新しい嫁探し?バツイチお父さんは娘の為に霊界で伝説になる。
親と寝るのは小学生まで
「なぁ?今度な、あっちでお世話になってる鬼の家族をこっちに遊びに連れてきて良いか?」
夜になり智之からのメールを削除した康成は棗に確認をとる。
「今度っていつだい?もし泊まるなら客間を片付けて布団も用意しないとね」
「まだ決まったないからさ、確認とってみるよ。」
「ぱぱ?お客さんくるの?だれ?ともゆき?」
「大きなぱぱのお友達だよ。あやちゃんはまだあったことは無いかな。来たらちゃんと挨拶出きるかな?」
「できるよ!先生からもね、あやちゃんおっきな声で挨拶出きるねって褒められたもん!」
「そっか、そっか、それじゃああやちゃんは挨拶を頑張ってください。できる人!」
「はーい!」
「何人来るんだい?五人までなら問題ないけど、それ以上来るなら布団の数も限りがあるからちゃんと聞いておいておくれよ?」
「あいよ、ついでに言っとくと鬼だから、2人はすげー食うからな」
大食間の甚平、華凛のことを伝えると棗は「まかせな」とニヤリと笑う。
「ぱぱ?おにさんが来るの?あやちゃん怖い……」
「大丈夫だよ、あやちゃんは良い娘だから鬼さんも何もしないよ?良い娘だから遊んでくれるかもよ?頑張れる?」
「がんばる……」
「よし!良い娘はそろそろ寝る時間だぞ?もう寝る人はだーれだ?」
彩愛も大きく手を上げ
「あやちゃん良い娘だから寝るね!今日もナツババと寝る!」
「ん?」
「ナツババとお話したの、ぱぱ疲れてるからゆっくり寝てもいーよ」
康成は棗を見るとニヤリと笑い
「あたしも人肌が恋しいんだよ。ババが孫と寝て悪いかい?」
「あやちゃん?1人はパパも寂しいなぁ」
「諦めて1人で寝るんだね」
「図ったな!ババァ!」
「じゃあ今日は3人で寝ようよ!」
「「ん?」」
「ぱぱも寂しいならあやちゃんとナツババと一緒に寝よ?」
「いやぁ、この年で母親と寝るのはちょっと……」
「私もこの年で息子と寝るのはちょっと…」
冷や汗をかく、康成と棗、だが彩愛は容赦しない。
「あやちゃんも良い娘で寝るんだよ?ぱぱとナツババも仲良くしなきゃだめだよ?悪い子は鬼に拐われちゃうんだよ?」
イヤー、この年で親と寝るのはキツイっすわぁ
「やだ!3人が良いの!」
誰に似たのか一度こうなると彩愛は中々退かない。
「わかったよ……康成、布団持ってきな」
「やったぁ!3人で寝るの初めてだね!」
そっか……今まで考えたことなかったけど、子供は両親と3人で寝るのが普通なんだな。
前嫁とあやちゃんが産まれてからはよく3人で寝てたけど、あやちゃんが物心つく前に離婚したからさすがに覚えてないか……
大多数の子供は両親が離婚していない、死別していない。
親と寝る。それが普通、棗ではやはり母親の代わりにはなれない。
あくまでも祖母なのだ。
彩愛は座敷に敷かれた布団に横になると最初は「楽しいね!」「初めてだね!」とはしゃいでいたが、保育園で沢山遊び疲れていたのか部屋を少し暗くするとすぐに眠くなったのか夢の中へ落ちていった。
暗い部屋の中、娘の寝息だけが聴こえる。
「なぁ康成?」
「なんだよ」
「いつまでもこの生活じゃ駄目だと思うんだ。やっぱりこの子には母親が必要だ。まだ焦る必要はないけどね、そろそろ考えても良いんじゃないか?」
「再婚ってことか?こんなちゃらんぽらんな男に寄ってくる女なんていねーよ」
「職場の女の子はどうだい?女性職場だから比率はだいぶ多いだろ?」
「そりゃ可愛い子もいるし、美人な人も多いけどさ……何か違うんだよな……」
棗は、ハハッと笑うと
「まぁあんたは一度失敗してるからね。慎重になるのもわかるさ。娘もいるバツイチ男に寄ってくる女なんてよっぽどの物好きだよ」
「ごもっともでございますよ」
「早く楽になりたいもんだね。あんたの子守りが終わったと思ったら今度は孫だしね」
「でも、ウチの娘は可愛いだろ?」
「もしも、私に女の子が産まれたら、ああしたい、こうしたいって思ってたことが今更できるんだ。可愛いに決まってるじゃないかい」
「知ってる」
「それなら聞くんじゃないよ馬鹿息子。ほら、そろそろ寝るよ。野暮な話をして悪かったね」
「気にすんなよ。おやすみ母ちゃん」
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