょっと違うようですね」

違う味にすることで二人で共有できますね。アレン様のはわたくしのより甘さ控えめなもののようですね。
そっちも美味しそうですね。
ふとアレン様の口元に視線が止まる。思ってたより顔が近いですね。あと、口元にクリームがついてますね。
ここは貴族として恥のないように注意するべきなのでしょうか?わたくしが注意することによってわたくしがアレン様の顔をじっと見てたことがバレてしまうのでは??
いえ、だらしない旦那様を注意するのは妻として当然のことです!要は勢いが大事なのです。

「あ、アレン様」

「ん?どうしたんですか?」

微笑まれてしまいました。言いづらいのでここは行動しましょう!
そうです。時には口で伝えるより行動で伝えた方がいい時もあります。

「え!?」

「口元についていたので、これからは気をつけてくださいね?」

指でとってそのまま口に運ぶ。んん〜美味しいです。

「ティアラも食べますか?」

「いいんですか!?あ、じゃあわたくしのもどうぞ」

最初はお皿を交換して一口食べるのかと思っていたのですがどうも違うようです。

「あの、アレン様?」

どう考えても食べさせようとしてますね。
確かに交換して食べさせあったり出来るって思いましたけど、、

「どうかしましたか?」

アレン様が少しニヤついてますね。くっさっきの仕返しですか!?
ここは逆に平然としていた方がいいですね。わたくしは負けませんよ?

「ありがとうございます。はむっ」

どうですか?この平然とした態度。
ってあれれ、なんでさっきよりもだらしない顔になってるんですか!?

「ほんとにティアラはかわいい、、結婚できて私は幸せですよ」

「なっ、なっ………甘いのはパンケーキだけにしてください!!そんなこと言われたらわたくしが保てないですよ」

自分でも訳のわからないことを口走って自分のパンケーキを一口アレン様に食べさせる。
うぅ、、暑いです。ここは密室でしかもこんなに近くにいるから暑くなってしまいます。

「ティアラ?大丈夫ですか?」

「はぁ……アレン様……」

なんだか頭がぼーっとしてきました。

「す、すみません。ほら、これでも飲んで」

コップを受け取り、一気に飲み干します。

「すみません、なんでか暑くてきっといつもよりも近いからですかね?」

「そ、そうですね、、そろそろ行きましょうか」

アレン様の顔が赤いような。アレン様もわたくしと同じく暑いのでしょうか?
なんだか照れてるみたいでかわいいですね。


「ふぅ、美味しかったですね」

火照った身体を風が冷やしてくれて気持ちいいです。
それでも手は握ったままなのは何か意地を感じますね。わたくしも嬉しいんですが、道行く人がちらっと見てくるので恥ずかしいんですよね。まだ慣れません。今日はで、できれば、、その、き、キスとか、その、、うぅ〜
意識してしまうとダメですね。

「ではまた暇な時が出来たら一緒に行きましょう」

次はえっと確か………

「次は服屋、アクセサリー屋さんがあるところでしたっけ?」

「そうですそうです!よく覚えてますね、すごいです」

「ティアラはここの土地勘がないですからね。見た事あるお店だと覚えやすいんですよ」

さすがは騎士様。よく巡回などしているのでしょうか?
ずっと憧れていた人と結婚できてこうして一緒に歩いていると思うととても幸せな気分です。
会話がなくともわたくしの歩幅に合わせてくれて、危ないところは気づかってくれて、、うぅわたくしデレデレになってしまいそうです。

「いらっしゃいませ!お待ちしておりました」

服屋に着くとすぐさま店員が対応してくる。
実はここはウェディングドレスを頼んだ仕立て屋さんなのです。あれから贔屓にしてますね。

「今日は一緒に色々見ていきたいと思います」

かわいい服、、というよりアレン様の目にとまったものを選んで試着していきます。
わたくしが知ってるのは明るい色のシンプルな服ですが、、おそらくこれの他にもあると思うんです。そう、わたくしに言うのは恥ずかしいような………

あ、今この服をちらっと見てましたね。ふむふむこのあたりですか?

「アレン様、これなんてどうですか?」

わたくしは少し露出のある服を勧めてみます。これさっき見てましたよね?

「え、あ、すごくいいと思いますよ」

この同様は確実ですね!今はこれを着たわたくしを想像しているところでしょう。

「じゃあ試着してきますね」

これを着てアレン様の照れ顔を拝みましょう!

「着てみたはいいものの、、これ結構恥ずかしいですね」

肩が出てるくらいの露出、ふわふわとしたレースがたくさんあって、わたくしのサイズとはちょっと違うのか胸元が特に、、いや、ここはちゃんと平然としていないと!

アレン様はわたくしが着替えるのを待っています。

「ど、どうでしょうか?」

「……………」

「あ、あの、そんなに見つめられると恥ずかしいです………」

ふしゅ〜〜
だ、ダメです、アレン様も照れているみたいですがわたくしがこの恥ずかしさに耐えられません。

お互い顔を真っ赤にしながらしばらくして、結局サイズの合った同じものを買うことにしました。

「ティアラ、ああいう服を私の前以外では着ないでくださいね」

「そんなにわたくしを独り占めしたいんですか?いいですよ?アレン様ならわたくしの全てを見ても」

言ったはいいものの、ドキドキが止まらないんですよね。今も手を繋げてるのが奇跡ってくらいです。

「私のティアラ、お願いだからどこにも行かないでくださいね」

「ふにゅぅぅ」

あ、頭がぐるぐるしてきました〜アレン様好きです!大好きです!素直になれない自分がもどかしいです。

「次はあそこに寄って行きましょうか」

アレン様が手を引いていきます。

「宝石屋さんですか」

指輪は確かこのお店で特注で作ってもらったらしいですね。

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