創作に役立たない、「映画の感想」

しーとみ@映画ディレッタント

ほぼ血を流さないマフィア映画 『奇蹟/ミラクル 』

金をだまし取られた労働者が、マフィアのボスを助ける。
ボスの遺言? にのっとり、主人公がマフィアのボスに。
信用できないとケンカをふっかけてきた配下を、持ち前のカンフーで黙らせる。

Netflixで配信開始されたので視聴。
吹き替え部分が途中で字幕に変わる。

婦人からバラを買う度に、主人公は幸福を手に入れ、のし上がっていく。
しかし、花売りの婦人は娘に「金持ちだ」と嘘をついていた。
結婚の報告のために香港へ来るという。
主人公は、娘の目を誤魔化すため、周囲を騙し続ける。

本作は香港マフィア映画である。
裏切りが裏切りを呼び、銃弾も飛び交い、刃物も出てくる。

が、死人がほとんど出ず、血すら殆ど流れない。
冒頭の銃撃シーンで、ノワール描写はほぼ終了。

出血と言えば、エンディングのNG集くらい。
ジャッキーが人力車を使ったバトルで骨組みが顔面にヒットし、目の上を切った場面だ。

過激なアクションも多いながら、血なまぐさくないところが、この映画の素晴らしい点の一つだ。

また、カンフー映画ながらシナリオが見事で、浪花節が聞いている。
基本ドタバタで、人を騙すために別の人を騙すの繰り返しである。
また、自分が引き込んだ相手もまた詐欺師というカオスっぷりだ。
誰が勝者になるか、最後まで分からない。

これだけ凝ったストーリーは、アクション映画ではなかなか出会えない。どこかで破綻が起きる。

「ジャッキー映画の最高傑作」
と言われているだけある。

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