魔王、なぜか冒険者学校の先生になって、英雄の子孫を鍛え直す
ゴブリンを嫌う理由
エステルがゴブリンを毛嫌いするのには、理由がある。
エステルの母親は二〇年前、砂礫公の討伐任務に当たっていた。
結果は惨敗。
仲間の誰も殺されなかった。
だが母親は、歴然とした力の差に戦意喪失したという。
全部、他の冒険者から聞いた話だ。
当時のことを、エステルの母は何も語らない。
黙ってエステルを鍛え抜き、育てた。
しかし、内心は今でも屈辱に耐えているのだろうと、エステルは勝手に解釈している。
砂礫公を倒すことこそ、自分が冒険者になる目的だと、エステルは語っていた。
たった今、仇が目の前にいる。
「戦乙女のようなピーキーすぎる職業なんて、めったに見ないと思ったら、そういう事情があったのか」
「ええ。あんたへの復讐のために、今日まで戦乙女として鍛えてきた! その力を今示すわ!」
炎の竜巻となりながら、エステルは猛然と担任に襲いかかった。
圧倒的すぎて、戦闘領域に誰も割って入れない。ウスターシュ校長でさえも。
そのことごとくをいなし、担任はおちょくる形でエステルを翻弄した。
「真面目にやりなさい!」
「へへーんだ。テメエが弱いのが悪いんだろーが。ギャハハハ!」
「言ってくれるわね?」
「こんなもんじゃねえだろ? テメエの本気を見せてみろよ!」
担任が挑発すると、エステルの目の色が変わった。
たとえではなく、炎が目の中で揺らめいている。
「後悔しても、知らないから」
エステルが、肩のランチャーを起動させた。
いつもは折りたたまれている銃身が、元の長さへと変形する。
銃身の上半分が持ち上がった。
表面が、牙のようにキザギザ状となっている。
エステルはランチャーの銃身にブロードソードを装着した。
全エネルギーが、銃身に集まっていく。
「ほう、こいつは厄介だ。遊びじゃ済まねえかもな」
「感心している場合か!」と、ウスターシュ校長が止めに入る。
「エステルの銃撃をくらえば、いくらお前でも」
ウスターシュは、ピエレットと共同して、学園周辺に障壁を展開した。
「だからよ、見せてやるのさ。オレの本気をよ」
担任が、銃を持っている方の手をブンと振り下ろす。
手っ甲が開き、宙に浮き始めた。正確には、魔力の糸で担任の腕と繋がっているようだ。
「学内に、正体不明の膨大な魔力量を感知しました。全職員、並びに全校生徒は、速やかに学内から退避してください」
学園じゅうに、校内アナウンスが流れた。
担任の瞳に、六芒星が魔方陣が浮かび上がる。担任は銃を構えた。
放出されている魔力は、エステルのそれを軽く超えている。
エステルの母親は二〇年前、砂礫公の討伐任務に当たっていた。
結果は惨敗。
仲間の誰も殺されなかった。
だが母親は、歴然とした力の差に戦意喪失したという。
全部、他の冒険者から聞いた話だ。
当時のことを、エステルの母は何も語らない。
黙ってエステルを鍛え抜き、育てた。
しかし、内心は今でも屈辱に耐えているのだろうと、エステルは勝手に解釈している。
砂礫公を倒すことこそ、自分が冒険者になる目的だと、エステルは語っていた。
たった今、仇が目の前にいる。
「戦乙女のようなピーキーすぎる職業なんて、めったに見ないと思ったら、そういう事情があったのか」
「ええ。あんたへの復讐のために、今日まで戦乙女として鍛えてきた! その力を今示すわ!」
炎の竜巻となりながら、エステルは猛然と担任に襲いかかった。
圧倒的すぎて、戦闘領域に誰も割って入れない。ウスターシュ校長でさえも。
そのことごとくをいなし、担任はおちょくる形でエステルを翻弄した。
「真面目にやりなさい!」
「へへーんだ。テメエが弱いのが悪いんだろーが。ギャハハハ!」
「言ってくれるわね?」
「こんなもんじゃねえだろ? テメエの本気を見せてみろよ!」
担任が挑発すると、エステルの目の色が変わった。
たとえではなく、炎が目の中で揺らめいている。
「後悔しても、知らないから」
エステルが、肩のランチャーを起動させた。
いつもは折りたたまれている銃身が、元の長さへと変形する。
銃身の上半分が持ち上がった。
表面が、牙のようにキザギザ状となっている。
エステルはランチャーの銃身にブロードソードを装着した。
全エネルギーが、銃身に集まっていく。
「ほう、こいつは厄介だ。遊びじゃ済まねえかもな」
「感心している場合か!」と、ウスターシュ校長が止めに入る。
「エステルの銃撃をくらえば、いくらお前でも」
ウスターシュは、ピエレットと共同して、学園周辺に障壁を展開した。
「だからよ、見せてやるのさ。オレの本気をよ」
担任が、銃を持っている方の手をブンと振り下ろす。
手っ甲が開き、宙に浮き始めた。正確には、魔力の糸で担任の腕と繋がっているようだ。
「学内に、正体不明の膨大な魔力量を感知しました。全職員、並びに全校生徒は、速やかに学内から退避してください」
学園じゅうに、校内アナウンスが流れた。
担任の瞳に、六芒星が魔方陣が浮かび上がる。担任は銃を構えた。
放出されている魔力は、エステルのそれを軽く超えている。
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