だからわたくしはデレたくないんです!

soltier

ドレス選び

デートのおかげで、だいぶアレン様にも慣れてきたと思います。その代わり愛が深まってしまったのですが、、あれから悶々としてしまうんですが、、あれくらい結婚式で行うであろうキスと比べれば序の口だと言うのに、わたくしは大丈夫なのでしょうか。

今日は結婚式のドレスの試着をするそうです。いよいよ実感がわいてきましたね。他の令嬢とかはどうしているのでしょうか、、それこそお母様はどんな気持ちだったのでしょう。
ちょっと不安な気持ちになってきました。わたくしは、ちゃんとアレン様の隣にたてるのでしょうか。

「奥様、そろそろ準備を」

「もう出来ています」

ぼーっと考えながらでも身体は勝手に動くようで、服や髪は出来ています。

「私もティアラのウエディングドレス姿を見てみたかったです」

「それは結婚式までのお楽しみにしておいてください」

また平気でそんなこと!うぅ、、照れちゃだめですよ。わたくしだってアレン様のタキシード姿楽しみにしてますよなんて言えないので、食べ物を食べてその言葉と一緒に飲み込みます。

アレン様を見送って、私は仕立て屋が来るのを待ちます。いくつか見繕ったドレスを持ってきてわたくしが何着か選べるそうです。

「私的にはやっぱり純白で、シンプルなのがいいと思うんですよね。変に着飾るよりも奥様らしくありのままがいいと思います」

ユニがわたくしを見ながら似合うドレスを言ってきます。わたくしも特にいいのがなかったらユニの言う通りにしようと思ってました。

「奥様、アレン様の好みって意外とシンプルよりふわふわした感じの服が好きなんですよね。今奥様が来てるようなドレスなんかは特に」

わたくしが今来てるのは薄いピンクのフリルがふんだんに使われているドレスです。うーん、ユニとメイドが言ってることはどっちもいいと思いますけど、悩みの種になってしまいますね。

「なにはともあれ持ってきたドレスのどれかですからね。ゆっくり選ぶとしましょう」


しばらくして、仕立て屋がやってくる。配慮されてるのか女性のようです。

「本日は当商会を選んでくださり誠にありがとうございます。これからもどうぞご贔屓に」

まぁ相手は貴族だから当たり前ですが露骨な媚び売りですね。腕はともかく変なことをすることはないでしょう。それに今のわたくしは伯爵令嬢ではなく侯爵夫人。立場が別格ですね。

わたくしに威厳も何も感じられないと思うのですが。出来た商会人のようです。

「今日は5着ほど用意させていただきました」

5着ですか、、こういったドレスは着脱が大変だからちょっと気が滅入りますね。これもアレン様のためです!そうです。めいっぱいかわいくなって逆に照れさせてわたくしに余裕ができるかもしれません。

まずは一番シンプルなのからで

メイド達が手際よくわたくしに着せてくれます。う、ちょっときついかも、、あ、これ、もしかして、、

「うーん、おかしいですね。サイズは言われたとおりのはずなんですが」

「奥様、もしかして、その、言いにくいのですが」

「わ、わかってます。正直に言いましょう」

う、この前のデートでも頭によぎりましたが、、これは思っているより深刻のようです。このままではさらにだらけてしまうどころか、高貴さも損なってしまいます。アレン様に見限られる可能性も、、これは本格的に頑張らないといけなさそうですね。

メイドが正直に話してくれます。

「あ、ドレスによってサイズ感が少し違うので、小さいサイズ、大きいサイズそれぞれ用意してあります」

おお!さすがですね。アレン様には後で仕立て屋について話しておきましょう。これで仕立て屋も喜ぶことでしょう。
通りで5着のはずなのに荷物が多いと思ってたんですよ。

迷わず大きなサイズを着る。さすがにこれでもきつかったらまずいことになります。

「今回は大丈夫のようですね。よかったです」

もちろんドレスなのでそれなりにはきついですが、さっきのような無理のある感じではありません。ほんとによかった。

「とてもよくお似合いですね!」

「綺麗ですよ、奥様」

お世辞なのか本気なのかわからないですが、褒められたら嬉しいです。鏡で見てみても。様になってますね。急に実感がわいてきて赤くなってしまいます。

「シンプルなので体のラインもはっきりしてしまいますね」

今のわたくしだと少し自信がないですわ。悪くはないのですが、、

「次は思考を変えて、かわいらしい感じのドレスにしてみました」

こっちはさっきとは打って変わって、フリルがふんだんに使われているドレスだ。メイドが選んだのかアレン様が何か言ったのか、、わたくしに似合うのでしょうか。

無事着られて一安心します。

「これは旦那様が見たらよくなさそうですね」

「多分ドンピシャだと思います」

「最終兵器として残しておくか、、ここで使ってしまうか」

「さっきっからなんの話をしているんですか?」

何やら不穏な空気です。

「似合いすぎるというより、旦那様の好みの通りと思ったので」

「そ、そうですか」

アレン様に見られたら何をされてしまうのでしょうか。い、いえ、アレン様はそんな人では、、あ、でもお母様は、、

「ティアラ、いつだって男は紳士になろうとしているのよ。そう、なろうとしてるの。でも本心はいつも違うことを考えているわ」

って言ってましたね。当時はよくわからなかったですけど、今ならわかるような気がします。

「有力候補ですね。どうですか?」

「とてもよくお似合いです」

一応まだ用意してくれているので、それらも試着していく。


「どれもとてもよかったと思います」

ほんとにどれもよかったですね。悩んじゃいます。わざわざアレン様に聞くわけにもいきませんし、というかアレン様に聞いたら絶対二番目って言うことでしょうね。

メイド達との相談のもと、二着用意することにした。まずはシンプルなものからで、披露宴の時にお色直しでアレン様の好みのフリルドレスを着ることになりました。

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