水芭蕉の地へ

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水芭蕉の地へ① - 深夜バス -





水芭蕉の地へ①
- 深夜バス -


辺り一帯を白く冷たい結晶の塊で覆い尽くす季節もそろそろ終盤、
白色から若緑色が覗き出す頃
この地域に次の季節の順番を告げる便りが届く。


ある場所では、土に隠れて溝になった場所に勢いよく白く冷たいものが解けた、透明でまだ温度が上がらないうちに流れ出す物も動いてる。


ここは4県跨った日本国の中央より北東に位置する日本の秘境と呼ばれる湿地帯、国指定の公園だがある企業の所有地である


もうかれこれ今から20年前の事、
この地域を訪れるきっかけがあり、
ココ富士の国から東名高速バスで東京へ、その東京から秘境へと深夜バスなるものに初乗車した、真夜中の時刻に。


地元を出た時は小雨模様だったが、
上京後には既に止んで居た
過去に、ココへ来た時の空には今まででは珍しく雲間から月が覗いてる、
満月ではないがとても明るくそのまま新聞やバスの時刻表が読める程、
暫くして雲に隠れるが、暗くなるかな?と思うと薄い雲だったようで隠そうとした雲に月の輪光が白熱球色の輪のように囲む、そんな月空を眺めながら深夜バスを待つ


搭乗予定の人たちが続々と集まってくる、ほとんどが良い年をした女性たちのようだ、年齢も背丈も体型も様々だ


暫く待って、ターミナルの屋根の下の小さめのスピーカーからアナウンスが流れてくる、その後直ぐに目的のバスが到着した


深夜バス


実体験した事は過去には幸い無かったが、これは恐ろしい移動手段とでも言おうか?挑戦する時間、利用する機会がある人にはあまりお勧めできないが、昔の集団就職のバス版とも思える空気が車内に充満して、大変息苦しかった記憶しかない深夜バスだった


満員だったせいもあったのだろう、
席に着くと全員の行動が暗黙の了解で、いきなりシートを倒しはじめる、これには驚いた


暗黙の了解?見えないルール?
深夜バス初心者の小生には不道徳にしか見えない、一言かけてからではないんだな?ここの常識らしい、変なの。


出発時刻か5分過ぎ、
出入り口の扉が閉まる
やっと出発だー


しかし座席は倒れたまま、
しかも前のおばさんの頭に付けてる何かの異臭が強すぎて眠れるわけがない。


あのね、おばさん?
日本人はそもそも香水やらとかは要らない人種で体臭も他国の人たちに比べてあまり無いの、
お風呂は毎日入ってるでしょ?
なら何も付けなくていいから、特にこういう密閉された空間の集団での場所ならね?


と、心で思って言ったつもりになればストレス感じず無心になり眠れるだろうと仮眠状態へ自分を睡魔へと運ぶ。




( つづく )



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