死なない奴等の愚行
第170話 世界の果てで天使
オッサンたちと別れて暫く経ったが、未だにモンスターとは遭遇していない。
五人中三人が新人。もっと言うと、その内の二人はセットだ。ちなみに、オッサンと別れた直後から、サーペントを纏っている。
戦闘になってからじゃ遅いし、いざという時に動けないと困る。そして可能な限り痛い思いはしたくない。サーペントを纏っていれば、おそらく回避できるだろう。
しかし、実際強大なモンスターと遭遇した時に、はたしてどこまでやれるか……デュラ爺さんとユイカが頼りだ。
だが、二人にだけ任せる訳にはいかない。いざモンスターとの戦闘になった時に、的確に行動できるようにと、少しでも事前に情報を聞いておく事にする。
「なあ、世界の果てにはどんなモンスターが居るんだ?」
「ん? ああ……そうじゃな、分かりやすくと言うと…………儂とタロス」
「? デュラ爺さんとタロスがどうしたんだ?」
「ここの出身なんじゃよ、儂とタロスは」
「…………」
それは、つまり……あれか。デュラ爺さんやタロスぐらい強いモンスターが居ると。なるほど…………提案なんだけど帰った方がいいんじゃない?
普通に無理だ。既に俺とサーペントは融合状態でデュラ爺さんと戦った事がある。結果は惨敗。まったく勝てる気がしなかった。それで、ここのモンスターと戦うなんて自殺行為だ。
死ぬ事はないから自殺なんて成立しないけども!
「おいおい、ケルベロス。そんな心配しなくても大丈夫だよ。確かに二人はここの出身だけど、ここを出てどれだけ経っていると思ってるんだい? ここのモンスターなんかよりも、デュラの爺さんは格段に強くなってるに決まってるだろ。私も負ける気はしないよ。だからそんな心配しなさんな」
「ああ……儂と同じデュラハン相手であれば容易い。ただの……」
「ん? どうした、何か爺さんでもヤバい奴でも居るのか?」
「ふむ……儂が不老不死になるきっかけの相手じゃ」
「ああ、なんか前に聞いた事がある。えっと……確か天使と戦ったんだよな?」
「天使!?」
天使と戦った。それを聞いて思わず声を上げてしまう。
悪魔とは正反対の存在。天界の住人である者達の事だ。悪魔と同等の存在であり、とても普通の人間は相手にする事はできない。ただ、天使や悪魔はこの世界に現れる事は滅多にない。天界や魔界とこの世界が繋がる事はそうないからだ。
だが、この世界の果てに天使が居るのか?
(天使ですか……私やデュラさんのようなモンスターにとっては辛い相手ですね)
確かに……天使は、天の使いというだけあって浄化する力に長けている。死霊系のモンスターにとっては天敵だろう。
「負けるつもりはないがの……ただ、あやつらは好戦的じゃからの。目が合えば絶対にこちらを殺しに来るから、気を付けた方がいいのう」
「私は天使と戦った事はないな。ただ、あいつらこの世界の生物は穢れているとか思ってんだろ? 見た目は綺麗とか言うけど、悪魔の方が気は合いそうだなぁ」
天使は好戦的のようだ。デュラ爺さんは負けるつもりはないと言ってはいるが相性は最悪だ。いざ、という時にはユイカと協力して…………って、俺もサーペントが相性最悪だった。
そうなると天使と相性関係なく戦えるのはユイカ、それとシャラ。ただ、シャラはハーフモンスターで一般人より力がある程度でそこまで戦えるとは思えない。
これは少なくともオッサンたちと合流して、再度メンバーの再編をした方がいいのではないだろうか。だが、デュラ爺さんやユイカはそんな事を考えもせず、進み続ける。
もしかすると天使と遭遇する可能性は相当低いのかもしれない。そうだ、そうに違いない。普通、遭遇するかもしれないと、ハラハラドキドキするものではない。
天使は空想の産物と思われるほどに現実味が湧かず、本当に存在しているのか怪しいと一般的に思われている。それは世界の果てでも同じなのではないだろうか。
そう希望を見出した時だった。目の前に、白い翼を生やした何かが現れたのは。
五人中三人が新人。もっと言うと、その内の二人はセットだ。ちなみに、オッサンと別れた直後から、サーペントを纏っている。
戦闘になってからじゃ遅いし、いざという時に動けないと困る。そして可能な限り痛い思いはしたくない。サーペントを纏っていれば、おそらく回避できるだろう。
しかし、実際強大なモンスターと遭遇した時に、はたしてどこまでやれるか……デュラ爺さんとユイカが頼りだ。
だが、二人にだけ任せる訳にはいかない。いざモンスターとの戦闘になった時に、的確に行動できるようにと、少しでも事前に情報を聞いておく事にする。
「なあ、世界の果てにはどんなモンスターが居るんだ?」
「ん? ああ……そうじゃな、分かりやすくと言うと…………儂とタロス」
「? デュラ爺さんとタロスがどうしたんだ?」
「ここの出身なんじゃよ、儂とタロスは」
「…………」
それは、つまり……あれか。デュラ爺さんやタロスぐらい強いモンスターが居ると。なるほど…………提案なんだけど帰った方がいいんじゃない?
普通に無理だ。既に俺とサーペントは融合状態でデュラ爺さんと戦った事がある。結果は惨敗。まったく勝てる気がしなかった。それで、ここのモンスターと戦うなんて自殺行為だ。
死ぬ事はないから自殺なんて成立しないけども!
「おいおい、ケルベロス。そんな心配しなくても大丈夫だよ。確かに二人はここの出身だけど、ここを出てどれだけ経っていると思ってるんだい? ここのモンスターなんかよりも、デュラの爺さんは格段に強くなってるに決まってるだろ。私も負ける気はしないよ。だからそんな心配しなさんな」
「ああ……儂と同じデュラハン相手であれば容易い。ただの……」
「ん? どうした、何か爺さんでもヤバい奴でも居るのか?」
「ふむ……儂が不老不死になるきっかけの相手じゃ」
「ああ、なんか前に聞いた事がある。えっと……確か天使と戦ったんだよな?」
「天使!?」
天使と戦った。それを聞いて思わず声を上げてしまう。
悪魔とは正反対の存在。天界の住人である者達の事だ。悪魔と同等の存在であり、とても普通の人間は相手にする事はできない。ただ、天使や悪魔はこの世界に現れる事は滅多にない。天界や魔界とこの世界が繋がる事はそうないからだ。
だが、この世界の果てに天使が居るのか?
(天使ですか……私やデュラさんのようなモンスターにとっては辛い相手ですね)
確かに……天使は、天の使いというだけあって浄化する力に長けている。死霊系のモンスターにとっては天敵だろう。
「負けるつもりはないがの……ただ、あやつらは好戦的じゃからの。目が合えば絶対にこちらを殺しに来るから、気を付けた方がいいのう」
「私は天使と戦った事はないな。ただ、あいつらこの世界の生物は穢れているとか思ってんだろ? 見た目は綺麗とか言うけど、悪魔の方が気は合いそうだなぁ」
天使は好戦的のようだ。デュラ爺さんは負けるつもりはないと言ってはいるが相性は最悪だ。いざ、という時にはユイカと協力して…………って、俺もサーペントが相性最悪だった。
そうなると天使と相性関係なく戦えるのはユイカ、それとシャラ。ただ、シャラはハーフモンスターで一般人より力がある程度でそこまで戦えるとは思えない。
これは少なくともオッサンたちと合流して、再度メンバーの再編をした方がいいのではないだろうか。だが、デュラ爺さんやユイカはそんな事を考えもせず、進み続ける。
もしかすると天使と遭遇する可能性は相当低いのかもしれない。そうだ、そうに違いない。普通、遭遇するかもしれないと、ハラハラドキドキするものではない。
天使は空想の産物と思われるほどに現実味が湧かず、本当に存在しているのか怪しいと一般的に思われている。それは世界の果てでも同じなのではないだろうか。
そう希望を見出した時だった。目の前に、白い翼を生やした何かが現れたのは。
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