もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

これからの方針

 クロ達と喋られる様になったのは良いが、魔力がマッハで消えていく。
 1秒で10の魔力が消えていくのだ。今の魔力が1600なので、160秒で魔力が無くなるのだ。

「今からいくつか質問するからyesなら右手、noなら左手に手を乗せてくれ」
「分かった」
「分かったわ」
「うん!」
「それじゃ、通信のスキルを切るよ」
「にゃー」
「キュル!」
「ワフッ!」

 通信スキル、良いな!!

「この街にも慣れてきたけど、そろそろ別の街にも行きたいんだけど、良いかな?」

 両手を前に出すと、右手に手を乗せ体を乗せてきた。

「よし、次の質問は、契約獣が増えるのは良い?」

 またしても、右手に乗せてきた。

「分かった。それじゃ、旅の準備をして3日後にこの街を出るよ」

 それからの3日間は忙しかった。

 日々のお金を稼ぐ為に、薬草採取や簡単なクエストをこなし、それの帰りに旅に必要な調味料などを買い、旅に備えて準備を進める。

「クロ、モフラ、ルル。それじゃ、出発!!」

 新しい街に向かって出発した。

「なぁ、クロ。ここならフェンリルになっても大丈夫じゃないか?」

 僕がそう言うと、クロの体は大きくなりフェンリルに変化した。

「これでいいか?」
「うん。ありがとう。ねぇ、乗ってもいい?」
「……ああ、いいぞ」
「やった!」

 僕は大きくなったクロの背中に移動した。

「はぁ、気持ちいい。なぁ、モフラ、ルル」
「キュル〜」
「ワフー」

 僕たちは、森に入って少し広い場所で日向ぼっこをしていた。

「最高だ〜」
「ふぁ〜。我も少し眠いな」
「寝たら、魔物に襲われない?」
「安心しろ。フェンリルに、ましてや我にちょっかいをかける輩は居ないだろ。ま、少し心配だからな。我のスキルで払い除けておくぞ」
「ありがと〜。それじゃ、今日はここでお昼寝しようか」

 クロのお陰で魔物に怯えずにゆっくりと昼寝する事が出来た。

「ふぁ〜。んー、よく寝た」

 陽が傾き夕暮れ時に僕は起きた。周りを見るとまだみんな寝てるみたいだ。

「ほんと、こんないい世界に転生させてくれた、女神様には感謝しかないな」

 僕は、夕飯の準備をする為に、名残惜しくもクロの背中から降りて、準備を始めた。
 クロが起きたのは、もう夕飯が出来る時だった。

「起きたぞ。ご主人」
「おはよう、クロ。よく眠れたか?」
「あぁ、よく眠れたぞ。ご主人たちの温もりは良かったぞ」
「そうか。それは良かった。ご飯もう少しで出来るけど、どうする?」
「頂く。と、言いたいがこれでは今は無理だな」
「あはは。俺が食べされるよ」
「ありがたく、そうさせてもらう」

 クロは起きたが、モフラとルルは全く起きず、今でもクロの背中で可愛い寝息を立てていた。

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