豚になりたかった俺は...

オナ禁マッスル

14話 殻

スモーキングルームでもう数え切れない程の平野もどきを倒した俺は自分の中の何かが割れる感じがした。

その瞬間ムネヒトは俺の変化を察知したのか
「遂に破ったか、第1の殻を」と言う。

「第1の殻?」

「この世界ではある程度成長すると何かが割れる感じがして大幅に成長するんや。わしはそれを殻を破る、と表現しとる。」

「なんで俺は今、殻を破ったんですか?」

「第1の殻を破るには大量の戦闘経験が必要なんや。そのために何体もダミーを倒させとったんや。」

「そうですか。でも、第1ってことは第2、第3もあるんですか?」と俺が興奮しながら尋ねると

「残念やが第2の殻までしかないと思うで。」とムネヒトは言う。

だがまだ成長の余地があるのに変わりはない。

「第2の殻を破るにはどうすればいいんですか?」

「第2の殻を破るのはお前にはまだ難しいと思うがやってみるんか?」

「難しいってどんなことをするんですか?」

「鍛えるんや、心をな」

「心ですか?どういうことをするんですか?」

「まずは座禅、そして...」

「面倒くさそうなのでいいです」と言う。

すると、

「なら試してみるか、第1の殻を破ったお前の力を」

「試すってことはまた組み手ですか?」

「そうや。準備せぇ」

「分かりました」と言い、俺は構えを取る。

「いつでも来い」とムネヒトが言うと同時に俺は飛びかかる。

前回同様ムネヒトは高速で移動するが、今度は何とか動きが見えた。

俺の手前で止まり、しゃがみこんで腹パンをかまそうとするのが見えるので両手を使ってガードする。

ムネヒトの攻撃力が高すぎて、ガードをしていてもウルージで衝撃を吸収しきれず仰け反ってしまう俺。

正直ちょっと気持ちよかったがそんなこと思ってる場合じゃないと構えを取り直し、今度は飛びかかるのでは無く、バインドでの拘束を狙う。

ムネヒトは避けてくるだろうと思い、どこに避けても平野もどきにやったようにバインドを応用したこかし技を使えるように集中していたが、意外なことにムネヒトはバインドを避け無かった。

不意をつかれたが咄嗟に作戦を変えエターナル・ブリザードを応用して縄ごとムネヒトを凍らせようとしたが、ムネヒトの体はまるでタバコに点火された炎のように赤くなり、縄は燃え、エターナル・ブリザードの氷も溶かされてしまった。

そして、先程とは比べ物にもならないほどのスピードで俺の後ろに回り込み、いわゆる膝カックンをし、倒れた俺の上に跨り俺をぶん殴る。

俺の記憶にあるのはここまでだった。


次回、第2の殻を破るために一輝が行う特訓とは!?

ぜってぇ見てくれよな。

コメント

  • 吉川瑠奈

    ムネヒト強し

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