「さくら。」奇妙な巫女編

あきさか

#0 祠。

—神宮・客間—

ハル『さあ、話ましょうか。』

「ええ…」

ハル『まずは”ここに来た理由”について、ですかね。』

「…理由は、”アイツを止めて欲しい”んです。」

ハル『(”アイツ”…)…どうしてですか?』

「…実は……僕の家の裏山に小さな”ほこら”があるんです。それをアイツは、”壊そうとしてるんです、じいちゃんから『アレは絶対に壊しちゃならんぞ』と幼い頃から言われてきて…」

ハル『……”祠を壊したら 祟りが降ってくる 悪い者は地獄の業火で燃え尽くされ 善人は極楽浄土へ行く かつか えんま様が眠っておるゆえに 壊した者はみな地獄へゆく”……』

「な、なぜその華歌かうたを?!」

ハル『君はこの”華歌かうた”にトラウマを持っているんだね…だけど、残念ながらこれは”正解じじつ”だ。本当に閻魔様が眠っているよ…すぐに、止めにいきましょう。』

「あ、ありがとうございます!」

よ、よかった。

—裏山・祠前—

三浦「お、来たか。」

誠「三浦……本当に壊すのかよ…」

三浦「あたりまえだろ?」

誠「オレは、止めたからな…何があっても知らないぞ?」

三浦「な、なんだよお前……チッ…オラァ!」

バキッ!!

ほ、本当にやりやがった…

誠「…………」

その数分後、辺りは紅黒い雲霧あかくろいくもきりに埋め尽くされた。

三浦「な、なんだこれ…」

『祠を壊したのはだーれだ……閻魔様のお宿やどを壊したのはだーれだ……』

三浦「あ、足が!!?うわァ!!」

誠「み、三浦っ?!」

おまえは違う……三浦コイツいのちを裁く…』

ハル『まて!花車かしゃッ!』

『ハル…おまえには用がない……』

そういうと、黒い物体は霧の中に消えていった…

誠「な、なんだったんですかアレ…」

ハル『アレは”花車かしゃ”と言う閻魔姫の使い魔だ。とりあえず、”地獄の裁判間”に行きましょう、絨毯じゅうたん…』

『はーい。』

ハル『地獄まで行ってください。』

『はーい、地獄まで行きます〜……って、じ、地獄ぅー!!?』



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