『異世界ニート』~転移したら幼い女神と旅をすることになった件について~
第十六話 上位魔法。そして声。
「完成です。」
    そういうとサフィアは型からゆっくり剣を外す。それと同時に剣はキィーン…と音を立てた。
「私が今まで作った中で一番いい出来映えです。」
    刃を光に当てながらそう言うと、剣を持ったままユウムとイズの方へ、スタスタと歩き、ユウムに剣を渡す。
「その剣にユウム様の魔力を流し込んでくださいです。」
「……魔力をながしこむ…?どうやってするんだ?」
「刃全体に意識を集中させるだけです。」
    サフィアに言われた通り刃に意識を集中させる。……だが何も変化が起こらない。
「やはり、ユウム様でも武器の覚醒はまだできないようです……。」
    刃先をじっと見ながらサフィアがそういう。
「サフィアちゃん!武器の覚醒ってなんなの?」
    ユウムが聞くより先にサフィアと同じく刃先をジーーっと見ていたイズが尋ねる。
「私たちヘイトス様の【魔法】を少しでも使える一級錬金術師が製作する武器には、“武器の覚醒”と言うものがあるです。覚醒すると、戦闘中、武器に自分の持つ【魔法】を融合し、より強力な【上位魔法】を使えるです。」
(【上位魔法】……強そうだな……)
「ただ、ユウム様は自身の魔力をうまく制御出来ていないので、【上位魔法】が使えないんだと思うです。」
「その【上位魔法】っていうのはなんだ?」
「【上位魔法】とは武器を通すことで魔力を最大強化し、その魔力量に応じて発動できる高難易度魔術のことです。」
  なるほどー……と、頷くユウム。そしてサフィアはまた作業に戻る。
「まぁ、時間が経てばユウム様もいずれ【上位魔法】を使えるようになるです。私は防具の製作をするのでお二人は外で休んでてくださいです。」
「お、俺たちは問題ないぞ!なー!イ…ズ……」
      イズは立ったまま爆睡していた。この暑さで寝れるとは、ものすごい適応能力だ。
    サフィアの言葉に甘え、俺は爆睡しているイズを抱えて工房を出た。
  サフィアの店の外に出ると優しい風に包まれた。
「涼しいー!!!」
    思わず声が漏れる。イズを店の向かい側にある木の下で仰向けに寝かす。外の空気の良さにイズも笑っているように見えた。ユウムもイズの横に寝そべり、両手を枕代わりにし、目を閉じて木漏れ日に当たる。
(なんだか凄く……平和だなー……)
 
   そんなことを思いながら、ユウムは夢の世界へと入っていくのであった。
『…ウ………す…て……。助けて!!!』
   謎の女性の声にユウムは慌てて飛び起きる。あたりはもう夕暮れだった。……周りを見渡すがイズがいない。
「おい!イズ!!どこに行ったんだ!!」
    突然のことに焦るユウム。もしイズが連れ去られたりしてたら……
「ユウムー!こっちこっち!!サフィーちゃんがすっごい夕食作ってくれてるよー!」
   相変わらずはしゃぐイズを見て肩を落としてとても安心する。
「本当によかった……ならさっきの声は一体……ただの悪い夢か?…」
   そんなことを考えながら香ばしい香りとイズの声がする光の灯った店へと向かうのであった。
    
    そういうとサフィアは型からゆっくり剣を外す。それと同時に剣はキィーン…と音を立てた。
「私が今まで作った中で一番いい出来映えです。」
    刃を光に当てながらそう言うと、剣を持ったままユウムとイズの方へ、スタスタと歩き、ユウムに剣を渡す。
「その剣にユウム様の魔力を流し込んでくださいです。」
「……魔力をながしこむ…?どうやってするんだ?」
「刃全体に意識を集中させるだけです。」
    サフィアに言われた通り刃に意識を集中させる。……だが何も変化が起こらない。
「やはり、ユウム様でも武器の覚醒はまだできないようです……。」
    刃先をじっと見ながらサフィアがそういう。
「サフィアちゃん!武器の覚醒ってなんなの?」
    ユウムが聞くより先にサフィアと同じく刃先をジーーっと見ていたイズが尋ねる。
「私たちヘイトス様の【魔法】を少しでも使える一級錬金術師が製作する武器には、“武器の覚醒”と言うものがあるです。覚醒すると、戦闘中、武器に自分の持つ【魔法】を融合し、より強力な【上位魔法】を使えるです。」
(【上位魔法】……強そうだな……)
「ただ、ユウム様は自身の魔力をうまく制御出来ていないので、【上位魔法】が使えないんだと思うです。」
「その【上位魔法】っていうのはなんだ?」
「【上位魔法】とは武器を通すことで魔力を最大強化し、その魔力量に応じて発動できる高難易度魔術のことです。」
  なるほどー……と、頷くユウム。そしてサフィアはまた作業に戻る。
「まぁ、時間が経てばユウム様もいずれ【上位魔法】を使えるようになるです。私は防具の製作をするのでお二人は外で休んでてくださいです。」
「お、俺たちは問題ないぞ!なー!イ…ズ……」
      イズは立ったまま爆睡していた。この暑さで寝れるとは、ものすごい適応能力だ。
    サフィアの言葉に甘え、俺は爆睡しているイズを抱えて工房を出た。
  サフィアの店の外に出ると優しい風に包まれた。
「涼しいー!!!」
    思わず声が漏れる。イズを店の向かい側にある木の下で仰向けに寝かす。外の空気の良さにイズも笑っているように見えた。ユウムもイズの横に寝そべり、両手を枕代わりにし、目を閉じて木漏れ日に当たる。
(なんだか凄く……平和だなー……)
 
   そんなことを思いながら、ユウムは夢の世界へと入っていくのであった。
『…ウ………す…て……。助けて!!!』
   謎の女性の声にユウムは慌てて飛び起きる。あたりはもう夕暮れだった。……周りを見渡すがイズがいない。
「おい!イズ!!どこに行ったんだ!!」
    突然のことに焦るユウム。もしイズが連れ去られたりしてたら……
「ユウムー!こっちこっち!!サフィーちゃんがすっごい夕食作ってくれてるよー!」
   相変わらずはしゃぐイズを見て肩を落としてとても安心する。
「本当によかった……ならさっきの声は一体……ただの悪い夢か?…」
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