ウイニー王国のワガママ姫
Coffee Break : 旅行記
ダニエル・ペペスは18の時、父親から家を追い出された。
ダニエルには弟が1人いたが病弱な所があった為、度々弟の世話をしなければならなかった。
そんな弟も成長するにつれだいぶ体も丈夫になり既に手の掛からない頃になると、ダニエルは今までの鬱憤とばかりに、少々………いや、かなり派手な生活を送るようになった。
そんなダニエルを見兼ねた父親はそんな理由でダニエルをとうとう家から追い出したのである。
しかしダニエルはそれに動じることもなくむしろ今まで以上に自由を満喫するようになった。
ブラブラと好きな場所に行き、その日その日に合わせて女を口説く。
そんな事を続けていた所為か、自然と女性が好む言葉を会得していった。
そして気がつけば、女性を口説く材料にと旅のことを日記にしたためる様になった。
行く先々で女性にその日記を見せる。
するとこれが意外にも好評で、ダニエルは旅行記としてこれを出版する事となる。
ダニエルは貧乏生活から一気に抜け出し、また悠々自適な毎日を送っていたのだが、一所に居ると自分は落ち着かないことに気がついた。
使用人を解雇し、家を売り払い、また旅に出ることにした。
今度はウイニーから外に出て海外を旅しようと北の島国を目指した。
北の島国はとても小さい国だったが、ウイニーでは見られないような見目麗しい女性がそこかしこに居たので、ダニエルは嬉々として島じゅうを散策した。
といってもダニエルには悩みがあった。
確かに女性と仲良くはなれる。
そこには自信があるのだが、相手も自分も本気になるような恋は未だしたことがなかった。
北の島国の旅を終え、またウイニーへ戻り、今度はベルンを目指し船に乗る。
自分の理想とは一体どんな女性なのだろうか?
それすらもダニエルは解らなかった。とにかく女は好きなのだ。
ブールからケザスまでの航海の途中甲板を散策していると、1人の顔色の悪い美少女が項垂れて居るのが見えた。
「どうかしましたか?」
と、とりあえず声を掛けると、
「船酔いですぅ…」
と、力なく返事が返って来た。
背中をさすってやると
「ありがとうございますぅ」
と、また返事が返ってきた。
このままでは良くはならないだろうと彼女の部屋へ送り届ける事にした。
顔を覗き込むと、今まで見た中でも1,2を争う位の上玉だと内心ほくそ笑んだ。
そして客室へ運んでベッドへ寝かせると、その儚い表情につい間が差してしまったのだった。
「何するんですかーー!!」
と、驚いて涙目になりながら言う彼女にまた見惚れていると、突如後ろから扉が開き、小さな少年がダニエルに水をぶち撒け、殴りかかってきた。
部屋にはベッドが2つあり、髪の色も美少女と同じ金髪だった為、姉弟で旅をしているのだろうと結論づけた。
流石に自分も病人相手に事を急ぎすぎたと反省し、少年に平謝りする。
すると何故だか少年は、泣きながらダニエルに斬りかかってきたのである。
このような事は流石に初めてで、ダニエルはかなり混乱した。
しかもよくよく話を聞けば、美少女は美少年で、少年は少女だと言うではないか。
ダニエルはますます混乱してどうにか納めようとしたのだが、想定外にこの少女は強かった。
少なからず自分が今まであった女性には居ないタイプの女の子だった。
自分はそういう趣味は無いし、これからも子供や男相手に口説くつもりもないのだが、如何せんこの想定外の2人にすごく興味が湧いた。
何とか話をしてみようと2人を見つけては話しかけたが、最初が最初だったのでなかなか心を開いてくれなかった。
少女はよく甲板に1人でいることが多かったのでまずはこちらと仲よくなろうと試みたが、今度は股間を蹴られる羽目になってしまったのだった。
聞けば歳は16だと言うではないか。
その事実にダニエルはまた驚いたが、さらに驚いたのはその夜少女がそれはもう相当な美人に化けて目の前に現れたのだった。
始めはその事に気がつかず普通に口説いてしまったのだが、話を聞いているうちにあの少女だと気がつく。
確かに冷静に見ればあの少女で、背丈も自分の腹ぐらいしかない。
ますますもって興味をもったダニエルはあの手この手で少女に話し掛けた。
すると少女が実は自分のファンだったという事を知った。
あまりの出来事に思わず大爆笑したダニエルだったが、少女にしてみれば不本意だったようで顔を赤くしたり青くしたりしている様が何とも可愛らしく、からかいたくなる衝動に駆られた。
少女は罰が悪そうにその場を去ろうとしたが、とても言いにくそうに最後にサインをくれと言ってきた。
ダニエルは真っ赤になって催促する、少女の恥ずかしそうにする月に照らされた彼女の顔に心奪われた。
少女が立ち去った後、ダニエルは少し首を捻った。
そう言えば、自分は女性に対してこのような態度を取ったことがない。
男や子供相手ならわかるのだが…いや、出会いが出会いだったからそうなっているだけかもしれないが、どうもそれだけでは無いようなそんな気がした。
しかし確かめようにも明日には港へ着く。
首を捻りながらダニエルは自分の事を持て余していた。
とりあえず、旅行記にこの事を書いておく事にしたのだった。
ダニエルには弟が1人いたが病弱な所があった為、度々弟の世話をしなければならなかった。
そんな弟も成長するにつれだいぶ体も丈夫になり既に手の掛からない頃になると、ダニエルは今までの鬱憤とばかりに、少々………いや、かなり派手な生活を送るようになった。
そんなダニエルを見兼ねた父親はそんな理由でダニエルをとうとう家から追い出したのである。
しかしダニエルはそれに動じることもなくむしろ今まで以上に自由を満喫するようになった。
ブラブラと好きな場所に行き、その日その日に合わせて女を口説く。
そんな事を続けていた所為か、自然と女性が好む言葉を会得していった。
そして気がつけば、女性を口説く材料にと旅のことを日記にしたためる様になった。
行く先々で女性にその日記を見せる。
するとこれが意外にも好評で、ダニエルは旅行記としてこれを出版する事となる。
ダニエルは貧乏生活から一気に抜け出し、また悠々自適な毎日を送っていたのだが、一所に居ると自分は落ち着かないことに気がついた。
使用人を解雇し、家を売り払い、また旅に出ることにした。
今度はウイニーから外に出て海外を旅しようと北の島国を目指した。
北の島国はとても小さい国だったが、ウイニーでは見られないような見目麗しい女性がそこかしこに居たので、ダニエルは嬉々として島じゅうを散策した。
といってもダニエルには悩みがあった。
確かに女性と仲良くはなれる。
そこには自信があるのだが、相手も自分も本気になるような恋は未だしたことがなかった。
北の島国の旅を終え、またウイニーへ戻り、今度はベルンを目指し船に乗る。
自分の理想とは一体どんな女性なのだろうか?
それすらもダニエルは解らなかった。とにかく女は好きなのだ。
ブールからケザスまでの航海の途中甲板を散策していると、1人の顔色の悪い美少女が項垂れて居るのが見えた。
「どうかしましたか?」
と、とりあえず声を掛けると、
「船酔いですぅ…」
と、力なく返事が返って来た。
背中をさすってやると
「ありがとうございますぅ」
と、また返事が返ってきた。
このままでは良くはならないだろうと彼女の部屋へ送り届ける事にした。
顔を覗き込むと、今まで見た中でも1,2を争う位の上玉だと内心ほくそ笑んだ。
そして客室へ運んでベッドへ寝かせると、その儚い表情につい間が差してしまったのだった。
「何するんですかーー!!」
と、驚いて涙目になりながら言う彼女にまた見惚れていると、突如後ろから扉が開き、小さな少年がダニエルに水をぶち撒け、殴りかかってきた。
部屋にはベッドが2つあり、髪の色も美少女と同じ金髪だった為、姉弟で旅をしているのだろうと結論づけた。
流石に自分も病人相手に事を急ぎすぎたと反省し、少年に平謝りする。
すると何故だか少年は、泣きながらダニエルに斬りかかってきたのである。
このような事は流石に初めてで、ダニエルはかなり混乱した。
しかもよくよく話を聞けば、美少女は美少年で、少年は少女だと言うではないか。
ダニエルはますます混乱してどうにか納めようとしたのだが、想定外にこの少女は強かった。
少なからず自分が今まであった女性には居ないタイプの女の子だった。
自分はそういう趣味は無いし、これからも子供や男相手に口説くつもりもないのだが、如何せんこの想定外の2人にすごく興味が湧いた。
何とか話をしてみようと2人を見つけては話しかけたが、最初が最初だったのでなかなか心を開いてくれなかった。
少女はよく甲板に1人でいることが多かったのでまずはこちらと仲よくなろうと試みたが、今度は股間を蹴られる羽目になってしまったのだった。
聞けば歳は16だと言うではないか。
その事実にダニエルはまた驚いたが、さらに驚いたのはその夜少女がそれはもう相当な美人に化けて目の前に現れたのだった。
始めはその事に気がつかず普通に口説いてしまったのだが、話を聞いているうちにあの少女だと気がつく。
確かに冷静に見ればあの少女で、背丈も自分の腹ぐらいしかない。
ますますもって興味をもったダニエルはあの手この手で少女に話し掛けた。
すると少女が実は自分のファンだったという事を知った。
あまりの出来事に思わず大爆笑したダニエルだったが、少女にしてみれば不本意だったようで顔を赤くしたり青くしたりしている様が何とも可愛らしく、からかいたくなる衝動に駆られた。
少女は罰が悪そうにその場を去ろうとしたが、とても言いにくそうに最後にサインをくれと言ってきた。
ダニエルは真っ赤になって催促する、少女の恥ずかしそうにする月に照らされた彼女の顔に心奪われた。
少女が立ち去った後、ダニエルは少し首を捻った。
そう言えば、自分は女性に対してこのような態度を取ったことがない。
男や子供相手ならわかるのだが…いや、出会いが出会いだったからそうなっているだけかもしれないが、どうもそれだけでは無いようなそんな気がした。
しかし確かめようにも明日には港へ着く。
首を捻りながらダニエルは自分の事を持て余していた。
とりあえず、旅行記にこの事を書いておく事にしたのだった。
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