『異世界ニート』~転移したら幼い女神と旅をすることになった件について~

小町 レン

第九話 風神。そしてドラセナ。



アカデメイアの件から数時間後  

あれから、イズの空間ゲートをまた潜り、白い。そして広い空間に来た。それにしても広すぎる。どこまで続いてるのかわからない。そもそもこの空間に終わりってあるのか?

「お、おい、イズ…ここどこだ?」


「【創造空間アネシス】だよ!おそらく、私たちが契約したことが、【世界掲示板ワールド・ボード】に貼られたはず、私ってあまり好かれている訳じゃないから、今外に出ると襲われるかもしれない」

なんて物騒な世界なんだ…気に食わなければプレイヤーキルも良いときたか…

「それに、ユウムも今のままではへろへろのペラペラでしょ?だーかーらっ、【魔法トリガー】を発動させられるようになるまで創造空間ここで特訓してもらいまーす!!」

すごく馬鹿にしてたよな前半。まぁでも確かに、イズと契約したのはいいけど、全くもって使い方がわからん。なんだ、詠唱みたいなことするのか?

そんなことを考えていると少し先で突然イズと同じ空間ゲートが開いた。

『久しぶりだな、イズ』

「カルデアーー!会いたかったよ!!アグネスも随分と大きくなったね!前会った時はまだ十歳くらいだったもんねー」

「…イズモ様……またお会いできて光栄です。」

「言葉遣いも昔と全然違う!前まで『イズちゃん!一緒にあそぼ!』って言ってたのにね!」

「や、やめてください!あの頃はまだ世界を知らなさすぎただけです!」

な、、…突然ゲートが出現したかと思えば美女が二人入ってきて、敵かと思ったのにイズとすごく仲がいい?どうなってるんだ?


「……おっ、少年がイズの【契約者フィリア】か。私の名はカルデア。よろしくな。」

「よろしくお願いします。僕の中はユウムです。」

待て、、カルデア……どっかで聞いたこと…………!?


「ま、まさか【風を司る神】様ですか!?」

「うむ、もうイズから聞いていたか、いかにも、私が【風神】だ。隣にいるこいつは、私の【契約者フィリア】、アグネス・ティターナだ。」

「よろしく。」

な、、すごく無愛想…怖えーーーーー……


「………そういえば、お二人はどうやって【創造空間アネシス】に入れたんですか?イズの作るゲートって、能力適合者でないと通れないんじゃ……」


「カルデアにはね、私が作った【異空間結晶】を渡してるの!この結晶があれば、所持している人、それが神であれば【契約者フィリア】も、私が許可した創造空間を出入りできるって事!」


なるほど、それで二人がこの空間に入れた訳だ。

「イズから君のレベルアップを手伝って欲しいと頼まれてここにきたんだ。ロキのところも怪しい動きを始めたらしい。できるだけ早く力を付けねば死ぬぞ」

「うん…だから早速始めるよ!じゃあまず【魔法トリガー】について。【魔法トリガー】は上位呪文でなければ大抵無詠唱で放てる。」

「そうとは限らないがな。無詠唱にはセンスがいる。アグネスも最初の頃は『風よ!』とかいっt」

「やめてください!!!!」

随分なイジられキャラだな、アグネスさん…

「で!無詠唱のコツは、『イメージすること!』」

「イメージ…」

とりあえず目を瞑ってイメージしてみるか。まず、前世住ごしてた俺のヲタク部屋を思い浮かべて【創造空間アネシス】に設定する。次にそこへと繋げるゲートが必要だな。イズのゲートは毎回“空気に亀裂を生み出してそれを拡張していく感覚”だ、それをそのまま使えば……!!

ユウムが手を前にかざす、右手に刻まれた紋章が光り、目の前に空間ゲートが発生した。

「で、、できた…!!」

「ユウム!すごい!!一発じゃん!!!」

「ま……まさか一度で成功させてしまうとは…」

「カルデア様、そんな事あり得るのですか…!」

「あり得ない訳ではない。私がこの世界に降りて二度見た。一人はユウム。そしてあと一人は…



ドラセナ。この世で最も【天辺ウスト】に近いものだ。」

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