もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

メリュカvsメシャーナ

 メルコとの試合にギリギリで勝利したメリュカは、メシャーナが気絶から回復するのを待っていた。

「うーん。何してよう」

 お見舞いにとも思ったが、そんなことをする程仲良くもないし、する意味もなかったからやめた。
 と、言うことで魔力で遊んでいると、扉がバンッ! と勢いよく開いた。

「うぇっ!?」

 変な声が出たが、そこに息を切らしたメシャーナが立っていた。

「はぁ、ごめん。はぁ、お待たせ!!」
「え? 大丈夫?」
「ん?」
「体調とか大丈夫? ちょっと休む?」
「あぁ、大丈夫だよ。私は回復魔法自分に使えるから」
「そうなんだ。大丈夫なら……やろうか」
「うん!!」

 そして、ステージ上に移動して向き合う。

「私メシャーナ宜しくね」
「私はメリュカだよ。負けないからね」
「私も負けないよ」

 そして、開始のゴングと共に動き出したのがメシャーナだった。
 土魔法で地面を少し浮かせ、それと同時に粉々になった土をメリュカ向けて放った。
 メリュカはそれを自分の運動能力だけで避けていく。

「あれ? 今の避けるの?」
「あんなもの、簡単に避けられるよ」
「そっかー。そうじゃないとつまらないよね」
「そうだね。それじゃ、行くわよ」

 リュメルとメシャーナの魔法対決が始まり数分が経過した。

「はぁ、周りが石だらけ。それに地面の凹凸が酷い」

 メシャーナがどんどん石を飛ばしてくるので、それを避けて続けていたらステージが変わっていた。

「もー、避けるだけでなんで反撃してこないの?」
「はぁ、はぁ。する暇ないよ」

 メシャーナの土魔法は途切れることなく数分間ずっと続いていた。こっちから反撃する暇も無かった。

「はぁ、つまらなかったな。もう私の勝ちだし負けちゃえ」

 そう言って、リュメルの上に大きな石を落として来た。

(来た!)

 リュメルはそれを待っていた。
 メシャーナが慢心して油断するこの時を。

 それが落ちてくると同時にリュメルは魔力をおさて込んで気配を消した。

「気絶したかな? 魔力感知でも感じられないし」

 メシャーナが慢心して口笛を吹きながら踊っている。
 そして、リュメルは石の間を縫う様に走って行く。そして、メシャーナを捉えた。

「っ!?」

 リュメルがメシャーナを捉えたそのほんの少し後、メシャーナもリュメルを見つけた。だが、時既に遅し。地面から小さな竜巻が吹き上がった。

「きゃぁぁぁぁ!!!」
「そのまま、落ちなさい!!」

 そして、竜巻から落ちて、石の上に叩きつけられた。

「しょ、勝者!! リュメル選手!!!!! 『バトル・スリーアカデミー』!! 初等部6年の部!! 優勝はペンドラ王国王立学園リュメル選手です!!!!!」
「「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」

 そして、初等部6年の部はリュメルの優勝で幕を閉じた。

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