転生した俺はポンコツ女神と迷宮の防衛?をすることになったようです。~転生のダンマス!~
ダンジョン終了のお知らせ
「過労ですねぇ。それに……」
ロメオが横になっているヒカルを覗き込んで言った。一行はサンアデステラ教会へと戻って来ていた。
「まるで……たび重なる身体的疲労の後に灼熱の炎を何回も浴び、強い揺さぶりの後に超ド級の衝撃を何度も受けたかのような状態です。何か心当たりは?」
「あは、あはははは……べ、別にぃ〜な、ないよねぇ〜」
ディアーナはフィオリナとエレナに同意を求めると、
「はて? そうですねぇ〜わたくしは心当たりはないですねぇ」
フィオリナはしばし考えたあと答えた。
「アンタらデスデスよ。ワタシの従者ヒカル氏をこき使うからデス」
「エレナ! そんなこと言ったらアンタだってでしょ!」
「ふむぅ~」
ロメオは目覚めないヒカルのまぶたを開けたり閉じたりしていた。
「それで? ヒカル氏の余命は? あとどれくらいなのデスか?」
エレナはヒカルが抱えたままの死魂剣を物欲しそうに見つめながら尋ねた。
「エ、エレナ。よ、余命だなんて大げさな〜」
「ふむう〜余命ですか……そうですねえ〜」
ロメオはヒカルのまぶたをこじ開けたまま考え込んだ。
「ちょ、ちょっとロメオ! アンタまでふざけないでよね! ダンジョンの外で死んだら、ホントに死んじゃうじゃない! デュランの一件の調査だかなんだかでダンジョンは閉鎖されちゃったし!」
そう……デュラン撃退後、ヒカルが倒れたとき、黄金の光がフロア中に満ち、声がした。
――これより、神の審判を下す。すべてのダンジョンマスター、冒険者は直ちに永久迷宮の外へ出よ
と
「うっひゃ~神キター、ヤバイヤバイ、早く逃げよう」
「えっと……女神……ディアーナ様……逃げるので?」
「そうよそうよ、ヒカルを連れて脱出よ! 神に見つかったら……」
ディアーナは非常口を開くとヒカルを抱えてすぐに飛び出した。仕方がなく、その場に居た者はこれについてダンジョンを出た。すると、しばらくしてダンジョンの外の壁という壁、扉という扉に瞬く間に張り紙が貼られていった。
――ダンジョン改装中 侵入を禁ずる (神)――
と……
その後、目を覚まさぬヒカルを運び込んだのが教会だったのだ。
「ふむぅ余命ですかぁ~、難しいですねぇ〜事故で死亡……しなければ……あと90年、というところでしょうか」
「へ?」
「いや、ヒカルさんの余命です」
「90年って! 逆に長生きじゃないの!」
「ですねぇ。ヒカルさんは健康体ですよ。単に疲労が溜まっているだけです」
「ったくロメオ、真面目な顔でフザケないでよね~」
「女神ディアーナ! 過労をなめてはいけません! 事故死、コレを巻き起こすのが過労なのですから!」
「な、なるほど……しかし……どうすればいいってのよ。肩でも揉めばいいっての?」
「しばし休むことです」
「そっかぁ〜そうだねえ」
目を覚ましたヒカルは女神に連れられ教会を出ていった。そのの姿を教皇の間から見送る影があった。
「あれで良かったのでしょうか、教皇様」
「ええ。問題ありませんよ司祭ロメオ」
教皇とロメオだ。
「ハハー! し、しかし、嘘は神の教えに反しますので……」
「嘘? そんなことはありませんよ。とりあえず、あとのことをよろしくお願いします」
「ハッ!」
そして二人のうち一人の姿が消えた。
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