バーチャル美少年受肉異世界転生ゾンビヤクザおじさんとか設定盛り過ぎだろぉー!
ニンニクの街 フェロドニア
翌朝、オレとカミュは、フェロドニアの街へ繰り出した。
屋敷から最も近いのが、この街だ。
カミュの服装は、元の男装に戻っている。ベレー帽がブラウン柄に変わっている点か。抜群に似合っている。
オレも、今日はカミュに服をチェックされた。オレは適当でいいと言ったのだが。
なんか、カミュの方が変に気合いが入っていた。気のせいだろうか?
この辺りの地域では中規模の街で、豊穣神フェルダを祭る大聖堂が有名である。
「フェルダ神は、他宗教にはちと厳しいかな」
「オレのいた国じゃ、排他的な宗教観はなんか馴染めん」
とはいえ、こんな世界でどの神を崇めるとか、価値観のなすりつけ合いもどうかと思う。オレはオレのビシャモン天を信じる。
「フェロドニアはニンニク臭いんだよ。さしずめニンニクの神様だね」
カミュは鼻をつまんだ。吸血鬼だけあって、ニンニクには弱いらしい。
「原産地だからな」
フェロドニアは、よその地域から取り入れたニンニクを輸入し、独自の製法で自作している。形は小さいが、原産地より辛味が強く、料理用としては申し分ない。
「イチゴも作ってるんだから、イチゴの神様になればよかったのに」
「贅沢言うなって。ささ、調査調査」
オレたちがここに来た理由は、闇市があると聞いたからだ。
稼業は人身売買である。
フェロドニアだけでなく、世界各地で禁止されている。
それを取り仕切っているのが、魔族だというのだ。
もしかすると、リ・ッキの差し金かも知れなかった。
「適当に宿を取って、夜まで待とう」
宿屋で登録を済ませると、カミュはオレを武器屋へと連れて行った。
「馴染みの装備店がある。そこで顔を出しておけば、魔族もデカイ顔はできないだろう」
「いいのか? せっかく逃げているのに」
「今まではそれでもよかった。だけど、リ・ッキと戦うなら、多少のリスクは負うべきだ。キミがボクを守ってくれるのだろう?」
もちろんだ。
オレは、カミュに命を預けた。
どんなことがあってもついて行く。
「ここだよ」
木造の建物が並ぶ中、一件だけ小さな石造りの家がある。
火災の時に火が燃え移らないようにするためだろう。
煙突からは、煙がモクモクと立っていた。
カウンターには、気難しそうな爺さんが、眉間に皺を寄せて剣の刃を研磨していた。ずんぐりむっくりしていて、背も低い。
「やあ、バラド」
「おう、シェリダンの坊ちゃま。フェロドニアに来ていたのか?」
カミュの声に気づき、老人は顔を上げる。
「ちょっと仕事でね」
「まだリ・ッキを探してるのか? やめときな。ヤツにやられた同業者を何人も知っている」
老人はそうカミュに忠告し、作業に戻った。
どうやら、ナイフに紋章を彫っているらしい。
「彼はバラド。ドワーフの鍛冶屋だよ」
本物のドワーフか。迫力がある。
体系に似合わぬ腕の太さも、ようやく納得がいった。
「そっちのガキは?」
「オレか、オレはトウタス。カミュ坊ちゃまの子分だ」
「えらいベッピン連れているなと思った。メスかと思ったぜ」
バラドの言葉から、侮蔑の感情は受けない。マジで女だと思われている。
「最近雇ったんだ。彼に見合う武器を用立ててくれるかい?」
屋敷から最も近いのが、この街だ。
カミュの服装は、元の男装に戻っている。ベレー帽がブラウン柄に変わっている点か。抜群に似合っている。
オレも、今日はカミュに服をチェックされた。オレは適当でいいと言ったのだが。
なんか、カミュの方が変に気合いが入っていた。気のせいだろうか?
この辺りの地域では中規模の街で、豊穣神フェルダを祭る大聖堂が有名である。
「フェルダ神は、他宗教にはちと厳しいかな」
「オレのいた国じゃ、排他的な宗教観はなんか馴染めん」
とはいえ、こんな世界でどの神を崇めるとか、価値観のなすりつけ合いもどうかと思う。オレはオレのビシャモン天を信じる。
「フェロドニアはニンニク臭いんだよ。さしずめニンニクの神様だね」
カミュは鼻をつまんだ。吸血鬼だけあって、ニンニクには弱いらしい。
「原産地だからな」
フェロドニアは、よその地域から取り入れたニンニクを輸入し、独自の製法で自作している。形は小さいが、原産地より辛味が強く、料理用としては申し分ない。
「イチゴも作ってるんだから、イチゴの神様になればよかったのに」
「贅沢言うなって。ささ、調査調査」
オレたちがここに来た理由は、闇市があると聞いたからだ。
稼業は人身売買である。
フェロドニアだけでなく、世界各地で禁止されている。
それを取り仕切っているのが、魔族だというのだ。
もしかすると、リ・ッキの差し金かも知れなかった。
「適当に宿を取って、夜まで待とう」
宿屋で登録を済ませると、カミュはオレを武器屋へと連れて行った。
「馴染みの装備店がある。そこで顔を出しておけば、魔族もデカイ顔はできないだろう」
「いいのか? せっかく逃げているのに」
「今まではそれでもよかった。だけど、リ・ッキと戦うなら、多少のリスクは負うべきだ。キミがボクを守ってくれるのだろう?」
もちろんだ。
オレは、カミュに命を預けた。
どんなことがあってもついて行く。
「ここだよ」
木造の建物が並ぶ中、一件だけ小さな石造りの家がある。
火災の時に火が燃え移らないようにするためだろう。
煙突からは、煙がモクモクと立っていた。
カウンターには、気難しそうな爺さんが、眉間に皺を寄せて剣の刃を研磨していた。ずんぐりむっくりしていて、背も低い。
「やあ、バラド」
「おう、シェリダンの坊ちゃま。フェロドニアに来ていたのか?」
カミュの声に気づき、老人は顔を上げる。
「ちょっと仕事でね」
「まだリ・ッキを探してるのか? やめときな。ヤツにやられた同業者を何人も知っている」
老人はそうカミュに忠告し、作業に戻った。
どうやら、ナイフに紋章を彫っているらしい。
「彼はバラド。ドワーフの鍛冶屋だよ」
本物のドワーフか。迫力がある。
体系に似合わぬ腕の太さも、ようやく納得がいった。
「そっちのガキは?」
「オレか、オレはトウタス。カミュ坊ちゃまの子分だ」
「えらいベッピン連れているなと思った。メスかと思ったぜ」
バラドの言葉から、侮蔑の感情は受けない。マジで女だと思われている。
「最近雇ったんだ。彼に見合う武器を用立ててくれるかい?」
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