転生した世界の相棒は拳銃だった!?
story…No.006
ふむ、こちらでの寝起きの感覚というのはこういうものなのか。
睡眠欲も無いので寝ても安らぎを得る事は出来ず、寝起きは気持ち悪くもない。
…よって、寝ることはメリットもデメリットも無いと判断し、止めることにした。
2日目、
1日目はお偉いさんへの色々な説明とかあって、
この街を散策出来なかったので、することにした。
魔法も、設備も、政治も、大体知った。
3日目、
魔法をひたすら習った。
と言っても、ゲームとかに出てくる戦闘魔法ではなく、日常生活で使用する魔法だ。
普通、子供の頃から練習して段々と出来るようになっていくらしいが、私はものの30分で完全にマスターした。
4日目、
朝。
…
…
…
なんかいる。
私は睡眠のメリットを何とか見つけ出し、
(思考を停止させて精神回復を狙った。何故かって?連日新しい事ばっかりで精神的に疲労したからだ。)
久々にベッドで寝ていた。
そして朝。
なんかいる…
私のベッドの毛布の中に何かがいる。
枕元に置いていたコルトSAAが消えていた。
おかげで私は静かにパニック状態。
数分間停止している。
武装が無い私はとても非力である。
すると何かが動き始めた。
毛布の中から出ていく。
そしてベッドから出た。
「おはよう御座います。マスター。」
…
…
…
…は?
銀髪で軍服を着た少女が立っていた。
今何と?
マスター?
私を?
いやでもこの宿には私以外泊まっていないし、
宿の主人も独りで子供も孫も居なかったはず…
その少女は何もせず、ただ立っている。
まるで命令を待っているかのように…
私が案の定パニック状態になり、黙っていると、
「…自己紹介が遅れ、申し訳ございません。
私は、コルト.シングル.アクション.アーミーピースメーカーと申します。
マスターのお役に立てるよう、微力を尽くします。」
…思考停止。
それから思考停止した私は2時間程固まっていた。
意識が戻って夢だと信じたかったが、
普通にいた。
「…あーっと…」
「何でしょうか、マスター。」
…落ち着け私。
「君はコルトSAAなんだね?私の?」
「はい。そしてマスターの従者であります。」
…未だ信じられないが(寧ろ信じたくないが)
コイツは私のコルトSAAらしい。
いわゆる擬人化ってやつだろうが、現実で起きるとは聞いてない。
それから説明をするように頼み、
彼女(?)の状態、性質も大体理解した。
「という訳で…なかなか見せにくくなってしまったのですよ。」
「なるほど…でもその銃はどこに行ったんだ?
彼女が銃だとして、困らないのか?」
「…一応見せることはできますよ。ですがね…」
「…」
「…一応、銃は彼女自身です。」
「うむ。」
「つまりは銃身も彼女という訳です。」
「…ッ!」
「御理解頂けたでしょうか?」
「うむ、そうだな。」
謎の理解をし合い、なんとか銃の仕組みを解らせずに済んだ。
ただ問題は…
「マスターのご命令とあらb…」
「いや大丈夫!やんなくていいから!
ですよねジューヴ!?」
「あ、あぁ!私も常識知らずだった!
人の装備を見るなんて!!
今回は申し訳なかった!」
「…」
そう、コイツは私に対する忠誠以外何も無いらしいのだ。
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