序章～昇らぬ太陽（1）

   その昔、一匹の螽斯キリギリスがこの世を作った。
   その螽斯キリギリスは、死んだ後、二つに分かれた。そして、太陽と月になった。
   一方は、世界を明るく照らし、もう一方は、暗い夜道を静かに照らした。
   このまま、平和な世の中が続くと、人間たちは思った。だが、ある時太陽が消えた。
   その日から人間の０.００１％が間人まじんと呼ばれる生き物になった。
   間人まじんは、人間と全く同じ姿をしている。人間と大きく違うところは、三つある。
                        一つ、寿命がない
ただし、人間のように体に大きなダメージを受けると絶命する。
                      二つ、身体能力が高い
体を鍛えていない状態でも、10mほどの壁ならジャンプで越えられる。
                           三つ、心がない
主に、感情などの部分がなくなってしまう。
   しかし、一つだけなくならない感情がある。それが、快感だ。
    間人まじんは、人間を殺したときだけ、快感を感じる。

   まあ、ここまでが今世界で起こっている、主な出来事だ。
   これから、皆さんが目撃するのは、ここで話した事以上にすごいことだろう。

   では、是非、見ていただきたい。
   この世界が一ヶ月で元通りになる物語を。

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序章～昇らぬ太陽（1）

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