20XX年の掲示板

vrymtl

第6章 ファービヨンド









「ハルコさんの世界へ還るのは後2日後?一緒に行く返事は明日まで??」
シゲは淡々と聞いてみる。


「明後日でも構わないよ!
ここの掲示板でも良いし、メールでも良い。ここを出るのは今ぐらいの時間になると思うから‥それまで返事を頂戴、ネッ?!この喫茶店で待ち合わせようか?いい??」


ハルコの話し、本当なのか?それとも騙されてるのか??今はわからないから、2日後のこの時間まで返事はしない事にしたシゲ。


「わかったよ‥じゃーまた2日後ね」
シゲは寂しい声でその場は返事した。


「じゃあまたね、シゲさん‥
ごめんなさいね‥バイバイ。」
2人はその場で別れた‥。
この日の帰り道は足取りが重いシゲ、
自分が誰なのかもわからなくなる様な事を言われ気まで遠くなる。
明日、一日考えようと今日は帰宅する気力だけを残してプラットフォームに向かった。




2日後、ハルコとの約束の日である。
仕事が終わり、いつもの様に家路へ向かう駅に着いたシゲ、いよいよ約束の時が来た。
シゲは少しの手荷物一緒に行く事を決めた、広場の掲示板の横を通ると電子掲示板もコルクボードも黒幕がされ調整中の大きな紙が貼ってある、
気にせずシゲは喫茶店へ向かう。


「いらっしゃい、お一人ですか?」
店員に言われ、待ち合わせてると答えると2人用の座席へ案内される。
コーヒーを頼み席へ座る、それと同時にハルコが現れた。ハルコも少しの手荷物を持っていた。


「来てくれたんだーシゲさん!」
ハルコは嬉しそうに席へ座る。


「うん!
直ぐに出発するの?」
「いえ、掲示板に黒幕が掛けられてるでしょ?それを撤去に来る人たちと一緒にココを出るの。」
「そうなんだー、それまでここで待つんだね。」
シゲは、恐怖感もあるがハルコの世界に興味があったのでそれほど怖くは感じなかった。
暫くして、作業服を着た5人程の人間が掲示板を片付け始めた、今がその時だ。
ハルコとシゲは手を取り合って、片付けられている掲示板へ向かう。
ハルコが作業服の男たちに声をかけると、承知していた様に案内される
シゲもそれに着いて行く‥。 








つづく





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