死なない奴等の愚行

山口五日

第25話 大は小を兼ねるって言うじゃないですか!

 ロリコンの疑いを掛けられて不安になった俺はユーマに尋ねる。


「なあ、ユーマ。お前以外にも俺がロリコンだと思ってる奴は居るのか?」
「いや、ロリコンと思っていたのは俺だけだ。自信あったんだけどなー」


 何処からそんな自信が湧いて来るんだ……。


 まあ、何はともあれ良かった。ユーマだけか。彼だけなら、別にそこまでロリコンと思われるような変態チックな面はしてないだろう。安心した。


「ショタコンと思っているのはかなり居るけど」
「俺いったいどんな面してんの!?」


 ショタコンっぽい面って何? 確かに名前を付けられるときにロリコンと共にショタコンと提案されていたけど、どうしてロリコンよりもショタコンの方が多いんだ。せめて女性の方にしてくれよ。幼いというのはどちらを選んでも変わらないのなら、俺はロリコンを選ぶ。


 ……いや、ロリコンと思われるのも嫌だけどな。


 今度俺の事をショタコンと思った人には是非一度話してみたいものだ。


「まあ、ロリコンでもショタコンでもないのは分かった。それじゃあ、どんなおっぱいが好きなんだよ」
「唐突だな」
「別にいいじゃんか。ちなみに俺はクレアだなー。分かる? クレア。料理担当の人」
「ああ、昨日会ってる」
「じゃあ分かるだろ。あの人のおっぱいはイモータルで一番でかいぜー」


 確かにクレアのおっぱいは大きかった。巨乳を通り越して爆乳だ。トレードマークの赤いエプロンを持ち上げる、あの存在感は凄かった。昨日は初対面という事もあって、おっぱいへ視線を向けないように頑張ったが今思い返せばもっと見れば良かったと思う。


「ちなみにクレアのおっぱいが最も輝くのは、料理している時。あの人は団員全員分の食事を用意すっから、動きが半端ない。そしてその激しい動きにおっぱいが揺れる揺れる…………おっぱいの揺れに注目し過ぎると目を回すぜ」
「……マジか」


 それは良い事を聞いた。料理しているところに出くわしたら拝ませて貰おう。


「それで? ケルベロスはどんなおっぱいが好きなんだ?」
「どんなおっぱいか……」


 過去の事は思い出せないので、イモータルの女性で想像してみよう。


 クレアの爆乳は……良いな、うん。とりあえず第一候補だ。それからカーシャとフェルは無乳か。まあ、子供だし仕方ない。それとマリア、彼女のおっぱいは意外と大きい病気で体は弱っているが、胸への栄養は充分にいっているらしくクレアには及ばないが充分巨乳に値するものだった。そしてエリカ。彼女もデカかった。もしかするとクレアと同レベルの爆乳。ただ、彼女は腕や足の筋肉がかなり発達していたので…………なんか硬そうなおっぱいだ。あとは……マヤ。彼女は一般的なサイズだったな。手から少し溢れるサイズ。巨乳とまではいかないが、平均的なサイズよりは大きい……上位の乳、上乳とでも言おうか。クレアのものと比べると、なんだか安心できるサイズだ。


 だけど、どれかを選ぶのならやっぱり大きいのが好きだ。ユーマと同じくクレアのおっぱいが一番………………あれ? 誰かを忘れているような、あ。サラだ。


 サラのおっぱい……。
 サラの……おっぱい……。
 サラ…………おっぱい…………。


 おっぱい、あったか?


 あれ? おっぱい、あったか彼女? あ、あれ、記憶が…………まさかサラのおっぱいに関しての記憶を失ってしまったのだろうか。これでは、まるで彼女のおっぱいがないような…………あ。


 俺は気付いてしまった。
 どうしてサラのおっぱいに関しての記憶にないのかを。


 そうだ。彼女はなかったのだ。おっぱいが。いや、あるけど無いに等しい薄い胸、即ち貧乳。その存在感のなさに、他のおっぱいの強烈な存在感によって消えてしまったのだ、彼女のおっぱいは。


 俺は思わず強く唇を噛みしめた。
 他人のおっぱいのせいで、自分のおっぱいをなかった事にされるなんて。そんな悲しい事はあっちゃいけない。どれも等しくおっぱいなのだから。貧乳といっても別に無い訳ではないんだ。サラの貧乳も立派なおっぱいだ!


「おいケルベロス。いい加減どんなおっぱいが好きか言えよ」
「クレアのような大きなおっぱい」


 ……まあ、大きいのが好きだけどね。

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