悪人ベルト

吉川瑠奈

4話

「はぁ、はぁ、はぁ。」
 
 犬のように口で息をしながら膝に手をついてしんどそうにしている青年イツキは木のせいで光がかなり遮断され先が薄暗くなっている薄気味悪い森の前にいた。

「そんなに疲れただすか?」

「ぁ、あっ、当たり前だろっ。」
 
 それもそのはず彼は3つの部活を兼部していたがその内二つが文化部、もう一つは卓球部とあまり体力を使わないため体力には自信が全くと言っていいほどなかったのだ。

「息が落ち着いて来たら森に入ってみるだす、多分スライムかゴブリンみたいなのがいるはずだすし。」

「あぁ、わかったよ。」

 スーハーと何度か大きく息を吸い、吐いて森を見据える。

「よしっ、いくか!」

 やる気に満ちた顔で森の道なき道を歩いていく。
 すこし山を登っていくと平らな土地が見えてきて少し休もうと思っていたがそこには淡い青色のぷるぷるした物体が一体いた。

「あれはブルースライムだすよ!弱いけど捕まったら骨までとかしてくるタイプの魔物だすよ!」

 オレにだけ聞こえるようにベルトが伝えた。

「え、めっちゃ危ないじゃん...」

 オレの予想していた最弱モンスターのスライムと違いかなり危ない存在だとわかり絶句していた。

「あ、後大きな声を発するのはダメだすよ、今の何も装備してない状態でいっても死んじゃうだけだす。」

「おいおい、それどうしたらいいんだよ。」

 思ったより魔物が強いことを理解し頬に一滴の冷や汗が垂れる。

「とりあえずそこら辺に落ちてある少し丈夫そうな木の棒を取るだす。」

「わかった。」
  
 周りを見渡すと運良く80センチくらいの棒を手に入れた。

「これでいいか?」

「多分いけるだす、効いてそうになかったら合図するだすからすぐに逃げるだすよ」

「おけ」

 ベルトにそう言い捨てダッシュでスライムに棒で殴りかかる。
 ベチャッという音が辺りに響きスライムを構成していた物体が辺りに散る。
 
「何回も殴りつけるだす!」

「任せろい!」

 平らな土地にブンッと木を振りベチャッと何かが散る音が何回も聞こえた。

「もういいだすよ」

「やっとか」

 足元には淡い青色のジェル状のものと淡い紫色の小さな石のようなものが一つ転がっていた。

「なー、あの石みたいになのってなに?」

「あれは魔石だすよ、売ったりできてお金にもなるしもっとしっかりしたのだったらそれを媒体にして生活魔法が使えるだす」

「なるほどな、まぁとりあえず魔石だけは持ってかえるがいいかな?」

「そうだすね、素材はぐちゃぐちゃすぎてお金にはならないだすし」

「わかった」

 そうベルトに言って淡い紫色の小さい魔石を拾った。
 
「あ、そういえばレベル上がってなくね?」

「そりゃあんな雑魚スライム一体じゃレベルアップしないだすよ」

 ドラクエとかでもそうだもんな、と勝手に納得してまだ深い森の中に入っていった。
 
 






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コメント

  • オナ禁マッスル

    兼部設定にしても3つは流石にやりすぎでは?

    0
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