もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

 家に着いた僕は、ケダンさんを探していた。
 今日のあれは、ケダンさんが昨日近隣の人たちに喋っていて、その結果があれだったんだと思う。

「ケダンさんはいますか?」
「あら、おかえり。あの人ならまだ寝てるよ」
「そうですか。ありがとうございます」

 今日の漁はお休みみたいでそれはもう、ぐっすり寝ていた。
 説教は起きて来てからする事にした。

「ケダンさん!!」
「はい!!」

 それから1時間後。ケダンさんがお腹をかきながら起きて来た。

「ちょっと、ここに正座して下さい!!」
「は、はい!!」
「ケダンさん。貴方ですよね!? ポセイドンの捕縛をした英雄だとかなんとか言って広めたのは!?」
「え、あ、いや……それは……」
「どうなんですか!?!? ちゃんと答えて下さい!!」
「ひぃっ! は、はい。私がやりました」
「それで?」
「そ、それで!? あ……え、えと、ごめんなさい!!」

 その光景を見ていたメーデルさんは、なんとも呆れたような顔をしていた。
 9歳の子供に、大の大人が正座されながら怒られているんだから、とてもシュールだ。

「……はい。では、もう二度と人の噂とかを流さないって約束してくれますか?」
「は、はい。約束します」

 それから、ケダンさんは噂を流したり、話を大きくして話す事は無くなった。

 それから数日が経ち、ギルドに僕宛の手紙が届いていた。

「これをどうぞ」
「これは?」
「領主様からの手紙みたいですよ」
「ありがとうございます」

 そのギルドは、二階に談話室があり、個室になっているので、そこでその手紙を開けてみた。

「あぁ、出来たのか」
「ご主人、どうかしました?」
「この間。体のあっちこっちを測ってもらっただろ?」
「う、うむ」
「そして、出来たんだよ。水着が」
「水着?」
「そう。海と言ったらやっぱり水着で海でしょ!」

 カイガランスの街はこの国唯一の海に面している場所なのだ。なので、海水浴場はそれはもうすごい賑わいになっている。

「来たぞ!! 海!!」
「ご、ご主人。待たせたな!!」

 そこには、この中で唯一の人型のウミが立っていた。

「……出来ればもうちょっと恥じらいを持って欲しかった」

 その言葉にウミは、首をかしてげている。

 しかし、その海の姿はとても綺麗だった。ウミが着ているのは水色の大人っぽい水着で、直視は出来そうにない。

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