20XX年の掲示板

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第5章 帰還の時



   

 



「あ、そろそろ仕事行かなきゃ。
また、一週間後の同じ時間にここで会いましょうシゲさん!」
「あー、仕事これからなんだね。
わかったよ!また来週ここでね。」
「今日はありがとう、ご馳走さま♡」
「いえいえ、こちらこそありがとう。では、気を付けてーまたね!」
「うん、またねーバイバーイ!」
「バイバーイ!またー‥。」


シゲはハルコと別れた後も疑問符が頭の中でグルグルと回って居た。
初対面でプライベートな事をあまり聞くと嫌われちゃうかな?と思い一週間後を待つようにした。


それから数日後‥


やがて3日が過ぎ、シゲの会社ではあと数分で終業時間。
いつもの様にパソコンで最後のメールチェックをする。すると‥外部から一通のメールが入って居る。
誰だろう?とシゲはメールを開けてみると‥


"件名:  急でごめんなさい‥
内容:  こんにちは、ハルコです。
お元気ですか?急でごめんなさい‥
一週間後とあの喫茶店で別れたけど明日、以前の時間で空いてますか?
お返事待っています。"


「えー、どうしたんだろ?
明日は特に残業も無いし‥OKの返事しておこうかな。」


シゲは、明日の約束のOKを返信して退社する。少し不安と心配になったけど、一週間待たなくても良かったから明日また会えると思うと嬉しかったけど、複雑な思いで家路に着く。




翌日の夕方、
約束の時間に合わせて駅構内の喫茶店に行くシゲ。店の扉を開けると、ハルコが奥の席に1人座っていた。


「やぁーハルコさん!
どうしたの?急にって‥?」
「ごめんなさいシゲさん。
一週間後には会えなくなったから今日にしたの。」
「え、もう会えないって?何でさっ?」
「向こうの世界へ帰らないと行けなくなったから‥ごめんなさいシゲさん。」
「あー、その事気になっていたから話せるだけ話してよハルコさん。」


シゲは意外と冷静で居られ話を聞くことにした。


「実は‥、わたしは人間なの。」
「あ?何当たり前のことを‥わかってるよそれは。」
「そうじゃないのシゲさん、
わたしは人間だけど‥シゲさんたちは人間じゃないの。」
「は?何言ってるのさー‥
じゃーぼくは何なの?!」
「シゲさんたちは、わたし達が造り上げたヒューマノイドなの。そしてここの世界は、小さな世界でビーカーの中。シゲさんたちは実験用の人間なの。」


シゲは驚いた、取り乱すか冷静を装う。これ以上は何も口から言葉が出ない状態だった。その後もハルコは話しを続ける‥


「ハルコが居た世界は、とても技術革新が発展し過ぎて‥そのお陰で人間が少なくなってしまったの。だから、ヒューマノイドを造って人口を増やそうと言う時代で、わたしはその実験結果の調査でこのシゲさんの小さな世界に派遣されたの。帰還するのが10日後の予定だったけど、トラブルが起きて5日に急がされたの、この世界はもうすぐ無くなるわ!
シゲさんも、理解できればわたしの世界で暮らせるから一緒に来る??」


シゲは訳がわからないし、人間じゃないと言われてショックだった。
自身が実験用と言われ、この世界も無くなるとハルコは言う‥絶句しながら話を聞き続けるシゲ。




  





つづく







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