後輩は積極的IF

Joker0808

6




 なんかしらないが、高井さんが俺に変な質問をしてきたのだが、一体どうしたのだろうか?
 
「まぁ、あの人が変なのはいつものことか……」

 俺はそんな事を考えながら、厨房の奥で野菜を切っていた。

「お、おはようございます」

「あぁ、おはよう」

 野菜を切っていると、愛実ちゃんが厨房に入ってきた。
 今からのシフトは愛実ちゃんと高井さん、そして俺か……なんか疲れそうだな……。

「愛実ちゃんはいつも通りレジをお願い、俺は厨房するから」

「は、はい……わかりました……」

 どうしたのだろうか?
 最近はシフトに入った瞬間から、俺にうざ絡みしてくるのに……今日はそれが無い。
 というか、さっき高井さんが変なことを言うから、変な想像をしてまう
 絶対に有り得ないことなんだけどな……。

「次郎さん、あの……」

「ん? 何?」

「く、クリスマスって……その……シフトの後は暇ですか?」

「え? まぁ……家に帰ってテレビ見て寝るだけだけど?」

 自分で言ってて寂しくなってくるなぁ……。
 我ながら可愛そうなクリスマスを過ごす予定で居る気がする。

「あ、あの……よ、良かったら……ご飯でも行きません?」

「え?」

 なんで愛実ちゃんがクリスマスの日に俺を食事に誘うんだ?
 俺は少し考えて、愛実ちゃんに答える。

「嫌だよ、どうせ俺のおごりなんだろ?」

 どうせいつもの冗談だろう。
 俺はそう思って、いつも通りの返事を愛実ちゃんに返す。
 どうせ、良いよなんて言ったら「期待してるんですか?」とか言われてからかわれるだけだし……。

「そ、そうですか……あはは、ごめんなさい! いつもの冗談でした-!」

「あのなぁ……歳上をからかうのも……」

 ため息を吐きながら言葉を続けようとした俺だったが、そこで言葉を止めた。
 その理由は、愛実ちゃんの笑顔がいつもの笑顔とは違っていたからだ。
 なんて言ったら良いのだろうか……表情は笑顔なのに、目は悲しそうだった。

「じゃ、じゃあ! 私は今日もお仕事頑張りまーす!!」

「あ、あぁ……」

 愛実ちゃんはそう言って、俺の前から居なくなった。 なんなのだろう……この胸に突き刺さるような違和感は……。





 はぁ……私はため息を吐きながら更衣室で着替えをしていた。
 勇気を出して次郎さんをクリスマスに食事に誘ってみたのだが、日頃の私の言動は原因で断られてしまった。

「はぁ……ついてないなぁ……」

 こんな事なら、日頃からあんな態度を取らなきゃよかった。
 私はそう思いながら、家に帰ってシャワーを浴び、夕食を食べる。

「はぁ……」

 結局ベッドに入るまで、私はずっとため息を吐いていた。
 最近こんなにショックなことはあっただろうかと言うほど、私はショックを受けていた。
 スマホの画面を操作し、次郎さんの連絡先を開く。
 こんな時だからだろうか、愛しい人の声が聞きたいと私は感じてしまった。
 
「う~……う~」

 私は通話ボタンを押そうか押すまいかを悩みながら、私はベッドの上でゴロゴロと転げ回る。





「あっつ!」

 フライパンの油が跳ねて腕についてしまった。
 バイトから帰宅し、俺は夕飯の準備をしていた。
 たまには唐揚げが食べたいと思い、材料を買って作っていたのだが、結構時間が掛かる上に面倒くさい。 
「バイト先のナゲットで我慢すればよかったかな?」

 そんな事を考えていると、部屋のインターホンがなった。
 
「誰だ?」

 俺は油の火を止めて、部屋のドアを開ける。

「はーい……ってなんだよお前らか……」

「なんだとはなんだよ」

「折角来てやったのに!!」

 ドアを開けた先に居たのは、大学の友人達三人だった。
 手にはスーパーやコンビ二の袋があり、お菓子や惣菜などが見え隠れしていた。

「なんだよ急に」

「お前、まさか忘れたのか?」

「は? 何をだ?」

「今日はアレの発売日だろうが!!」

「アレ?」

 アレとはなんだっただろうか?
 俺は記憶をたどり、何の発売日かを思い出そうとする。
 
「あぁ!! エーリアンハンター3の発売日か!!」

 ようやく俺は思い出し、少し大きい声で三人に言う。 俺は結構ゲームをする。
 しかもこのエイリアンハンターシリーズは俺の大好きな狩りゲーだ。
 最近色々と忙しくて忘れていたが、今日が発売日だったのか……。
 
「やっぱり忘れてやがったか……買ったらみんなで徹夜でやるって約束だろうが」

「悪い悪い、忘れてたわ……お前らは買えたのか?」

「おう、予約したからな! ってか、お前はやっぱり買ってないのか?」

「あぁ……最近そんな暇無くてさ……」

 テストは近いし、レポートの提出はあるし、バイトは忙しいしでゲームの発売日をすっかり忘れていた。
 
「やっぱりか……そんな事だろうと思って……ほれ」

「ん? お、お前まさか!」

「買っといてやったぜ、後で代金は貰うがな」

「おぉーサンキュー!! 上がれよ! みんなでやろうぜ!」

「そのつもりで来てるんだよ!! 今日は寝かさないからな!」

 そんなこんなで始まった、ゲーム大会。
 そう言えば今月のシフトを出すときに、ゲーム発売日の翌日を休みにしてたっけなぁー。
 俺はそんあ事を考えんがら、ゲーム仲間三人と夜通しでゲームをしていた。
 俺が作った唐揚げはみんなで食べ、エナジードリンクを飲みながら、みんなでゲームに熱中した。
 そして気がつけば時刻は午前二時を回っていた。

「おっしゃぁ! 6体目!!」

「今度こそ素材が出ると良いが……ってやっぱり出ねぇ!!」

「物欲センサー仕事しすぎだな、少し休憩しようぜ」

「そうだな」

 少し休憩しようと、全員ゲームを置いて話しをしながら買ってきたお菓子を食べ始める。

「そう言えば、お前らはクリスマス何してるんだ?」

 そう言ったのは、この中で一番のゲーマーの尾道だた。
 尾道はゲーマーの癖に顔立ちが良く、大学でもモテる。

「彼女とデート」

「良い感じの子とデート」

「次郎は?」

「バイトだよ……悲しくなる事を聞くな」

 言い忘れていたが、俺以外の二人は彼女が居る。
 そしてもう一人の友人は言っていた通り、良い感じになりつつある女の子が居る。
 つまり、この中で一番女っ気が無いのは俺だけなのだ。

「次郎、お前もそろそろ彼女作れよ、バイトとゲームばっかりで良いのか?」

「そうは言ってもなぁ……いい人も居ないし……」

「まぁ、お前は女子と接点を持とうともしないからな……だから俺はそんなお前に大変ありがた~い話しを持ってきた!!」

「なんだよ急に……」

 尾道は突然立ち上がり、俺を指さしてそう言ってくる。
 
「喜べ! お前の為に優しい俺は合コンの話しを持ってきてやった!」

「は? 合コン?」

「しかもクリスマス!」

「いや、バイトだって……」

「バイトって言っても夕方までだろ? 合コンは夜からだ!」

「そんな急に言われても……メンバーだって」

「集めておいたぞ!」

「準備良すぎかよ……」

 突然合コンなんて言われても、俺は合コンなんて言ったこと無いし……それに、なんか出会いを目的にしてる感満々で、そう言う場所はあまり好きになれない。
「19時に駅前の居酒屋だ、全員大学生だから安心しろ、それに男メンバーはお前の知ってる奴らばっかりだ」

「いや、俺はまだ行くとは……」

「ゲーム……買って置いてやったのは誰だっけ?」

「うっ……そ、そうだけど……」

「それに、お前が出ないとメンバーが足りなくて合コン自体が無くなっちまう。ゲーム買って置いた借りはこれでチャラにしてやるから行ってこいよ」

「そ、そう言われても……」

 結局、俺は流されてしまい、クリスマスに合コンに行く事になってしまった。
 ヤバいなぁ……服とか買っておかないとまずいよなぁ……あぁ、また金が飛んでいく。
 なんて事を考えながら、俺たちは結局、翌日の朝8時までゲームし、そのまま全員で昼過ぎの3時まで寝ていた。

「後輩は積極的IF」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

  • シャーク

    『99回告白したけどダメでした』の読者です!この小説も面白かったです!続きを書かないのがもったいない…!続き待ってます!

    0
コメントを書く