2話　異世界転移！

　光が収まり、周りを見てみると俺達はゲームとかでよく見る王座の前に立っていた。

「よく来てくれた！召喚されし勇者達よ！我はこのノデル王国国王ドナルド•ドルトン•ノデルである。いきなり呼び出しておいてすまないが単刀直入に言う。この世界を魔王から救ってくれ！」

　ノデル王国の国王様が頭を下げている。普通国王ってそんなに簡単に頭を下げて良いのか？よく見ると周りの家臣と思われる人達も一斉に頭を下げている。そんなにやばいのか？

　俺がそんな事を考えていると1人の男が前に出た。何処かで見たような。

「俺は川東涼聖と言う。あ、氏名が川東で名前が涼聖だ」

　あ、思い出した！こいつは1年生にもかかわらず生徒会長に立候補して、めでたく生徒会長の座を手に入れた川東涼聖だ！

「まず1つ質問させてくれ、俺達を元の世界に送還できるか？」
「すまないがそれは出来ぬ。だが、この世界の神々に頼めば可能かもしれないがそれは魔王を倒してからしか帰らせてくれぬと思うぞ」

　周りから「すぐに帰れないの！？」「返せないなら召喚するなよ」「おかぁさぁん、おとぉさぁん」などの声が上がる。

「本当にすまない。それに魔王討伐は強制しない。勿論、この世界での衣食住は我が責任とろう。そしてこれを受け取って欲しい」

　俺達に1枚ずつプレートが配られた。俺ですら何でできているか不明である。

「それはステータスプレートと言い、血を取り込んだ者の身体情報や神からの恩恵であるスキルなどを見る事ができる」
『ゲームかよ！！』

　クラス全員が同じ事を言う。仕方ないじゃん、俺なんかステータスプレートを地面に叩きつけたからな！

「その通りだ。この世界を創造した神が勇者達の世界のげぇむとやらが大好きらしくその構造を加えたらしい」

　ゲーム好きの神が創った世界かぁ。

「ひとまず、食堂に案内する。そこで食事をとりながらじっくり考えてくれ」

　俺達は案内されるがままに食堂に来た。食堂には既に食事の準備がしてあった。俺達は自由に席に座る。俺は勿論煌大の隣である。

「••••••これからどうする」

　最初に口を開いたのは案の定涼聖だった。まぁ、こんなかで一番信頼度が高いからそうなるよな。

「先生は許可できません！」
「でも魔王を倒さないと帰れないぞ！」

　俺達の担任になった鶴田先生と涼聖が口喧嘩を始める。俺と煌大はそれを見ながら食事を頂く事にする。

「まっず！」

　俺は口にした物を吐き出す。辺りを見渡すと皆同じ感想ぽい。しかし皆我慢して食べている。俺は食べる気がしなくなったので放置している。