初心者スキル【言語理解】の横に“極致”と載ってるんだが
30話
「うわ……酷いですね……」
「そうだな」
──三日ほど歩き、『獣国 アルドローリア』に着いた……が。
……何もかも、めちゃくちゃだ。
壁も、家も、原形を留めていない。
「……ミリア、手分けして生きている奴を探すぞ」
「はい」
まあ、生きている奴なんていないだろうが──そんな事を思いながら、聡太は『獣国』の奥へと進んでいく。
生きている奴がいれば、ソイツから『十二魔獣』の情報を聞き出す。生きている奴がいなければ、自力で『十二魔獣』を探す。
だが──これだけボロボロに壊された国を見て、生存者がいると考える者は少ないだろう。
「……これは……」
尋常じゃない量の血が、地面に染み付いている。
血の跡を辿って行くと……『獣人族』がいた。
瓦礫に埋もれた状態の、だが。
「……酷いな」
猫の耳を生やした男性の死体を見て、聡太は……無意識の内に、そう溢していた。
聡太は、異世界人が嫌いだ。
ミリアの事は……自分を裏切らないから信用しているだけで、別に好きなわけではない。
この『獣人族』は、最後の最後まで戦おうとしていたのだろう。唯一瓦礫から出ている右手には、刀身の折れた剣が握られていた。
「こっちにもか……」
別の場所には、親子と思われる『獣人族』がいた。
その近くには、若い女の子が。
少し離れた所に、老人が。
そこから少し歩いた場所に、二人の男が。
数え始めたらキリがない。
はぁ、とため息を吐き、聡太は右手を上に向けた。
「『蒼熱線』」
これ以上探しても、生存者なんていないだろう──そう判断し、聡太はミリアに合図を出した。
そう遠くない所で蒼龍が天に舞い上がり……聡太はそこを目指して歩き出す。
「ソータ様……生存者は?」
「いなかった。ってか、生きてたらこの国から離れてるだろうし……ここには生存者はいないだろ」
「そうですか……」
聡太とミリアが顔を見合わせ──同時に、同じ方向へ視線を向けた。
その方向には──森がある。
──『ビフルズ大森林』。
『フォルスト大森林』と並ぶ、二大森林の一つだ。
「ソータ様は、どう思いますか?」
「……さあな。でも、行ってみる価値はありそうだ」
互いに頷き合い、聡太とミリアは『ビフルズ大森林』に向けて歩みを進めた。
────────────────────
「こっちだな」
茂みを掻き分け、迷う様子もなく森を進む。
【気配感知“広域”】を発動させ、近くにある気配を手当たり次第に探っているのだ。
だが……今の所、モンスターとしか遭遇していない。
やはり、『獣人族』の生き残りはいないのか──そう諦めかけた、その時だった。
「──ん」
何かが、【気配感知“広域”】の範囲内に入った。
モンスターとは違う、意思を持った集団……こちらに気づいていないのか、聡太たちの方向へ近づいてくる。
「ミリア、こっちだ」
「はい」
【気配感知】を発動したまま真っ直ぐに進み──やがて、集団の気配と出会った。
「──ッ?! な、何者だ?!」
リーダーと思われる狼顔の男が、聡太を睨んで唸り声を上げる。
敵意は無いと両手を上げ、聡太はその集団に近づいた。
「驚かせて悪い。俺は旅の者だ」
「……『人類族』か……いや、こちらこそすまない。少し気が立っていてな」
「『十二魔獣』に国を滅ぼされたからか?」
失礼とも言える聡太の言葉に、だが狼顔の男は怒る事なく、無言で頷いた。
「それで……少し聞きたい事があるんだが、いいか?」
「……構わない。オレたちに答えられる事ならな」
「そうか。じゃあ遠慮なく聞かせてもらう。生き残った『獣人族』は、これだけなのか?」
聡太の問い掛けに、狼顔の男の近くにいた狼耳の女性が答える。
「いいえ……いくつかの部隊に分かれて『十二魔獣』から逃げていたのです。他の者たちは、私たちとは別の所に逃げているはずです」
「そうなのか」
「……そう、なのですが……」
何やら、女性が言いづらそうに声を小さくした。
「何かあったのか?」
「……国を滅ぼした『十二魔獣』は、我々の部隊を狙っているのです。こうしている間にも、我々を狙って……」
最後になるにつれて声が小さくなっていき……狼耳の女性が顔を俯かせた。
暗い雰囲気に聡太が肩を竦め──何かを感じたのか、勢いよく背後を振り返った。
「──とりゃあああああああああっ!」
「ん──『剛力』」
──鳥の足が、聡太の眼前に迫っている。
凄まじい勢いで放たれる蹴撃を前に、聡太は『剛力』を発動。
腕力と脚力を底上げし、迫る鳥足を左腕で受け止め──聡太が吹き飛んだ。
一拍遅れて轟音が響き……突然の攻撃に、ミリアが思わず叫んだ。
「ソータ様っ?!」
「【硬質化】っ!」
「このっ──『第三重反射結界』っ!」
ミリアの前に、赤黒い障壁が現れる。
触れるもの全てを跳ね返す結界は──しかし、鳥の足による蹴撃により、粉々に砕け散った。
「嘘……?! 『第三重』を、たった一撃で……?!」
「固ーい……【豪脚】っ!」
「くっ、『第四重絶対結界』っ!」
再び放たれた蹴撃に対し、今度は四重詠唱で対抗する。
黄色の障壁に鳥の足が激突する──寸前、冷たい詠唱が聞こえた。
「──『黒重』」
「ぁ──あう?!」
不可視の重圧を受け、襲ってきた奇妙な少女は地面に沈んだ。
「チッ……いきなり攻撃してくるから『十二魔獣』かと思えば……ただのチビッ子じゃねぇか……」
「ソータ様! ご無事ですか?!」
「安心しろ。ケガしてねぇよ」
心配そうに声を掛けてくるミリアを雑に流し、『黒重』で動けなくなっている少女に目を向ける。
……薄い青色の髪に、深い青色の瞳を持っている少女だ。
膝上から下が鳥の足のようになっており、腕から青い羽毛のような翼が生えている。
ハーピー、と言えば伝わるだろうか。半人半鳥の奇妙な少女だ。
「うー! 動けなーい!」
「さて……お前は何者だ? どうして俺たちを襲った?」
声を低くし問い掛ける聡太を見て、青髪の少女が小さく悲鳴を漏らした。
だが……少女の瞳には、強さが宿っている。身動き一つ取れないこの状況でも、何も諦めていない証拠だ。
「ハピィ! この人たちは悪い人じゃない! 落ち着け!」
「う? ……ハピィたちを追い掛けてるんじゃないのー?」
「それは『十二魔獣』だ! この人たちはたまたまここを通り掛かった旅人だ!」
「……そーなのー?」
「たまたまじゃないが……まあ、そんな感じだ」
少女の瞳から敵意が消えた事を確認し、『黒重』を解除する。
「いきなり蹴ってごめんねー! ハピィはね、ハルピュイア・イリスって言うの! あなたはー?」
「……古河 聡太だ」
「フルカワソーター? ……なんか変な名前ー。あなたはー?」
「み、ミリア・オルヴェルグです……」
この世界では、ハーピーも『獣人族』に分類されるのか。
目の前でニコニコと微笑ましい笑みを浮かべている少女を見て、ふとそんな事を思った。
「それで、お兄さんたちはどうしてこんな森に来たのー? 迷子ー?」
「さっき言っただろう! たまたま通り掛かった旅人だって──」
「それ、違うよー? だってこのお兄さん……たまたま通り掛かった人にしては、殺意がスゴいもーん」
ズイッと聡太の瞳を覗き込み、ハルピュイアが首を傾げながらそう言った。
「へぇ……わかるのか?」
「んー……何となく?」
再び首を傾げ、イマイチ納得のできない返事を返してくる。
ちら、とミリアの方を向き……首を横に振られた。つまり、嘘を見抜くような【技能】は持っていないという事だ。
なのに、聡太の考えを──否。感情を読んだのだ。
「旅のお方、どういう事ですか?」
「俺の旅の目的は、『十二魔獣』を殺す事だ。『獣人族』の国が『十二魔獣』に滅ぼされたって聞いて、この森に来た」
「『俺の』じゃなくて、『俺たちの』ですよ!」
聡太の言葉に食い付くミリアが、私もいるよ! と手を挙げる。
無言でミリアに目を向け……無視する事にしたのか、聡太はミリアから視線を外した。
「それで、この森には『十二魔獣』がいるんだな?」
「んー……それってあの大きな牛さんの事でいいのー?」
「大きな……牛……?」
ハルピュイアの言葉に、聡太は首を傾げた。
……人型ではないのか?
テリオンは一見女性のように見えたが……今度の『十二魔獣』は牛?
「よくわかんないけど、あの牛さんを倒すなら、協力してくれるー? ハピィたちも、あの牛さんには迷惑してるのー」
「協力って……お前、戦えるのか?」
「んー……うん!」
少し返事に間があった事に不安を感じ、狼顔の男の方を向く。
「……ハピィは強い。今まで我々が生き延びたのは……ハピィが1人で『十二魔獣』の相手をしてくれたからだ」
「へぇ……! お前、そんなに強いのか」
「うーん……うん!」
元気に頷くハルピュイアを見て、最初にハルピュイアの蹴りを食らった事を思い出した。
瞬間的に距離を詰めるほどのスピードに、『剛力』を使った聡太すらも吹き飛ばすほどの脚力。
なるほど……確かに強い。
「……ミリア」
「脚力を上昇させる【豪脚】に、瞬間的に距離を詰める【瞬歩】。体を硬くさせる【硬質化】。そして……【蹴術“極”】です」
「【技能】四つ持ちか……なかなか多いな」
「え、えー?! なんでハピィの【技能】がわかったのー?!」
「それに関しては秘密だ」
驚いたように聡太とミリアを交互に見て、大声を上げる。
この後、ミリアと話し合い……今日の所はハルピュイアたちと行動を共にする事にした。
「そうだな」
──三日ほど歩き、『獣国 アルドローリア』に着いた……が。
……何もかも、めちゃくちゃだ。
壁も、家も、原形を留めていない。
「……ミリア、手分けして生きている奴を探すぞ」
「はい」
まあ、生きている奴なんていないだろうが──そんな事を思いながら、聡太は『獣国』の奥へと進んでいく。
生きている奴がいれば、ソイツから『十二魔獣』の情報を聞き出す。生きている奴がいなければ、自力で『十二魔獣』を探す。
だが──これだけボロボロに壊された国を見て、生存者がいると考える者は少ないだろう。
「……これは……」
尋常じゃない量の血が、地面に染み付いている。
血の跡を辿って行くと……『獣人族』がいた。
瓦礫に埋もれた状態の、だが。
「……酷いな」
猫の耳を生やした男性の死体を見て、聡太は……無意識の内に、そう溢していた。
聡太は、異世界人が嫌いだ。
ミリアの事は……自分を裏切らないから信用しているだけで、別に好きなわけではない。
この『獣人族』は、最後の最後まで戦おうとしていたのだろう。唯一瓦礫から出ている右手には、刀身の折れた剣が握られていた。
「こっちにもか……」
別の場所には、親子と思われる『獣人族』がいた。
その近くには、若い女の子が。
少し離れた所に、老人が。
そこから少し歩いた場所に、二人の男が。
数え始めたらキリがない。
はぁ、とため息を吐き、聡太は右手を上に向けた。
「『蒼熱線』」
これ以上探しても、生存者なんていないだろう──そう判断し、聡太はミリアに合図を出した。
そう遠くない所で蒼龍が天に舞い上がり……聡太はそこを目指して歩き出す。
「ソータ様……生存者は?」
「いなかった。ってか、生きてたらこの国から離れてるだろうし……ここには生存者はいないだろ」
「そうですか……」
聡太とミリアが顔を見合わせ──同時に、同じ方向へ視線を向けた。
その方向には──森がある。
──『ビフルズ大森林』。
『フォルスト大森林』と並ぶ、二大森林の一つだ。
「ソータ様は、どう思いますか?」
「……さあな。でも、行ってみる価値はありそうだ」
互いに頷き合い、聡太とミリアは『ビフルズ大森林』に向けて歩みを進めた。
────────────────────
「こっちだな」
茂みを掻き分け、迷う様子もなく森を進む。
【気配感知“広域”】を発動させ、近くにある気配を手当たり次第に探っているのだ。
だが……今の所、モンスターとしか遭遇していない。
やはり、『獣人族』の生き残りはいないのか──そう諦めかけた、その時だった。
「──ん」
何かが、【気配感知“広域”】の範囲内に入った。
モンスターとは違う、意思を持った集団……こちらに気づいていないのか、聡太たちの方向へ近づいてくる。
「ミリア、こっちだ」
「はい」
【気配感知】を発動したまま真っ直ぐに進み──やがて、集団の気配と出会った。
「──ッ?! な、何者だ?!」
リーダーと思われる狼顔の男が、聡太を睨んで唸り声を上げる。
敵意は無いと両手を上げ、聡太はその集団に近づいた。
「驚かせて悪い。俺は旅の者だ」
「……『人類族』か……いや、こちらこそすまない。少し気が立っていてな」
「『十二魔獣』に国を滅ぼされたからか?」
失礼とも言える聡太の言葉に、だが狼顔の男は怒る事なく、無言で頷いた。
「それで……少し聞きたい事があるんだが、いいか?」
「……構わない。オレたちに答えられる事ならな」
「そうか。じゃあ遠慮なく聞かせてもらう。生き残った『獣人族』は、これだけなのか?」
聡太の問い掛けに、狼顔の男の近くにいた狼耳の女性が答える。
「いいえ……いくつかの部隊に分かれて『十二魔獣』から逃げていたのです。他の者たちは、私たちとは別の所に逃げているはずです」
「そうなのか」
「……そう、なのですが……」
何やら、女性が言いづらそうに声を小さくした。
「何かあったのか?」
「……国を滅ぼした『十二魔獣』は、我々の部隊を狙っているのです。こうしている間にも、我々を狙って……」
最後になるにつれて声が小さくなっていき……狼耳の女性が顔を俯かせた。
暗い雰囲気に聡太が肩を竦め──何かを感じたのか、勢いよく背後を振り返った。
「──とりゃあああああああああっ!」
「ん──『剛力』」
──鳥の足が、聡太の眼前に迫っている。
凄まじい勢いで放たれる蹴撃を前に、聡太は『剛力』を発動。
腕力と脚力を底上げし、迫る鳥足を左腕で受け止め──聡太が吹き飛んだ。
一拍遅れて轟音が響き……突然の攻撃に、ミリアが思わず叫んだ。
「ソータ様っ?!」
「【硬質化】っ!」
「このっ──『第三重反射結界』っ!」
ミリアの前に、赤黒い障壁が現れる。
触れるもの全てを跳ね返す結界は──しかし、鳥の足による蹴撃により、粉々に砕け散った。
「嘘……?! 『第三重』を、たった一撃で……?!」
「固ーい……【豪脚】っ!」
「くっ、『第四重絶対結界』っ!」
再び放たれた蹴撃に対し、今度は四重詠唱で対抗する。
黄色の障壁に鳥の足が激突する──寸前、冷たい詠唱が聞こえた。
「──『黒重』」
「ぁ──あう?!」
不可視の重圧を受け、襲ってきた奇妙な少女は地面に沈んだ。
「チッ……いきなり攻撃してくるから『十二魔獣』かと思えば……ただのチビッ子じゃねぇか……」
「ソータ様! ご無事ですか?!」
「安心しろ。ケガしてねぇよ」
心配そうに声を掛けてくるミリアを雑に流し、『黒重』で動けなくなっている少女に目を向ける。
……薄い青色の髪に、深い青色の瞳を持っている少女だ。
膝上から下が鳥の足のようになっており、腕から青い羽毛のような翼が生えている。
ハーピー、と言えば伝わるだろうか。半人半鳥の奇妙な少女だ。
「うー! 動けなーい!」
「さて……お前は何者だ? どうして俺たちを襲った?」
声を低くし問い掛ける聡太を見て、青髪の少女が小さく悲鳴を漏らした。
だが……少女の瞳には、強さが宿っている。身動き一つ取れないこの状況でも、何も諦めていない証拠だ。
「ハピィ! この人たちは悪い人じゃない! 落ち着け!」
「う? ……ハピィたちを追い掛けてるんじゃないのー?」
「それは『十二魔獣』だ! この人たちはたまたまここを通り掛かった旅人だ!」
「……そーなのー?」
「たまたまじゃないが……まあ、そんな感じだ」
少女の瞳から敵意が消えた事を確認し、『黒重』を解除する。
「いきなり蹴ってごめんねー! ハピィはね、ハルピュイア・イリスって言うの! あなたはー?」
「……古河 聡太だ」
「フルカワソーター? ……なんか変な名前ー。あなたはー?」
「み、ミリア・オルヴェルグです……」
この世界では、ハーピーも『獣人族』に分類されるのか。
目の前でニコニコと微笑ましい笑みを浮かべている少女を見て、ふとそんな事を思った。
「それで、お兄さんたちはどうしてこんな森に来たのー? 迷子ー?」
「さっき言っただろう! たまたま通り掛かった旅人だって──」
「それ、違うよー? だってこのお兄さん……たまたま通り掛かった人にしては、殺意がスゴいもーん」
ズイッと聡太の瞳を覗き込み、ハルピュイアが首を傾げながらそう言った。
「へぇ……わかるのか?」
「んー……何となく?」
再び首を傾げ、イマイチ納得のできない返事を返してくる。
ちら、とミリアの方を向き……首を横に振られた。つまり、嘘を見抜くような【技能】は持っていないという事だ。
なのに、聡太の考えを──否。感情を読んだのだ。
「旅のお方、どういう事ですか?」
「俺の旅の目的は、『十二魔獣』を殺す事だ。『獣人族』の国が『十二魔獣』に滅ぼされたって聞いて、この森に来た」
「『俺の』じゃなくて、『俺たちの』ですよ!」
聡太の言葉に食い付くミリアが、私もいるよ! と手を挙げる。
無言でミリアに目を向け……無視する事にしたのか、聡太はミリアから視線を外した。
「それで、この森には『十二魔獣』がいるんだな?」
「んー……それってあの大きな牛さんの事でいいのー?」
「大きな……牛……?」
ハルピュイアの言葉に、聡太は首を傾げた。
……人型ではないのか?
テリオンは一見女性のように見えたが……今度の『十二魔獣』は牛?
「よくわかんないけど、あの牛さんを倒すなら、協力してくれるー? ハピィたちも、あの牛さんには迷惑してるのー」
「協力って……お前、戦えるのか?」
「んー……うん!」
少し返事に間があった事に不安を感じ、狼顔の男の方を向く。
「……ハピィは強い。今まで我々が生き延びたのは……ハピィが1人で『十二魔獣』の相手をしてくれたからだ」
「へぇ……! お前、そんなに強いのか」
「うーん……うん!」
元気に頷くハルピュイアを見て、最初にハルピュイアの蹴りを食らった事を思い出した。
瞬間的に距離を詰めるほどのスピードに、『剛力』を使った聡太すらも吹き飛ばすほどの脚力。
なるほど……確かに強い。
「……ミリア」
「脚力を上昇させる【豪脚】に、瞬間的に距離を詰める【瞬歩】。体を硬くさせる【硬質化】。そして……【蹴術“極”】です」
「【技能】四つ持ちか……なかなか多いな」
「え、えー?! なんでハピィの【技能】がわかったのー?!」
「それに関しては秘密だ」
驚いたように聡太とミリアを交互に見て、大声を上げる。
この後、ミリアと話し合い……今日の所はハルピュイアたちと行動を共にする事にした。
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