付録のトランジスタRadio

vrymtl

- 同意書と誓約書 -







翌日のお昼頃、早速よっちゃんからダミー完成の電話があった。
あとは塗装だけすれば渡せると言う…
だいぶ報酬を渡さないと幼馴染として悪い気がした。本体は二分割で中身を開けられると、マニュアルに書いてあったので、その二つ別れた状態を依頼した、ウェイトはこちらでやるからと伝えていた。本物さながらに重さも準備しないと直ぐにバレてしまうからだ。と、その電話を切って直ぐに…
"ピンポーン"と誰か来た。


黒ずくめの男じゃあないだろうなぁ?と、ドアの覗き穴から覗くとまた宅配便の人だった。


黄色いトラック…海外からの荷物、A4くらいの封書。
誰だろう?もうあのラジオ以外は購入していないのに、そう思って宅配便の人に受領サインをしてから開封してみる。
見覚えのある会社名…と言うか、あの裏サイトの管理者からだった。
メールアドレスしか教えていないのに何でわたしの住所を知ってるんだろ?
と、不思議に思ってスマホを取り出す。カメラアプリに画像の文字を読み取って翻訳できるからだ。


A4サイズの用紙に3枚、冊子閉じのものだが表紙が無い。
自宅でプリントアウトしたものだろう、部分的に掠れている。
翻訳と言っても直訳だから概ねでしかわからないが、何もわからないよりいいだろう、取り敢えず撮ってみる。


どれ、なになにぃ…


(裏サイト管理者から送付されたものを翻訳した文章)
"サイト管理者より
ここに書かれていることは大事なお知らせです。
あなたの住所は、ラジオ所持している者のリストから調べる。
そしてこれを届けます。
サイトのラジオを立証するは、あなたの人生が変わる時。わたしのサイトの様にラジオを改造の事はやめてほしい、その他の物も同じです。
だがしかし、改造する者はこれまでの人生を捨てる意味する。同封の同意書と誓約書にサインする、そしてわたしに送る。送られたものをリストするためです…よろしくお願いします。
全世界のラジオ所有者へ送る"


"同意書/国名/サイン/管理CIA"


"誓約書/国名/サイン/管理CIA"
(それぞれ計3枚)




CIA…?!
わたしは絶句した…
大ごとどころではなくて、スパイ組織への同意書と誓約書が同封されていた。なんなんだ?このラジオは???
これで噂通りになったと、わたしは確信した。
だが、スパイ組織へ身を売ることになると亡命者扱いとなり本国へは2度と来られなくなる…色々と頭をよぎったが、わたしは決断した。


サインをして送るどころでは無い、
早速、密室の天井裏へ隠したラジオを取り出して部屋へ戻り、昨日買ってきた小道具とパーツを机の上に拡げた。
一心不乱に、パソコンの向きを変え、ハンダゴテと工具箱を出しモニターの裏サイトのマニュアル通りに作業を始めることにした…








つづく









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