もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

ちょっとした悪寒

 あれから数日が経過した。
 魔法の部でリュメルが優勝して、さらにミルさん、メイさん、イヤさんの3人が出場した魔法の部ではミルさんが優勝し、今日は剣の部での3人の戦いが始まる。
 予選では3人の圧勝で決勝戦まで来たのだ。

「皆さん。頑張って下さい!!」
「うん。頑張るわ」
「「頑張るよ!!」」
「が、がががんばっててててくだください!」

 レイドはそれはもう見るからにめちゃくちゃ緊張している。

「「「あはは、噛みすぎだよ」」」
「あ、はは。すみません。き、緊張しちゃって」
「そうだ。ミルさん。少し聞いてもいいですか?」
「何?」
「剣の部って武器なら何でも良いんですか? 例えば、籠手とかでも良いんですか? 槍とか」
「あぁ、もちろん大丈夫だよ。剣の部じゃなくて武器の部って言われたりしてるよ」
「そうなんですね」
「そうそう。だから私も双剣だし。メイは槍だし、イヤはどっかから伝わって来たカタナとか言う武器だし」
「刀!?!?」

 その単語に遂大声を出してしまった。

「な、カタナ知ってるのか?」
「え、まぁ、はい」
「イサミくん!!」
「は、はい!?」
「後で語らない?」
「あぁ、私の妹はカタナ馬鹿でカタナの話をしだすと止まらないの」
「ね、試合が終わったら私とカタナの話しましょうよ。ね、ね!?」

 イヤさんは、後数センチでキスをしてしまうんじゃないかと思うほど近い所まで顔を近づけて来た。圧が凄い。

「わ、分かりました」
「いよっしゃ!! これで、カタナの沼に……ふひっ」

 最後の方なんて言ってるか分からなかったが、なんだが悪寒を感じた。
 なんだか逃げたい。

「選手の皆様。そろそろ準備をお願いします」
「そろそろ、時間みたいだね」
「「行ってきます」」
「「頑張ってください」」

 ミルさん達を見送った後、僕とレイドはリュメルと合流して指定席に向かった。


 その頃、とある部屋で大事な会議が開かれていた。

「どうする?」
「これは前例が無いからね
「そうね」

 そこには円卓を囲んだ3人の幼s……ゲフンゲフン。3人の女性が座っている。1人は見た事がある。リーリエ学園長だ。他の2人はリーリエ学園長に似ているハイエルフだ。
 そして、3人が話し合っている内容なんだが、

「まさか、リーリエの学園の選手が1人病気にかかるとは……」
「すまんな。これは私の管理不足だった」
「いや、しょうがないさ。病気はどんなに掛からないように予防しても掛かってしまう」
「そう言ってくれると助かる」
「どうする? 初等部6年の1人を不参加で試合をするか?」
「いや、ここは新たに不参加分に誰かを入れるというのはどうだ?」
「……良いのか?」

 リーリエ学長は2人の顔を見合わせて聞いた。2人はお互いの顔を見て頷き合った。

「「もちろんだ」」
「選手の選択はリーリエに任せる」
「分かった」
「お? その顔は何か秘策でもある顔だな」
「あぁ、楽しみにしておれ、お主達の腰が抜けてしまうかもしれぬぞ」

 そして、リーリエは1人の男の子を思い浮かべていた。
 その頃、僕は悪寒がした。

「どうした?」
「いや、なんか変な事に巻き込まれたような気がするだよね」
「なに変なこと言ってるの? ほら、ミルさんの試合が始まるよ」
「う、うん」

 そして、ミルさん達の試合が始まった。

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