後輩は積極的IF
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ともかくこれで帰ってゆっくり出来る。
そんな事を俺が思っていると、休憩室に居た愛実ちゃんが俺の方を見ながら尋ねて来る。
「あれ? 何の電話ですか?」
「あぁ……この後の面倒ごとに行かなくてよくなった電話だよ」
「え!? じゃ、じゃあ……合コン行かないんですか?」
「あぁ、そうなるね……」
あーあ、また色々言われるのかな?
まぁ、良いか……後は帰るだけだし。
俺がそんな事を思っていると、愛実ちゃんが続けて言ってきた。
「じゃ、じゃぁ!!」
「ん?」
「こ、この後……わ、私とご飯行きませんか?」
「え?」
急に何だろう?
もしかして、まだ俺に飯を奢らせようとしているのだろうか?
「いや、だから……」
「奢らなくていいです!!」
「え?」
な、なんだ?
なんだかいつもの愛実ちゃんとは違う。
愛実ちゃんは真っ直ぐに俺の目を見ながら、何かを決意したようなしっかりとした目で俺に言ってくる。
「じゃ、じゃぁ……行く?」
まぁ、一回飯を奢るくらい良いか……。
俺はそんな事を思いながら、愛実ちゃんとご飯を食べに行くことにした。
*
次郎さんが合コンに行くと知った時、私の心中は決して穏やかではなかった。
私の誘いは断るくせに、合コンだったら行くなんて酷いと思ってたけど、思わぬ形でチャンスが巡ってきた。
合コンの話しが無くなり、予定の開いた次朗さんを食事に誘うことが出来た。
勇気を出して誘ってみて本当に良かった。
今は次郎さんとどこで食べるかを歩きながら話し合っていた。
「クリスマスだし……どこも混んでるなぁ……」
「そ、そうですね……」
街中に出てきた私達、どこもカップルや家族連ればかりで混んでいる。
もしかしたら、他の人たちには私達もカップルに見えてるのかな?
なんて事を考えていると、次郎さんが立ち止まり私に声を掛けてきた。
「ここなんてどう? 美味しいイタリア料理の専門店だけど」
「い、良いですね……じゃ、じゃあここで」
ヤバイ……緊張して上手く話せない。
こんな風に二人で食事なんて始めてだし……っていうかバイト先以外で一緒なんて始めてだし!
私はかなり緊張しながら、次郎さんに続いて店の中に入っていく。
店内は結構混雑していたが、問題なく席に座る事が出来た。
「何食べる?」
「え! あぁ……な、何にしようかな……」
勢いで誘ってここまで来てしまったが、これはいわゆるデート。
そう考えてしまうと私は更に緊張してしまった。
「ここはイカスミパスタとかパスタ系が美味しいよ、ピザも美味しいし」
「そ、そうなんですか……というか、なんでこんなお洒落な店を次郎さんが知ってるんですか?」
「友達とたまに来るんだよ、俺ピザとか好きだし」
「へ~初耳です」
「そりゃあ言ってないからね、言っても俺と愛実ちゃんが知り合ってまだ三ヶ月経って無いくらいでしょ?」
「ま、まぁそうですね……」
そんな短期間で私はこの人を好きになってしまったんだ……。
なんだか知り合ったのが一年くらい昔に感じてしまう。
「じゃあ、私はペペロンチーノを……」
「じゃあ……俺はヴォンゴレにしよ」
私と次郎さんはそれぞれ注文を済ませ、料理が来るのを待った。
「残念でしたね、合コンが無くなって」
「別に行きたかったわけじゃないし」
「そんな強がらないで下さいよぉ~、本当は私とご飯食べれて嬉しいくせにぃ~」
「どっちかって言うと帰りたかった」
「うわぁ~次郎さんひどーい」
「愛実ちゃんこそ、クリスマスなのにデートする相手も居ないの?」
「わ、私は良いんです!」
だって、今まさに好きな人とデートしてるんですもん!
そんな事を私は思いながら、目の前の次郎さんに視線を向ける。
「じ、次郎さんって……彼女欲しいとか思わないんですか?」
「うーん……まぁ、思うときもあるけど……今は良いかなって思っちゃうかな」
「なんでですか?」
「なんでって言われてもなぁ……好きな相手も居ないし」
よしっ!
次郎さんに好きな人は居ない!!
心の中でガッツポーズをし、先輩に言葉を返す。
「そ、そうなんですか……ち、ちなみに……ど、どんな女性がタイプなんですか?」
「え? うーん……そうだな、大人っぽくて……」
はい、ここで年下の私は好きなタイプにすら入ってない!
で、でも大人っぽい人だし!
年下でも大人っぽい子も居るし!
そうだ、私が大人っぽくなれば良いんだ!!
「あとは……元気な人……かな?」
大人っぽくて元気?
な、なんか難しい気がする……。
大人っぽいって言うと、なんか勝手にクールな感じのイメージだったけど……クールと元気ってどうやって両立すれば良いんだろう?
私がそんな事を考えている間に料理が運ばれてきた。
*
「あ、美味しい」
「だろ?」
俺は今、愛実ちゃんとイタリア料理の専門店に来ていた。
今日の愛実ちゃんは何かおかしい。
食事に誘ってきた時の雰囲気と言い、店に来るまでの態度と言い……。
まぁ、今は比較的いつも通りだけど……。
俺は注文したヴォンゴレを食べながら、そんな事を考えていた。
店の中はやはりカップルが多かった、そこかしこのテーブルから、なんというか甘い雰囲気が漂ってくる。
「次郎さん」
「ん? どうした?」
「いや……あの……この後も暇ですか?」
「え? まぁ……家に帰るだけでし……暇だけど?」
「じゃ、じゃあ……その……暇なら私と……その……い、イルミネーションとか見に行きません?」
「え?」
本当に今日の愛実ちゃんはどうしたのだろうか?
いつもならこんな事を言ってこないのだが……。
まぁ、別に暇だけからイルミネーションくらい一緒に見に行っても良いけど……。
「ま、まぁ良いけど……」
「じゃ、じゃぁ食べたら行きましょ……」
わからん……なんで急にそんな事を言ってきたのだろう?
それにさっきから、愛実ちゃんの方をチラチラ男性スタッフが見ている。
この店に来る時もそうだったもんなぁ……やっぱり愛実ちゃんって可愛いしな……。
俺と愛実ちゃんは食事を終え、少しゆっくりした後、店を出てイルミネーションを見に向かった。
そんな事を俺が思っていると、休憩室に居た愛実ちゃんが俺の方を見ながら尋ねて来る。
「あれ? 何の電話ですか?」
「あぁ……この後の面倒ごとに行かなくてよくなった電話だよ」
「え!? じゃ、じゃあ……合コン行かないんですか?」
「あぁ、そうなるね……」
あーあ、また色々言われるのかな?
まぁ、良いか……後は帰るだけだし。
俺がそんな事を思っていると、愛実ちゃんが続けて言ってきた。
「じゃ、じゃぁ!!」
「ん?」
「こ、この後……わ、私とご飯行きませんか?」
「え?」
急に何だろう?
もしかして、まだ俺に飯を奢らせようとしているのだろうか?
「いや、だから……」
「奢らなくていいです!!」
「え?」
な、なんだ?
なんだかいつもの愛実ちゃんとは違う。
愛実ちゃんは真っ直ぐに俺の目を見ながら、何かを決意したようなしっかりとした目で俺に言ってくる。
「じゃ、じゃぁ……行く?」
まぁ、一回飯を奢るくらい良いか……。
俺はそんな事を思いながら、愛実ちゃんとご飯を食べに行くことにした。
*
次郎さんが合コンに行くと知った時、私の心中は決して穏やかではなかった。
私の誘いは断るくせに、合コンだったら行くなんて酷いと思ってたけど、思わぬ形でチャンスが巡ってきた。
合コンの話しが無くなり、予定の開いた次朗さんを食事に誘うことが出来た。
勇気を出して誘ってみて本当に良かった。
今は次郎さんとどこで食べるかを歩きながら話し合っていた。
「クリスマスだし……どこも混んでるなぁ……」
「そ、そうですね……」
街中に出てきた私達、どこもカップルや家族連ればかりで混んでいる。
もしかしたら、他の人たちには私達もカップルに見えてるのかな?
なんて事を考えていると、次郎さんが立ち止まり私に声を掛けてきた。
「ここなんてどう? 美味しいイタリア料理の専門店だけど」
「い、良いですね……じゃ、じゃあここで」
ヤバイ……緊張して上手く話せない。
こんな風に二人で食事なんて始めてだし……っていうかバイト先以外で一緒なんて始めてだし!
私はかなり緊張しながら、次郎さんに続いて店の中に入っていく。
店内は結構混雑していたが、問題なく席に座る事が出来た。
「何食べる?」
「え! あぁ……な、何にしようかな……」
勢いで誘ってここまで来てしまったが、これはいわゆるデート。
そう考えてしまうと私は更に緊張してしまった。
「ここはイカスミパスタとかパスタ系が美味しいよ、ピザも美味しいし」
「そ、そうなんですか……というか、なんでこんなお洒落な店を次郎さんが知ってるんですか?」
「友達とたまに来るんだよ、俺ピザとか好きだし」
「へ~初耳です」
「そりゃあ言ってないからね、言っても俺と愛実ちゃんが知り合ってまだ三ヶ月経って無いくらいでしょ?」
「ま、まぁそうですね……」
そんな短期間で私はこの人を好きになってしまったんだ……。
なんだか知り合ったのが一年くらい昔に感じてしまう。
「じゃあ、私はペペロンチーノを……」
「じゃあ……俺はヴォンゴレにしよ」
私と次郎さんはそれぞれ注文を済ませ、料理が来るのを待った。
「残念でしたね、合コンが無くなって」
「別に行きたかったわけじゃないし」
「そんな強がらないで下さいよぉ~、本当は私とご飯食べれて嬉しいくせにぃ~」
「どっちかって言うと帰りたかった」
「うわぁ~次郎さんひどーい」
「愛実ちゃんこそ、クリスマスなのにデートする相手も居ないの?」
「わ、私は良いんです!」
だって、今まさに好きな人とデートしてるんですもん!
そんな事を私は思いながら、目の前の次郎さんに視線を向ける。
「じ、次郎さんって……彼女欲しいとか思わないんですか?」
「うーん……まぁ、思うときもあるけど……今は良いかなって思っちゃうかな」
「なんでですか?」
「なんでって言われてもなぁ……好きな相手も居ないし」
よしっ!
次郎さんに好きな人は居ない!!
心の中でガッツポーズをし、先輩に言葉を返す。
「そ、そうなんですか……ち、ちなみに……ど、どんな女性がタイプなんですか?」
「え? うーん……そうだな、大人っぽくて……」
はい、ここで年下の私は好きなタイプにすら入ってない!
で、でも大人っぽい人だし!
年下でも大人っぽい子も居るし!
そうだ、私が大人っぽくなれば良いんだ!!
「あとは……元気な人……かな?」
大人っぽくて元気?
な、なんか難しい気がする……。
大人っぽいって言うと、なんか勝手にクールな感じのイメージだったけど……クールと元気ってどうやって両立すれば良いんだろう?
私がそんな事を考えている間に料理が運ばれてきた。
*
「あ、美味しい」
「だろ?」
俺は今、愛実ちゃんとイタリア料理の専門店に来ていた。
今日の愛実ちゃんは何かおかしい。
食事に誘ってきた時の雰囲気と言い、店に来るまでの態度と言い……。
まぁ、今は比較的いつも通りだけど……。
俺は注文したヴォンゴレを食べながら、そんな事を考えていた。
店の中はやはりカップルが多かった、そこかしこのテーブルから、なんというか甘い雰囲気が漂ってくる。
「次郎さん」
「ん? どうした?」
「いや……あの……この後も暇ですか?」
「え? まぁ……家に帰るだけでし……暇だけど?」
「じゃ、じゃあ……その……暇なら私と……その……い、イルミネーションとか見に行きません?」
「え?」
本当に今日の愛実ちゃんはどうしたのだろうか?
いつもならこんな事を言ってこないのだが……。
まぁ、別に暇だけからイルミネーションくらい一緒に見に行っても良いけど……。
「ま、まぁ良いけど……」
「じゃ、じゃぁ食べたら行きましょ……」
わからん……なんで急にそんな事を言ってきたのだろう?
それにさっきから、愛実ちゃんの方をチラチラ男性スタッフが見ている。
この店に来る時もそうだったもんなぁ……やっぱり愛実ちゃんって可愛いしな……。
俺と愛実ちゃんは食事を終え、少しゆっくりした後、店を出てイルミネーションを見に向かった。
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