クラスごと異世界転移して好きな女の子と一緒に別行動していたら、魔王に遭遇したんですけど...

がいとう

38話 金の一つ目の巨人

 舞






「おい、起きろマイム」
「ん、んんっ」
「おお、無事だったか」




 シェリーさんにガクガクと揺さぶられて目を覚ますと、私は森の中でシェリーさんとユーリアさんに顔を覗き込まれながら地面に横たわっていた。
 頭から垂れた血が服や顔についているし、どうやら頭を強く打って気を失っていたらしい。
 ただ、体のどこにも痛い所は無いし、怪我はユーリアさんが回復魔法で治してくれたみたいだ。




「ありがとうシェリーさん。もう大丈夫よ」
「いや、礼を言うのは私の方だ。あの時お前が私を連れて崖から飛び降りてくれてなかったら私は死んでたかもしれない」
「そうだね。マイムがああして咄嗟の判断で崖から飛び降りてなかったらシェリーが危なかったのは事実だし、これが最善の結果だと思うよ」
「え、ええ。そう言ってもらえると助かるわ。それと、傷を治してくれてありがとうユーリアさん」
「うん。一応全身の傷を治したと思うんだけど、まだ痛むところはないかい?」
「ええ。大丈夫よ」




 ふぅ、風舞くんの言うようにユーリアさんがいい人だというのは分かっているのだけれど、やっぱり怖いわ。
 血や内臓を見るのは別に大した事ないのに、どうもスプラッタだけは昔から苦手なのよね。
 そんな事を考えながら、ユーリアさんから無意識に目をそらしつつ立ち上がると、私のすぐ傍にいたシェリーさんが立ち上がって口を開いた。




「さてと、ファルゴ達も探さないとだしそろそろ動き始めようぜ」
「そうね。とりあえずはエルフの里の方に向かえば良いのかしら?」
「うーん。その事なんだけど、そう上手くはいかないんだよね」
「ん?  どういう事だ?」
「ここが普通の森なら世界樹を頼りにエルフの里の方へ歩いていけば良いんだけど、エルフの里や世界樹の近くの森は特殊な結界で覆われているんだよ」
「なるほど。つまり、あれを頼りに進んだところでエルフの里には辿り着かないって事ね」
「うん。正式なルートを辿って行けば普通にエルフの里まで行けたんだけど、僕たちは崖から飛び降りちゃったし、フーマ達はミレンさんの転移魔法で飛んだ後に川の方に落ちていったからね。もう正式なルートから外れちゃったんだよ」
「ん?  どういう事だ?  それじゃあ私達はエルフの里には辿りつけないし、ファルゴ達にも会えないのか?」
「まぁ、そういう事になるわね。でも、エルフのユーリアさんならここから正式なルートに戻る方法を知ってるんじゃないかしら?」
「その…期待に添えなくて悪いんだけど、こればっかりは僕にもどうしようも無いんだよね。この森の結界を抜けるには特殊なランタンが必要なんだけど、それはエルフの警備兵しか持ってないんだよ」
「あら、それじゃあ私達に出来る事は何もないのかしら?」
「うん。今は警備兵が来るまで大人しく待ってるしか無いだろうね」
「なぁ、その警備兵とかいうのはいつ来るんだ?」
「うーん。僕達がこの森に迷い込んでるのには気づいてると思うから、そこまで時間がかかるとは思わないんだけど」




 ユーリアさんがそう言いながら太陽の位置を確認して大まかな時間を確認しようとしたその時、私が広く展開していた魔力感知の範囲に誰かが入って来た。
 シェリーさんとユーリアさんもそれに気がついているみたいで、そっちの方を向いている。


 感覚的に魔物じゃないみたいだけど、もの凄い勢いで近付いて来るわね。
 そうして近くに落ちていた私の槍を構えながら神経を研ぎ澄ましていると、遂にその気配の主が正体を現した。




「ってあれ?  ユーリアじゃん。超久しぶりじゃね?」
「えぇ!?  ター姉?  なんでター姉がこんな所に一人でいるの?」
「あら、お知り合いかしら?」
「うん。ター姉は僕の義理の…」
「私はユーリアの実の姉のターニャでぇーす。よっろしくぅ☆」




 突如現れた黒髪のエルフであるターニャさんは、ピースサインを私達に向けながらユーリアさんの台詞を遮って笑顔でそう言った。
 なんていうか、ギャルみたいな人ね。
 同じクラスの篠崎さんに少し似ている気がするわ。


 それよりも、ターニャさんのおっぱいはツルペタなのね。
 これがエルフの特性によるものなのか、彼女の黒髪の遺伝子によるものなのかはわからないけれど、風舞くんの語るエロフ説が間違っている可能性が高くなってきたわ。
 これは私のエルフのお姉さんのツルペタなおっぱいをサワサワするという夢が叶う日も近そうだわ。


 私はユーリアさんに抱きつこうとしているターニャさんを見て口角を上げながらそんな事を思った。






 ◇◆◇






 風舞






「おいフーマ、起きるのじゃ。おい!」
「うーん、後五分」
「後3秒で起きねば殴るぞ。3、2…」
「っておい!  そういうのは殴るんじゃなくて目覚めのキスとかが定番だろうが!」
「なんじゃ。やはり起きておったではないか」




 そうして無理やり起こされた俺が目を開けてみると、俺はシングルサイズのベッドの上でローズに馬乗りにされて拳を向けられていた。
 わお、この魔王様は本当に俺の事殴る気だったみたいじゃん。




「なぁ、ここはどこなんだ?  ていうか、なんで日本語?」
「なんじゃ?  起きておったのではないのか?」
「ああ。ちょっとフレンダさんと話をしてた」
「ふむ。それではエルフの森の結界については知ってるんじゃな?」
「ああ。ここらの森は正式なルートで進むか、特殊なランタンを持ってなきゃ出れないんだろ?」
「うむ。そこまで聞いて来たのなら話は早いの。ここはトウカというユーリアの姉の職場じゃ。もっと分かりやすく言うのなら、世界樹ユグドラシルの真下じゃな」
「ああ、それで日本語で話してるのか」




 ユーリアくんがエルフの里に入ったら話をする時は気をつけた方が良いって言ってたし、内々の話をする時は日本語で話した方が良いとローズは判断したのだろう。
 まぁ、ここは世界樹の真下らしいから正確にはエルフの里じゃない気もするけど。




「うむ。他に何か質問はあるかの?」
「それじゃあ、どうやって俺達はここまで辿りついたんだ?」
「森の中でファルゴが妾達を担いでさまよっていたところを、トウカというエルフの娘が保護してくれたのじゃ」
「ん?  そこまで知ってるって事はミレンは起きてたのか?」
「うむ。妾はほら、これがあるから目を覚ましてもある程度魔力が回復するまで動けんじゃろう?」




 ローズが自分の目を指差しながらそう言った。
 なるほど。目の色を変えたりするために必要な魔力が回復するまで待ってたのか。
 そういえば、セイレール村から転移した時も十分に魔力が回復するまでは目を閉じて休んでいたし、今回も同じ様にしたのだろう。




「それで、マイム達の行方は分かんないのか?」
「妾はこの建物に来てすぐにこの部屋に連れて来られたから大して話を聞けておらんし、新たな情報は何も掴めておらぬ。おそらくマイム達は無事であると思うんじゃが……」
「まぁ、まさかあんな奴がいるなんて想像もしてなかったしなぁ」
「うむ。どういうわけか妾にもあやつの気配は直前まで掴めんかったし、マイム達と逸れはしたもののこうして逃げられただけでも上等じゃろうな」




 尚も俺の上に馬乗りになっているローズが腕を組みながらウンウンと頷いた。


 なぜ、俺達と舞達がこうして離れ離れになったしまったのか。
 俺は現状を整理するために、その原因となったとある魔物の襲撃の事を思い返してみる事にした。


 ていうかローズさん。
 そろそろ俺の上からどいてくれません?
 何故か俺は全裸なんで凄い恥ずかしいんですけど。






 ◇◆◇






 風舞 グラズス山脈洞窟内 世界樹の下で目を覚ます約2時間前






「お、外の光が射し込んで来てるぞ」
「遂にこの洞窟から出れるのね。ここまで本当に長かったわ」




 片腕のサイクロプスを倒した後、セーフティーゾーンで荷物を回収した俺達一行は現れる魔物をバッタバッタとなぎ倒しながら進み、遂に洞窟の出口にたどり着いた。
  まぁ、もう出口も近いからか言う程の魔物は出てこなかったし、戦闘も片手で数えられるくらいの回数しかなかったんだけどな。


 そんな事を考えながら、足を止めて外から差し込む光を眺めている舞を横目で見ていると、俺の前に立っていたファルゴさんがユーリアくんに質問を投げかけた。




「なぁ、あそこを出たら世界樹も見えるのか?」
「うん。洞窟を抜けたら世界樹とエルフの里の両方を一望できると思うよ」
「ほう、それは何とも楽しみじゃな」
「よし、それじゃあ行こうぜ!」




 そうして俺の一声で足を動かし始めた俺達一行は、全員揃って無事にグラズス山脈を貫く洞窟を突破した。
 ソレイドを出てここに来るまで色々と大変な事もあったが、目的地の世界樹も目の前に迫っているらしいし、何とかここまで来る事が出来て本当に良かった。


 そんな感じで感慨深く感じながら洞窟を出て、およそ2日ぶりの太陽の光に目を細めながらもその景色を確認すると、そこにはかなりの絶景が広がっていた。
 洞窟を出てすぐの正面は崖になっているため遠くの方まで見渡す事ができ、眼下には広大な森の中に広がる大きな街と、空を突く程に伸びている世界樹が悠然と佇んでいる。




「ねぇフーマくん。すごいわ!  世界樹はグラズス山脈よりも高いって聞いてたけど、こうして実際に目にしてみると迫力が違うわね!」
「ああ!  俺もまさかここまでデカいとは思ってなかった。一体何メートルぐらいあるんだ、あれ」
「それに見て見て!  あれがエルフの里よね!  ソレイドの何倍もありそうな大きな街だわ!」
「あぁ、高い建物もいっぱいあるしエルフが沢山住んでるんだろうな」
「もう待ちきれないわ!  早く行きましょう!」
「おう!」




 そうして舞に腕を掴まれながら崖の横につながる道へ走り出そうとしたその時、俺は今まで感じた事の無いような嫌な感覚を首筋に感じた。
 この全身を這いずり廻る様な嫌な感覚はなんだ?
 そう思ったその時、俺の体はスキルの直感によって反射的に動き出していた。




「舞!」




 俺が舞を大声で呼び止めながら押し倒した直後、俺と舞の上半身があった位置を正体不明の攻撃が過ぎ去った。
 今のはなんだ?
 全く何をされたのか分からなかったし、何も見えなかったぞ。


 そうして俺が謎の攻撃に戦慄していると、舞が俺の下からサッと抜け出して槍を構えながら、切羽詰まった様な顔で声をかけてきた。




「立ってフーマくん。今すぐ逃げるわよ。あれには勝てる気がしないわ」
「な、何が…」




 そうして体を起こした俺が舞の視線の先へ目を向けると、俺達が出てきた洞窟の上に全身に黒い紋様を浮かべたサイクロプスが立っていた。
 先ほど戦ったサイクロプスと同じ様に素肌はベージュなのだが、全身に黒い紋様が張り巡らされていて白眼の部分が真っ黒で瞳が金色の為か、全く別の魔物に見える。




「おいフーマ!  今すぐに立つんじゃ!  あやつ、お主を狙っておるぞ!」




 ローズの方から急に声がかかって俺がさっと立ち上がったその時、舞の風魔法で俺は真後ろに吹っ飛ばされた。




 ギュアン!!




 そうして吹っ飛ばされた俺の目の前を何か光の筋の様な物が過ぎさり、地面に鋭い斬撃の跡を残す。


 は?
 もしかしてあいつは今、光線を撃ったのか?
 そんなん俺には避けられないぞ?


 そんな事を思いながら空中を吹っ飛んでいると、ファルゴさんがジャンプして俺を受け止めてくれた。




「ちっ、大丈夫かフーマ!」
「はい。ありがとうございます」
「おいお主ら、話は後じゃ!  次が来るぞ!」




 ローズのその言葉に弾かれる様にサイクロプスの方へ顔を向けると、サイクロプスが俺の方を金色の目でギョロリと一瞥した後で、舞や団長さんのいる方にゆっくりと顔を向けた。




「クソっ。こんな所で死んでたまるか!」
「ダメよシェリーさん!  今の私達じゃあいつには勝てないわ!」
「それじゃあ、どうするってんだよ!」




 団長さんと舞が武器を金色の眼のサイクロプスに向けながら言い争っている。


 考えろ。
 考えろ俺。
 いくらあいつの見た目が特殊だとは言え、サイクロプスである事に変わりは無いはずだ。
 思い出せ。
 ローズやフレンダさん達はサイクロプスについて何を説明していた?


 そうして記憶の棚をひっくり返してこの場を切り抜ける為に必要な情報を探していたその時、俺はフレンダさんがサイクロプスの一番の強みはあの魔眼にあると言っていた事を思い出した。
 さっきの光線があのサイクロプスのどこから出てきたのか俺には分からなかったが、あれ程の特殊な攻撃は魔眼によるものである可能性が高い気がする。


 となれば…。




「ミレン!  雷をあいつの目の前に落としてくれ!  絶対に当てるんじゃないぞ!」
「う、うむ。良くわからんが、今はフーマの策に乗ろう!  サンダーランス!」




 ズガァァン!




 ローズの雷魔法によってサイクロプスの足元の岩が破壊され、土煙が上がった。
 よし、これで少しはサイクロプスの視界を塞げる筈だ。
 後は…。




「ユーリアくん!  でかくて分厚い水の壁!」
「了解!  ウォーターウォール!」




 これであいつの光線も少なからず水の壁で屈折してコントロールが狂うだろう。
 そうして次の手を考え始めたその時、サイクロプスが右腕を振るう事で土煙を払い、俺達のいる崖の方へ飛び降りて来た。




「フーマくん!  また後で会いましょう!  私はシェリーさん達と一緒に逃げるわ!」
「ああ!  今は何としても生き残ってくれ!」




 俺は団長さんの後ろ襟を掴んで崖から飛び降りた舞に返事をしてから、リュックから残りのサラマンダーフラワーの粉を全て取り出し、先程ファルゴさんがやったのと同じ様に皮袋に炎の魔剣を突き刺した。




「おいミレン!  俺がこれを投げたら転移だ!」
「う、うむ!  よし、いつでも良いぞ!」
「ファルゴさんも俺から手を離さないでくださいね!」
「おう!」
「それじゃあ行くぞ!  おりゃぁぁぁ!!」


「テレポーテーション!」




 そうして、俺とローズとファルゴさんは世界樹の麓に広がる森の上へ転移した。
 俺達がいた崖の上ではかなり大きい爆煙が広がり、あの異様なサイクロプスの姿は確認できない。
 よし、これでサイクロプスに光線で撃ち落とされる事は無さそうだな。
 そう思ったその時、俺の左腕を掴んでいたローズが魔力を使い切って辛そうな顔のまま俺に話しかけてきた。




「フーマ。すまぬが妾の体に魔力を流しこんでくれ」
「俺も大して魔力が残ってないけど良いのか?」
「うむ。その僅かな魔力で落下位置を調整する。ファルゴは妾達を抱えたまま風魔法で落下速度を落としてくれ」
「おう!  俺が責任を持ってお前らを地面まで連れてってやるから安心してくれ!」
「はい。それじゃあ行くぞミレン」
「うむ。思いっきりやってくれ」


 そうして俺は自分の残りの魔力を全てローズに流し込んだ後で気を失った。






 ◇◆◇






 風舞






「ああ、そうだった」




 それで俺はファルゴさんとローズと一緒にあの異様なサイクロプスから逃げて、舞達と離れ離れになったんだった。
 舞達はあの時の状況から察するに何となく無事な気がするし、今は舞の生存を願って慌てずにいよう。
 ここで俺が騒いでもどうしようもないし、今は落ち着いてこれからの事を考えるべきだ。


 そうして今の俺が置かれている状況と、金色の眼のサイクロプスの襲撃という過去の出来事を繋げて自分の中で一先ずの整理をつけた俺は、ベッドの端に座って靴を履いているローズにふと疑問に思った事を質問してみた。


「なぁミレン。そういえば、俺の魔力を流しこまれても大丈夫だったのか?  ほら、アンは自分のじゃない魔力が体の中に入って拒絶反応を起こしてただろ?」
「うむ。別に少しぐらいの時間なら自分のものではない魔力が体の中に入っても問題無いんじゃ。今回はフーマにもらった魔力をすぐに風魔法で使いきってしまったし、体への影響は全くないの」
「へぇ。でも、それじゃあファルゴさんの魔力を分けてもらえば良かったんじゃないか?  ファルゴさんはまだ魔力が沢山残ってたし、着地までミレンが風魔法を使った方が確実だろ?」
「それはそうなんじゃが、他人の魔力を久し振りに使う妾にとっては、良く知っておるフーマの魔力の方が使いやすいと思ったんじゃ。どういうわけか近頃のフーマの魔力は妾やフレンダのものに似てきておるしの」




 ん?  俺の魔力がローズやフレンダさんの物に似てきている?
 それってもしかして、白い世界で俺がつけているフレンダさんの力が封じられたあの赤い指輪が原因なんじゃないか?
 あそこは俺の魂と密接に関わっている世界らしいし、魂から出て来るという魔力が変質していてもおかしくない気がする。


 そんな感じでローズには伝えていない赤い指輪の件について考えて微妙に気まずくなっていると、靴を履き終わったローズが俺の方を振り返って顔を覗き込んできた。




「ん?  どうしたんじゃフーマ?  少し顔色が悪いぞ?」
「い、いや、何でも無いぞ。そうだ、どういう訳か服を着て無いから少し冷えたみたいだ」
「あぁ、妾達の服は川に落ちてびしょ濡れだったからファルゴとトウカが脱がせてくれたんじゃ。ほれ、そこに替えの服が置いてあるぞ」




 そう言ってローズが指差した先には、俺の身長にぴったり合いそうなサイズ感の、見慣れないタイプの服が置いてあった。
 もしかしてエルフの民族衣装か何かだろうか?
 ローズが今着ている服もこれと良く似ているし、多分それで合ってる気がする。


 ていうか、ローズが誘導した落下先は川だったのか。
 通りで頭が微妙に生臭いと思った。
 サイクロプスとの戦闘で汗もかいているし、すごく風呂に入りたい。


 俺はそんな事を考えながらローズに返事をした後で、エルフの民族衣装っぽい服に着替え始めた。
 へぇ、結構肌触りが良いんだな。




「ふむ。中々似合うではないか」
「そうか?  ミレンも結構似合ってると思うぞ」
「ふん。そういう事は愛しのマイムに言うんじゃな。ほれ、そろそろファルゴ達のいる部屋へ行くぞ。ユーリアの姉に挨拶をせんといかんからの」
「へいへい。今行くからちょっと待ってくれ」




 ユーリアくんのお姉さんか。
 きっとユーリアくんに似てもの凄い美人なんだろうな。
 それに、もしかすると俺の魔法を復活させてくれるかもしれないらしいし、今からもの凄いテンションが上がる。


 俺はそんな事を考えながら、ドアを開けて部屋先で待っているローズの元へ笑顔で向かって行った。

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