クラスごと異世界転移して好きな女の子と一緒に別行動していたら、魔王に遭遇したんですけど...

がいとう

24話 短い決闘

 風舞






 舞との決闘をすることになって約30分後、戦いの準備をそれぞれで済ませた俺と舞は、立会人のローズとその場に一緒にいたユーリアくんを伴って、村から出て街道から少し離れた見晴らしの良い草原まで来ていた。
 日はまだそれなりに高く、穏やかな風が草原を吹き抜けている。


 この決闘は俺にとって負けられない戦いだ。
 もう舞にお姫様だっこされるのは勘弁だし、ここで俺の実力を見せて俺はそこまで弱くないという事を証明しておきたい。
 それに、勝てば舞のメイド姿を20日間眺め放題である。
 これは是が非でも勝ちを掴みに行かなくてはならないだろう。
 先ほどローズにも最近暴走気味の舞に手痛い仕置をする様に頼まれたし、今回の決闘に際して俺の背負っている物は今までで一番多いのである。




「さぁフーマくん。決闘の時間よ。覚悟はいいかしら?」
「なぁマイム。その前に、流石にハンデをくれないか?  このまま戦っても勝負にならない気がするんだが」
「ふむ。それもそうね。それじゃあローズちゃん。ハンデの設定をお願いしてもいいかしら?」




 舞が向かい合う俺達の真横に立っているローズの方を見ながらそう言った。
 確かにローズなら俺達の力量を正確に読みとっているし、適切なハンデをつけてくれそうな気がする。




「それでは、舞は攻撃系のスキルと魔法の全面使用禁止というのはどうじゃ?  魔力感知は完全には切れんし、そのぐらいは使っても良いじゃろう」
「あら、私も舐められたものね。それじゃあ流石に魔法の使えない今のフーマくんには負ける気がしないわよ?」
「いや、それでやろう。あまり舞にハンデを付けすぎて後で負けた時の言い訳にされても困るからな」
「ふふふ。言ってくれるわねフーマくん。3秒で勝ってすぐに私の髪を切ってもらうから覚悟しなさい!」




 舞が自分の両手剣を鞘から抜き、俺に切っ先を向けながらそう言った。
 鞘を腰のベルトから外して少し離れた位置に放り投げてたし、舞も決闘に向けて万全の構えをとっている様である。
 これは俺も最初から本気で行かないとまずそうだな。
 さっき買ってきた奥の手も、もしかすると使う事になるかもしれない。




「おお、2人ともすごいやる気だね。見てるだけで僕も緊張して来たよ」
「うむ。舞はともかくフーマがあそこまでやる気を出すのは珍しいし、これは良い勝負が見れそうじゃな」




 あ、ユーリアくんとローズが土魔法で椅子を作って解説席みたいなの作ってる。
 年長組のお二人は俺達若輩者の決闘を高みからご覧になるらしい。
 これは下手な試合をしたら後でローズにみっちりしごかれそうな。
 マジで色んな意味で負けられない。




「よし、俺の方は準備出来たぞ」
「私もいつでもいけるわ」




 そう言った俺達を見て、解説席から立ち上がったローズが俺達の方へ歩きながら、ルールの詳しい説明をしてくれる。
 彼女なら公平な試合になる様に良い感じで審判をやってくれそうだし、俺達も安心して目の前の勝負に集中出来そうだ。




「うむ。2人とも戦意は十分の様じゃな。さて、ルールの確認じゃが、これは決闘とは言えあくまで模擬戦じゃ。致命傷になる攻撃と、舞は全ての魔法と攻撃系のスキルを使うのも反則とする。ここまでは良いか?」
「ああ、問題ないぞ」
「私も大丈夫よ」
「うむ。後は基本的になんでもありの真剣勝負じゃな。2人とも己の実力を全て出し切って存分に戦うが良い。それでは早速、妾の合図で決闘を始めるとしよう」




 そう言ったローズが俺達から10歩ほど離れて、決闘の始まりを告げるために右手をすっとあげる。
 それを見た俺は右手に片手剣を握り、左手には炎の魔剣を持って重心を低くして構えた。
 一方の俺の正面に立つ舞は、剣を腰だめに構えているし多分初手は一気に距離を詰めて居合を放って来ると思う。
 よし、視野を広く持ちながら直感を発動させておこう。


 そうして俺と舞が互いの様子を伺いながら武器を構えていると、ローズが手を振り下ろしながら口を開いた。




「それでは、始め!」


「果断!」




 決闘の開幕直後、俺の予想通りに舞は急接近して鋭い居合を放って来た。
 見てからでは間違いなく避けられない攻撃だが、最近頼りっきりの直感と豪運は舞が居合を放とうとした瞬間には俺の体を動かしているため、なんとかその攻撃は躱す事が出来る。
 そうして逆袈裟の居合を紙一重で躱した俺は、舞の返す刃の振り下ろしを片手剣を上に振って無理やり抑えこんだ。




「おお、マイムのあの鋭い攻撃を避けるなんてフーマも中々やるね」
「うむ。流石は妾の弟子といった所じゃな。マイムの居合の後の切り落としも剣に勢いが乗る前に押さえ込む事でパワーの差を上手く埋めておるし、これは良い勝負になりそうじゃ」
「そうだね。でも、マイムもこれからみたいだよ。僕を捕まえた時のマイムの動きはもっと速かったし、ここからが見どころだろうね」




 舞と一瞬の鍔迫り合いに持ち込んだ俺は、魔力の手を出したり消したりすることで舞の気をそらしつつ、炎の魔剣に魔力を通して舞の腹目掛けて鋭い刺突を放つ。
 そうして俺の刺突が舞の腹に突き刺さりそうになったその時、舞の左脚に炎の魔剣のつばが下から蹴り挙げられ、俺の攻撃は途中で防がれてしまった。


 へぇ、やっぱりこれは防がれるのか。
 この前ローズに稽古を付けてもらった時に言われた様に、未だ舞の集中を魔法剣から逸らせていなかったようだ。


 そんな分析をしつつも燃え盛る魔剣を真上に向けられた俺と、靴のつま先を少し焦がされた舞は、互いに距離をとってもう一度剣を構え合う。




「まさか反撃までしてくると思って無かったわ」
「まぁ、最近は団長さんとかローズの蹴りをそれなりに見てたからな。何となく攻撃がくるタイミングっていうのは分かる」
「相変わらずどうなってるかよく分からない戦闘センスね。…それじゃあ、もう一回行くわよ!」




 そう言った舞が剣を中段に構えながら勢いよく俺に近づいてくる。
 もう一度居合いをするには剣を腰だめに構えなくてはならないし、今度は鋭い一撃ではなく鮮やかな連撃で俺を攻めることにしたようだ。


 ちっ、これは不味いな。
 攻撃がどこから飛んでくるかは何となく分かるが、こうも絶え間なく攻められると避けるのがきつくなってくる。
 それに、攻撃のテンポもどんどん上がっている。
 隙のない連撃のために舞はずっと息を止めているのだが、このままだと俺が攻撃をもらう方が早そうだ。




「この前ローズに悪手だと言われたからやりたくなかったんだが、仕方ないか」




 口の中で小さくそう呟いた俺は舞の攻撃を避けたり二振りの剣でいなしたりしつつ、彼女の攻撃の合間の僅かな時間を使って反撃に出るのではなく、炎の魔剣を地面に突き刺した。
 連撃をしつつもグイグイと押し込んできたいた舞が、俺との間に燃える障害物を作られた為一度その足を止める。
 その間に俺は魔力の手で魔剣の炎を維持しつつも、バックステップで舞と大きく距離をとって体勢を立て直した。




「ふふっ。これでフーマくんの片手剣の強みも失われたわね」
「まぁ、このままじゃ少しきついかもな」




 俺が片手剣を構えながらそんな事を言っている間に、地面にささったままの俺の炎の魔剣は舞に引き抜かれて、舞の後方へと放り投げられてしまった。
 はぁ、まだ五分も経ってないのにこの決闘の前に調達してきた秘密道具を使う時が来たのか。


 そう考えながらも、俺は背中側の鎧の隙間に入れていたこぶし大の皮袋を一つ取り出しながら、片手剣を軽く左右に揺らすことで舞の視線を剣に向ける。
 今から舞相手にやろうとしている事はおそらく嫌がらせ程度にしかならないだろうが、このまま舞に攻められっぱなしでいるよりはましのはずだ。




「あら、降参してもいいのよ?」
「いいや。今回ばかりは譲れないものがあるし、何としても勝たせてもらう」
「ふふっ。今日のフーマくんはいつになく輝いているわね」
「そりゃどうも」




 そう言った俺は今度は自分から舞との距離を一気に詰め、勢いよく片手剣を振り上げた。
 それを難なく躱した舞が俺のがら空きの胴体を両手剣で薙ぎ払おうとするが、剣を振り上げると同時に舞の顔に向かって左手のスナップだけで投げ上げておいた皮袋を見て舞の剣筋が鈍る。
 そうして鎧の表面を舞の剣に撫でられながらもなんとか無事に避けられた俺は、もう一つの皮袋を取り出して舞の後ろに転がっている炎の魔剣の近くの地面に叩きつけた。
 舞の顔の周りと炎の魔剣の落ちている辺りが茶色い粉に包まれる。




「げほっげほっ。何かしら?  目くらまし?」




 うわ、豪運のおかげか良い感じの風で、思ったよりも粉塵が広がっちゃたな。
 本当に大丈夫かこれ?
 そんな事を考えながらも、俺は駄目押しとばかりに持っていた片手剣を舞に向かって投げつけて彼女の足を止めた。
 よし、今だ!




「ま、まさか!?」




 いきなり背を向けて走り出した俺と戦闘中ずっとそこら中に伸ばされていた魔力の手の動きを感知した舞が、その場から慌てて動き出そうとするが、もう遅い。
 俺はローズとユーリアくんの方に全力で走りながら、身体を動かすよりも格段に速く動かせる魔力の手をのばして、炎の魔剣に魔力を流した。




 ドガンッ!!




 空気中に散らばっていたサラマンダーフラワーの根っこの粉が魔剣の燃え盛る炎によって引火し、大爆発を引き起こす。




「あっづ!」




 都合良く風上のローズたちの方へ走っていた俺は、もの凄い爆風に煽られながらもなんとか軽い火傷をするだけで済んだ。
 済んだのだが…。


 やべ、完全にこれはやりすぎな気がする。
 吹っ飛んできた俺の下敷きになってるローズとユーリアくんがもの凄く驚いた顔してるし、想像以上の火力が出てしまった。
 舞の生存が若干怪しくなって焦った俺は、あの口にするだけで敵が必ず起き上がって来ると定番のセリフを口にする事で、舞の生存率を少しだけ上げることにした。




「や、やったか?」
「やったか?  ではないわ!  どう考えてもやりすぎじゃこの阿呆!」
「び、びっくりしたよ。まさか自爆覚悟であんなに沢山のサラマンダーフラワーの粉を使うなんて」




 やばいやばいやばい。
 俺がサラマンダーフラワーの粉を爆発させた辺りはもうもうと煙が立っていて、地面も所々が燃え盛っているし、流石の舞でもこれはただでは済まないかもしれない。
 ちょっと驚かす程度で使えればと思ってたのに、燃料の量が多すぎたみたいだ。


 そうして内心かなり焦っていたその時、ユーリアくんが風魔法を使って辺りの煙を一気に吹き飛ばしてくれた。
 その風の勢いもあって燃えていた地面も完全に鎮火されている。
 焦土と化した草原の中の人影に向かって走りながら、俺は冷や汗を浮かべつつも声を上げた。




「大丈夫か舞!」


「え、ええ。大丈夫よ」




 良かった。
 命に別状はないみたいだな。


 服や髪が多少焦げているが火傷自体はそこまで酷くはないし、爆発の影響はそこまで受けなかった様だ。
 ただ、彼女の履いていた厚手のタイツと旅の間ずっと履いていたブーツは完全に消し飛び、その両足が傷だらけになっている。
 おそらく無茶な回避をした代償だろう。




「悪い。流石にやりすぎた」
「いいえ。これは真剣勝負なんだからそう言うのはおかしいわ。こうしてフーマくんは私に勝ったんだし、もっと胸を張るべきよ」
「いや、俺は舞に致命傷になりかねない攻撃をしたんだから反則負けだろ」
「それなら私も魔法を使ったしおあいこよ。それに、私の足はこの有様だし多分フーマくんの判定勝ちじゃないかしら。ねぇ、ローズちゃん?」
「まぁ、お主がそう言うのならそれで良いのではないか?  フーマのあの攻撃をまともに舞が食らっても致命傷になるかは怪しい所じゃし、今回の決闘はフーマの勝ちで良いじゃろう」
「そうは言うがな…」
「あらフーマくん。これ以上真剣勝負で負けた私に恥をかかせるつもりかしら?」




 舞がどさっと地面に腰を下ろし、俺の方を見上げて微笑みながらそう言った。
 そうか。
 俺としては反則勝ちな気もするが、舞は潔く負けを認めるのか。
 それならば、今この瞬間に俺がすべきことは勝者としてただ堂々と胸を張ることだけなのかもしれない。




「ああ、そうだったな。ありがとうマイム。いい勝負だった」
「ふふっ。私にとってもそうよ。フーマくんはやっぱりチートキャラね」




 そう笑顔で言った舞と握手し、俺と舞の僅か数分間の決闘は俺の判定勝ちで幕引きとなった。
 素直に喜べるような勝ち方ではなかったが、今の俺にできる精一杯の戦いだったし、舞もこうして俺の勝ちを認めてくれてる訳だから前向きにこの決闘の結末を捉えるとしよう。




「それじゃあ、お腹も空いたしそろそろ宿に戻ろうか。マイムの足は今治すからちょっと待ってね」
「ありがとうユーリアさん。そういえば、お昼もまだだったわね」




 そう言った舞の足にユーリアさんが回復魔法をかけて瞬く間に傷を癒していく。
 この足の傷は縮地と風魔法の合体技を咄嗟に使った時にできたのだろう。
 今俺達がいる位置は爆心地から結構離れているし、一瞬でこの距離を移動したのならこうなるのも無理はない気がする。


 そんな事を考えながらも舞の両手剣や、俺の片手剣と炎の魔剣を拾い集めている内に、舞の足の治療は完全に終わって元通りの綺麗な白い足へと戻っていた。


 俺も魔法がまた使えるようになったら回復魔法を覚えるか。
 自分でも使える様になっておけば、何かと便利だし。
 そんな事を思いながら三人のいる方へ向かうと、俺が戻って来たのを確認したローズが口を開いた。




「さて、それでは帰るとするかの」
「そうね。それじゃあフーマくん。だっこ」




 なんだこれ?
 なんか舞が上目遣いで俺に両手を伸ばしながら抱っこされるのを待っている。
 もう足の怪我は治ってるはずなのに、どうして舞は立ち上がらないんだ?
 そう思って舞の治療をしたユーリアくんの方を見てみると、




「マイムの足は確かに完治させたけど、まだ痛むんじゃないかな?  きっと精神的に」




 ニッコリと笑う彼にそう言われた。
 ああ、そういう事か。




「よっこいしょ。ほら、これで良いか?」
「ふふっ。この前とは立場が逆ね」




 俺にお姫様だっこされた舞が笑顔でそう言った。
 これは初めて舞に勝てた俺へ、舞がくれたご褒美みたいなものなのだろう。
 俺の両腕に収まっている舞を見るだけで、今回の決闘は価値あるものであった様に感じる。




「ありがとなマイム」
「ふふっ。こちらこそよ」




 そうして決闘も終わり腹を空かせた俺達四人は、今日の昼飯のメニューの話をしながら宿屋にもどった。
 ちなみに舞は宿の部屋に戻っても俺から降りようとはせずに、最終的には俺の首に腕を回して腹筋と背筋だけで一人でお姫様抱っこを維持していた。


 あの、そろそろ降りてくれませんかね?
 首が痛くなってきたんですけど。






 ◇◆◇






 舞






 草原での決闘が終わり、遅めの昼食をとって腹の虫の機嫌をとった後、私は戦闘でついたすすやら土やらを落とす為に一人でお風呂に入っていた。
 先程廊下ですれ違ったネーシャさんの話によると、セイレール騎士団の二人はもうこのお風呂に入った後らしい。
 あの二人はそこまで長風呂をする方じゃないのね。
 はぁ、今はそんなことよりも、




「はぁぁ。まさか本気で戦って風舞くんに負けると思わなかったわ」




 私は風舞くんに自分から決闘を挑んで、その上負けてしまったショックをがっつりと受けていた。
 風舞くんは魔法が使えなくなって今までの転移魔法を使う戦い方を出来なくなったから、圧勝は出来なくてもまさか負けるだろうとは思ってもいなかった。




「はぁ、完全に私の慢心が招いた結果ね」




 私は乳白色の湯船に体を浮かべながら、今回の反省を口にする。


 確かに魔法が使えなくなった風舞くんは戦闘能力的には私よりも間違いなく劣っているが、彼はその差を持ち前の戦闘センスと鮮やかな閃きによっていとも簡単に埋めて来た。
 ローズちゃんも私が少なからず天狗になっている事を見抜いていたから、こうして風舞くんとの決闘を認めてくれたのかもしれない。
 彼女は結構私たちに対して過保護な所があるし、きっと間違いないわね。
 はぁ、私ももっと成長しないとだめね。


 そんな事を思いながら気を取直して体を起こした私は、浴槽の縁に腰掛けてあかく染まり初めている空を見上げつつ1人ごとを漏らす。




「それにしても、戦ってる時の風舞くんってあんなにカッコ良かったのね」




 そうなのだ。
 初めて戦っている風舞くんを正面から見たが、あそこまで戦ってる時の彼がカッコ良いとは知らなかった。
 思わず戦ってる時も口元がニヤニヤしてしまっていたし、風舞くんにも私が見惚れていた事に気付かれてしまっていたかもしれない。




「ふふっ。これからは一歩後ろに引いて、風舞くんをもっと観察するのもアリな気がしてきたわ」




 そんな事をぶつぶついいながら、私はのぼせてしまう前に湯船から上がって体の水滴を綺麗に拭う。
 結局私は風舞くんに負けてしまったけど、それでも彼が少しだけ焦げた髪先を整えるために切ってくれると言っていたし、キチンと身だしなを整えておかないといけないわね。


 そう思いながら髪の水滴も一通りタオルに吸わせて服を着ようとしたその時、私の服が無くなってその代わりに例のメイド服が置いてある事に気がついた。
 ついでに汚い日本語で書かれたメモも一緒に置いてある。


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 これをきてハンセイするのじゃぞ。   ろーず
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「はぁ。そう言えばそうだったわね」




 私はお風呂場に入って何度目かわからない溜息をつきながら、ローズちゃんがいつの間にか置いて行ったメイド服に袖を通した。
 それにしても、やっぱりこのメイド服スカートが短すぎないかしら?
 胸元も少し空いてるし。


 そう思いながらも甘んじて罰を受ける事にした私は、胸元の布とスカートの裾を手で押さえながら、モジモジとしつつ部屋に戻った。
 や、やっぱり凄く恥ずかしいわね。これ。

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