- シークレットプロジェクト -

前略、校庭にて③  


校庭のお土産としてホテイ草を諦めた生意気な3歳児の小生は
小さな池を見つめて、
ホテイ草に代わるお土産を探す。


池の底にはキラキラと光る丸い
石の様なガラス玉の様な物を見つける


何だあれ？いいなー欲しいなー、、
目標発見、、ロックオン！


しかし、1m弱の深さでも
3歳児には足が届かないちょっとしたプールの深さに成る、危険性を小一時間考えた、命と引き換えになるかもしれん、


ロック解除、、


と、諦めるが経験から考えてみたら
この校庭は通常の砂場と鉄棒と
滑り台、あとはベンチとあってもトイレくらいな公共の公園よりずっと楽しめるしお土産も沢山ある！と思い、
次回には、モデルではなく個人的に遊びに来る時のために校庭マップなるものを作り、お土産ポイントを書き込み、お持ち帰りを実行しようと
帰ってからシークレットプロジェクトの楽しみも考えながらモデルのふりを装って居た


そう考えるとホテイ草を諦めた時より
とてもニヤニヤと嬉しい表情となる
これにはカメラマンの父親のシャッターの数も以前より増していった。


やけに楽しそうだなー
そんなにココが気に入ったんか？！


父親も不思議がる、遊びだけでの喜びや嬉しい表情とはまた違う


それは、本人でしかわからない
怪しいシークレットプロジェクト発案3歳児の笑みだったからだ。


さてさて、自然に戯れる子供の図柄も父親にも飽きられてきたので次の小道具、遊具へ移動する事になった


おっ！子供心を唆るデザイン、、
回転ジャングルジムがあるねー
ここは楽園だわな、そう喜ぶと


一瞬、プロジェクトの事なんか忘れ
本業で遊ぶ思考の一般の3歳児に戻るも見つけたそいつに飛び乗る


今だけ独占！イッツマーイン！


初めは、回せ回せーと
めちゃくちゃ嬉しい顔で回し、
回転速度が最高潮に達したと判断、すぐ様飛び乗りクルクル回る


イェーイ！遊んでるぜー！
生きてる瞬間を感じるぜー！！


3歳児の雄叫びが校庭に響く。


回転軸が錆び付いてるのでキーキー煩いので、幼児の特徴である
テレビの三杉(見過ぎ)順症候群である
自分効果音がナチュラルに発症していく


ビューーーンッ
ビューーーンッ
キーーーーーンッ
グワーーーーンッ、、


ドカーーーーンッ！
と、回転に合わせて着地。


実況中継アナも思い浮かび、
おーっと、これは高得点！
と声をあげお決まりの終わり方で満足する


父親もこれにはフィルムが無くなるほどシャッターを押しまくって居た様だ


何度か同じ事を繰り返していくうちに限度を知らない3歳児、地球上で生きて行く物の定めである重力下の働きによる遠心力が襲いかかる。


目が回ってきた、、
3歳児による自分の限界を知った瞬間


終盤、着地も出来ずそのまま回転に合わせて降りて手も離さずジャングルジムと一緒に歩き速度を緩める


力が抜けていく、、
手を離した瞬間にぶっ倒れた。


父親が心配するも、少し回復を待つ
悠々自適なプロジェクトの発案をした罰が当たったのか？と頭をよぎるも流石3歳児、直ぐに復活する


父親に手を引かれ水飲み場がある水道まで行く、ちょっと一息水を飲む


はしゃぎ過ぎたなー
少し休もう。


花壇の近くにある、古木の切りっぱなしのベンチへ座る、少し遠目で遊具場を眺める。


今日遊んだのはアレとアレと、、
幼い復習能力が働くと同時に、
プロジェクトマップを頭の中の
写真で撮る、と言うか父親にここからの写真を撮ってもらおうか？
とも考えるが折角のシークレットプロジェクトなので黙って個人の楽しみにしておく。