螺旋階段

山田 みつき

12

話す言葉が見付からない。
一緒に階段を登った。


真冬「ちょっと待ってー。」

香澄「何?運動音痴?」

真冬「えー、別に普通じゃない?」

香澄「あはははは(笑)」

やっと屋上に辿り付いた時、空が青くて澄んでいた。
隣を見ると、その女はなんだか老け込んだ様に、忘却の彼方に旅行していた。

私は便乗して、手すりに捕まった。


香澄「…ねぇ。弟ってなんで不良してんの?」


彼女は私の問いに笑って溜息を吐いた。


真冬「解んない。いつも女とか連れ込んでるよ。」

香澄「あはは、解る~。ウチのも妹なのに、女とか連れ込んでる。」

真冬「え?妹、オトコなんじゃないー?(笑)」

香澄「かもね~。そんな事どーでもいいけど。」

真冬「うん、マジでどーでもいい。」

香澄「…早熟なんじゃない?あたしなんてさぁ…」


この女、絶対なんかある。
絶対なんかある。
ほら、ズケズケ聞いてくる。


真冬「え、何~?井川さんて、もう終わってんのかと思った(笑)」

香澄「何それぇ(笑)人の事外見で判断するなってー(笑)」

真冬「やだよね。ダルイ。」

香澄「本当、超めんどくさい。…って、あんたも良く言うよね(笑)」


暫く風にあたってた時、この女が何かを言い出すのを躊躇った。


香澄「ちょっとー!あんたはー?(笑)」

真冬「あんたじゃない。和田真冬だよ。」

香澄「面白いね。で、何か話すんでしょ?」

真冬「私もだよ(笑)」

香澄「うっそ?マジ?(笑)」

真冬「…うん、別に彼氏とか要らなくない?ってなー感じでー(笑)」

香澄「わー、ごめん(笑)あたしも(笑)で、なんかあったの?」


緊迫した。
ちょっと聞きたくなかった。


真冬「私さぁ。…多分、夜やると思う。」

香澄「は?マジ?オトコも知らないのにー?(笑)」

真冬「うるさーい(笑)」



ヤバイね。
おんなじ不安、抱えてたりして。

和田、あなどれない。

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