バーチャル美少年受肉異世界転生ゾンビヤクザおじさんとか設定盛り過ぎだろぉー!
宇宙規模死体蹴り
全てが終わって、数日が経過した。
オレたちは、再びあの湖の向こうへ。
湖周辺が整地され、キャンデロロの屋敷跡に生きやすくなっていた。モンスターの気配も消えている。
あの後、崩れたキャンデロロ邸の跡地に、男爵を模した石像が彫られた。
雲一つない空を仰ぎ、腕を高々と挙げてそびえ立つ。
リ・ッキ打倒のきっかけを作ったのが、キャンデロロ男爵であるとして、カルンスタイン王が作らせた。
石像の前には、献花や参拝に来る人が多数いる。
「だから、一連の事件はペダンの功績だと言っている!」
キャンデロロ男爵の像の前で、ペダン兵団の将軍が声を荒げていた。リ・ッキを退治したのはペダンであると。
だが、参列者は誰も将軍の話を信じない。
将軍を素通りし、男爵の像に祈る。
男爵が身を挺して、世界を救ったのだと思っていた。
「大した盛況ぶりだな」
「ボクたちが、そう仕向けたからね」
男爵の像を称えるように、他の神々の像が取り囲んでいる。
「これは?」
「誰かが像に祈る度、リ・ッキには一万人分の激痛が伴う仕組みになっている」
邪悪の化身であるリ・ッキにとって、善なる祈りは苦痛でしかない。
キャンデロロが英雄として祭り上げられるごとに、リ・ッキはもだえ苦しむ。
「いい気味だよ。彼は父を殺した。せいぜい苦しむといい」
「けどよ、いくら力を封じたとは言え、不老不死を手に入れたんだ。また襲ってくるんじゃ?」
その心配はないと、カミュは断言した。
宇宙の果てにブラックホールがあり、リ・ッキはそこでミキサーのようにずっとかき混ぜられ続けるという。
身体を引きちぎられては再生し、またズタズタになっての無限ループだ。
「彼は邪神から見放された。それだけで大打撃さ。今後は、よその神々から永遠に責められ続ける。宇宙規模の死体蹴りだよ」
それはいい。あいつは反省しないからな。
そこで痛めつけられれば、自分から死にたくなるだろう。
「本当にいいのかい? 自分で仇を取りたかったんじゃ」
カミュの問いかけに、オレは首を振った。
「あいつがこの世界から居なくなれば、それでいい。それより、あんたがここにいてくれる方が、あんたの側で働かせてもらう方が、オレにとっては嬉しくてたまらねえ」
「そうだね、キミの言うとおりだ。いい気味だ!」
空に向かって、カミュは叫んで見せた。
けれども、ちっとも嬉しそうじゃない。
苦々しい顔で、空を睨む。
カミュの気持ちを代弁しているのか、空がしとしとと泣き出した。
オレの方を向き直し、また、カミュが清々しい顔に戻る。
作り笑いなのが、オレでも分かった。
「もうこれで、思い残すことはないよ」
「カミュ、オレは納得できねえ! お前さんが死ぬ必要なんて」
「いいんだ。これまでありがとう。キミはもう自由だよ、トウタス」
そんな自由なんて、いらねえよ。
「おお、こんな所にいたか」
背後から男性が話しかけてきた。フェロドニア騎士団長だ。
「準備が出来たぞ、カーミラ殿」
「ああ。どこへなりとも連れて行けばいい」
諦観の表情を浮かべ、カミュは騎士団長の後に続こうとする。
「待ってくれ、どうしてカミュが死ななきゃならない!」
オレはカミュの前に立ち、庇う。
「は? お前たち、何も聞いてないのか?」
騎士団長が、打ち合わせの内容を語り始めた。
「マジか?」
「神に誓って嘘はついていないよ」
オレたちは、再びあの湖の向こうへ。
湖周辺が整地され、キャンデロロの屋敷跡に生きやすくなっていた。モンスターの気配も消えている。
あの後、崩れたキャンデロロ邸の跡地に、男爵を模した石像が彫られた。
雲一つない空を仰ぎ、腕を高々と挙げてそびえ立つ。
リ・ッキ打倒のきっかけを作ったのが、キャンデロロ男爵であるとして、カルンスタイン王が作らせた。
石像の前には、献花や参拝に来る人が多数いる。
「だから、一連の事件はペダンの功績だと言っている!」
キャンデロロ男爵の像の前で、ペダン兵団の将軍が声を荒げていた。リ・ッキを退治したのはペダンであると。
だが、参列者は誰も将軍の話を信じない。
将軍を素通りし、男爵の像に祈る。
男爵が身を挺して、世界を救ったのだと思っていた。
「大した盛況ぶりだな」
「ボクたちが、そう仕向けたからね」
男爵の像を称えるように、他の神々の像が取り囲んでいる。
「これは?」
「誰かが像に祈る度、リ・ッキには一万人分の激痛が伴う仕組みになっている」
邪悪の化身であるリ・ッキにとって、善なる祈りは苦痛でしかない。
キャンデロロが英雄として祭り上げられるごとに、リ・ッキはもだえ苦しむ。
「いい気味だよ。彼は父を殺した。せいぜい苦しむといい」
「けどよ、いくら力を封じたとは言え、不老不死を手に入れたんだ。また襲ってくるんじゃ?」
その心配はないと、カミュは断言した。
宇宙の果てにブラックホールがあり、リ・ッキはそこでミキサーのようにずっとかき混ぜられ続けるという。
身体を引きちぎられては再生し、またズタズタになっての無限ループだ。
「彼は邪神から見放された。それだけで大打撃さ。今後は、よその神々から永遠に責められ続ける。宇宙規模の死体蹴りだよ」
それはいい。あいつは反省しないからな。
そこで痛めつけられれば、自分から死にたくなるだろう。
「本当にいいのかい? 自分で仇を取りたかったんじゃ」
カミュの問いかけに、オレは首を振った。
「あいつがこの世界から居なくなれば、それでいい。それより、あんたがここにいてくれる方が、あんたの側で働かせてもらう方が、オレにとっては嬉しくてたまらねえ」
「そうだね、キミの言うとおりだ。いい気味だ!」
空に向かって、カミュは叫んで見せた。
けれども、ちっとも嬉しそうじゃない。
苦々しい顔で、空を睨む。
カミュの気持ちを代弁しているのか、空がしとしとと泣き出した。
オレの方を向き直し、また、カミュが清々しい顔に戻る。
作り笑いなのが、オレでも分かった。
「もうこれで、思い残すことはないよ」
「カミュ、オレは納得できねえ! お前さんが死ぬ必要なんて」
「いいんだ。これまでありがとう。キミはもう自由だよ、トウタス」
そんな自由なんて、いらねえよ。
「おお、こんな所にいたか」
背後から男性が話しかけてきた。フェロドニア騎士団長だ。
「準備が出来たぞ、カーミラ殿」
「ああ。どこへなりとも連れて行けばいい」
諦観の表情を浮かべ、カミュは騎士団長の後に続こうとする。
「待ってくれ、どうしてカミュが死ななきゃならない!」
オレはカミュの前に立ち、庇う。
「は? お前たち、何も聞いてないのか?」
騎士団長が、打ち合わせの内容を語り始めた。
「マジか?」
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