新しい嫁探し?バツイチお父さんは娘の為に霊界で伝説になる。

ふなむし

娘の作る料理は気持ち一杯お腹一杯







「信仰心の低下と増加?また意味がわからんことを…」




「簡単に説明できるかな?まぁ出来る限り分かりやすく説明するよ」


「うぃっす」


「まずは信仰心の低下だ。現世では私達はどのような扱いになっているかな?」


「俺が知る鬼は昔話に出てくるとか、節分に豆を巻くとかかな?すぐに出てくるのはそんなもんだ」




「だろうね…しかし不思議には思わないかい?どうして昔は鬼やらの不思議な話が多く存在していて、今は空想上だけの話になっている。多分だけど新しい不思議な生き物の話もなかなか無いんじゃないかな?」


それもそうだ。
新しい妖怪の話何かは全然聞かないし増えたりもしていないと思うな。




何でだろうか?


「なんとなく察してきたかな?」




そうだ…
それは空想上の生き物の話なんてのは非現実的だからだ…




「君たちでいう所の科学が発展したのも原因の一つだね?科学で解明できないことは無いはずだ!人間以上の大きさの生き物が金棒を振り回してパンツだけで暴れてるとか現実的じゃない!ってね」




「もしかして宗教とかも関係してるのか?」


「多分ね。昔は拝む人達はみんな本気だったんだよ…
今も神頼みとかはあるのだろうけど本当に信じてるのは一部だけの人だろ?」


まぁ神頼みも自己満足のようなもんだしな


日本で無宗教が増えてるのもそういうことだろう


神様お願いします!って信じる人が少なくない訳ではないがどこかで考えてしまうのだろうな…


現実的じゃないって。




「信じる心、気持ちの質や量は精神的な所の魂に影響する。簡単に言えばそれが霊力が少ない理由だよ。」


「あとは供物の量とかね、私達が現世に一時的に肉体を持つことができたのは供物を取り入れてたからなんだ。まぁ現世に行けないからお供え物も食べれないのだけどね。」








科学の発展に犠牲はつきものと言うがこんなところにも被害がきてたのかよ




「低下についてはそんなところかな?
信仰の増加についてだけどね。
それは霊界の現世へのあこがれって言えば簡単かな?」




「現世にあこがれ?」


「そう、こちらと違って楽しい物が沢山あるって聞くし娯楽もいっぱいあるのだろ?こちらには迷い人からの情報で現世の知識がちょこちょこ入ってくるからね」




「まぁゲームとか漫画、遊園地に子供用の娯楽だけでも沢山あるな。スポーツも流行ってるし」




「その話も興味深いから後で教えてね
あこがれて現世に転生した魂がなかなか死んでからも戻って来なくなっちゃったんだよね」


そんな駄々っ子みたいなことかよ…




「未練を残して死んじゃうと現世から魂が離れなくなっちゃってね。無意識に飽きるか満足するまで転生しないんだよね」




そんな地縛霊みたいな


「それで残った魂が現世の霊力を消費しちゃうから尚更悪循環だよね、ははッ
昔はそういう霊を霊界に送る陰陽師とか人気の仕事だったって聞くけど。今じゃ陰陽師なんているのかな?」




よくテレビで見る霊払師もなんか胡散臭くて信じられないもんな




あっ、信じなくなったってこういうことか




「まぁこんな感じだよ?わかったかな?魂の記憶は一応転生の時にリセットされるみたいなんだけどたまに無いかな?全然知らない記憶みたいなことを思い出すこと、多分魂のどこかに刻み込んでるのだろうね」








なるほどと康成が納得していると




「ながーい!飽きた!そんな話小さい時から聞き飽きたっつーの!腹へったしなんか食わねーか?」


「全く華凛は勉強とかお話が苦手ですね。
そうですね簡単にできるものは握り飯位しか無いですが良いですか?」




「じゃあ俺が作って来るよ!梅干しでいーか?それしかねーけどな。」




笑いながら話すと華凛は自宅に作りに走って行った。




「全くあの子は…料理はできるのですがもう少しおしとやかにできないもんですかねぇ…」






うちの娘も「パパ料理できたよ」って作ってくれるんだろうなぁ


教えるのは俺か母ちゃんだろうし、何から教えるかな?やはり最初は卵焼きとか簡単な物がいいかな?


エプロンとかどうしよう?
やっぱり赤とかピンク…水玉も似合うな。


包丁も子供用の買わなきゃ。






「どれが似合うかな?」




「一緒に選ぶのも楽しいですよ」


「あれっ?聞こえてた?」


「駄々漏れでしたよ。ちなみに家では家内が味噌汁を教えたのが最初ですね
エプロンとはわかりませんが割烹着は白で刺繍入りを私が縫いました。」


「あらお恥ずかしい。味噌汁もありだな。」




娘トークに華を咲かせ少し待つと




「できたぞ!」




握り飯を3つ持った華凛が戻ってきた。




「でかくね?」


「父ちゃんは一番デカイのな!康成は俺と同じくらいの奴な!ほらっ、遠慮しないで食えよ!」




華凛が持ってきた握り飯は3合サイズが1つ、2合サイズが2つだった。




「どうしました?それでは食べましょうか?まさか娘の作った物を残したりはしないでしょうね?」




鬼のようなプレッシャーを感じつつ
そういえば鬼だったわ




野球部時代の食事を思い出しながら食べ始めた。


「おおっ!うまいなこれ!梅干しを刻んで混ぜ込んでるのか」


梅の塩味、酸味で食欲が進み、康成は握り飯をペロッと完食した。




「良い食いっぷりだな!うまかったか?」


「あぁ、うまかったかな、これが本当のおにぎりってやつだな…」


………




「そうですね…」
「あっ、あぁ…」




なんかすんません




食事も終え時間を見ると保育園の迎えが迫っていた。




「それじゃあ、そろそろ帰るわ
また仕事が休みの日にでも来るからその時はよろしくな!」




「わかりました。帰る時の井戸の様子も気になるので私達も見にいっても?」




「なんてこと無い普通の井戸だぜ?」




「普通の井戸は現世の扉にはなりませんよ。学者のようなこともしているので気になっただけです。」


そんだけムキムキなのに学者かよ!
ギャップがありすぎて逆に気持ちが良いわ!




「弄ったり壊したりするなよ?来れなくなるかもしれないからな」




「解ってますよ。華凛も悪戯してはいけませんよ?」




「わ、解ってるし!そんな子供みたいなことしねーよ!」




「それじゃーな、今度はお土産でも持ってくるわ」




「はい、楽しみにしています。」






「シカトしてんじゃねーよ!」




草原に華凛の叫び声が響く




康成は井戸に着くと別れの挨拶を済ませ梯子を降りていった。






草原の香りがカビ臭い香りに変わり康成は帰宅した。






「さて…まずは迎えにでもいくかな?夕食何にすっかなー?パパ特製男のハンバーグ!特製手作りデミオムライス!」




その夜、天童家で事件が起きた。





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