もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

食堂

 学園の案内は終わり、お昼。
 僕たちは、食堂に来ていた。

「ここの食事は美味しんですよ」
「へー」
「なんでも、王宮で食事を作った経験があるらしいんですよ。それも、5年間も」
「凄いね」
「でしょ? 国王様が食べてた食事をここでは楽しめるのよ」

 王宮で食事を作るのは、全ての料理人が目指しているものでもある。
 魔法使いが王宮勤めを目指すのと似ている。

「それで、何の料理を出してくれるの?」
「それが、結構庶民的な料理が多いんだよ」
「あーー、なるほどね」

 確かに、あの王様ならあり得るな。僕がいた時も、庶民的な料理が多かったな。食べ方は流石王様って感じだったけど。

「あそこで、券を買ってそれを料理人の人に渡すと作ってくれるよ」
「はーい」

 さてさて、何にするかな。唐揚げ、麺、パン、他にも色々あった。
 そこで、僕は……ずっと探し続けていた物が書かれていた。

「餅……巾着……だと……」
「え? どうしたの?」
「い、いや。なんでもない」
「餅巾着にするの?」
「いや、僕は唐揚げにしようかな」

 あった。この世界に油揚げがあった!!!

 そうだよね。豆腐もあったし、それを揚げるって考えを持ってる人いるよね。

「これで、ウミに……」
「これ下さい!」
「あいよ。じゃ、これ持っててね」

 番号札を貰って空いている席に着いた。

「ねぇ、なんか、避けられてない?」
「いつもの事だよ。ね、お姉ちゃん」
「うん。なんか、私たちには近づいちゃダメって、感じなんだよね」
「そうなんだ。あれかな、『高嶺の花束』って言われてるぐらいだから、ファンクラブとかあって、近づいちゃダメって決まってたりしてね」
「そんな事は……ない…………と……思いたい」

 イヤさんが、消え入る声で否定しようとしていた。出来ていなかったけど。

「お待たせ!!」

 ガラガラとカートを押して、料理を持って来てくれた。

 僕が唐揚げ定食。ミルさんがパスタ。メイさんとイヤさんが、パンを食べている。

「これ美味しい」
「一口あげるから、一個頂戴」
「え、嫌だよ」
「えー、ケチ! 頂戴よ」
「はぁ、しょうがないな。はい」
「ありがとう」

 メイさんが、それを食べると、美味しそうに食べている。それを見ると、あげてよかったなって思った。

「「じー」」
「え、まじ?」
「「じー」」
「……分かったよ。あげるよ」

 結局僕は6個あった唐揚げの内、半分をミルさん達に食べられてしまった。
 ただ、それを食べたミルさん達はとても可愛かった。
 交換したパスタもパンも美味しかったしね。

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