創作に役立たない、「映画の感想」

しーとみ@映画ディレッタント

愛は生きているうちに 『ジャニス リトル・ガール・ブルー』

皆さんは、ジャニス・ジョプリンの曲をいくつ知っているだろうか?
ナタリー・ポートマンが出ているCMで流れる『Piece Of My Heart』とか、GLIM SPANKYの『MOVE OVER』がジャニスのカバー曲だと知っているだけでも、ぶっちゃけ上等ではないかと。

オレの場合は、大昔に岩城滉一の出てるエアコンのCMで聞いた『サマータイム』が最初だ。

本作は、当時のジャニスを知る人物たちへのインタビュー映画だ。
ジャニスの妹や弟の存在を、オレはこの映画で初めて知った。

ジャニスは幼少期、テキサスのいじめられっ子だった。
「大学でもっとも不細工な男性コンテスト」に、女性でトップになるほどの不細工呼ばわり。
が、学生時代に黒人音楽を聞き、迫害を受けている黒人と自分を照らし合わせ、いつしかブルースの女王として君臨する。
縦ノリの歌い方は、オーティス・レディングの影響が強いのだという。
その歌唱力は、ジミヘンすら認めたほど。

とあるバンドメンバー曰く、
「ジャニスの部屋の下に住んでたけど、あえぎ声が凄かった」
TV番組の司会者は、
「肉体関係? うーん。ノーコメントで」

だが、新しいバンドでギクシャクし、酒とドラッグにハマっていく。

成功を収めてテキサスに帰ってきたのに、テレビ局が企画した大学の同窓会では、誰も寄ってこない。
ジャニスは一転して沈んだ顔に。
その二ヶ月後、彼女はなんと二七歳の若さでなくなってしまう。

映画評論家の町山智浩さんの解説によると、
「彼女の歌は、ほとんど他人の曲のカバー。だが、自分のような虐げられている人を励ます曲へと、歌詞を変化させている」
とのこと。

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