転生した俺はポンコツ女神と迷宮の防衛?をすることになったようです。~転生のダンマス!~

トキノトキオ

ヒカルの華麗なる計画


「へ? アンタ何してるの?」

 亜スライムを前にして、ヒカルはおもむろに持っていた袋に手を突っ込むとハナモグラを取り出した。

「いち、に〜、さん」

 ヒカルは、捕まえていたハナモグラを袋から取り出すとスライムに向かって投げ入れていたのだ。ハナモグラは次々とスライムの中に取り込まれていった。

「いやだからヒカル! 何してんのよ!」
「何って、見りゃー分かんだろ………はい、12っと〜」」
「いや、分かんないわよ。分かんないから聞いてるんじゃないの」
「じゃ、黙って見てろ。おーいエレナ〜聞こえるか?」
「あ、ハイ。聞こえますデス。ちょっと下着の方まで溶け始めたのと、ハナモグラたちが服の中に侵入してきたので、早めに救い出して欲しいのデス」
「ふむ。もう少し待つか……」
「いやそこは急げよ! デス」
「しゃーねーなあー。よく聞けよエレナ! 今、12匹のハナモグラを投げ込んだ。そこでお前のスキル、滅死消去デリートをぶっ放せ」
「えっと……分かるようにお願いしますデス」
「だから! ハナモグラには悪いが犠牲になってもらう。そいつらと、その亜スライムを指定して滅死消去デリートしろって話だよ。それで13匹になるのだろ?」
「な、なるほど。さすがは我が下僕のヒカル氏! あくどいデスな! ずる賢いデスな!」
「お褒めの言葉はいーいから。できんだろ?」
「もちろんデス。やるデス。このヌメヌメをぶっ飛ばしてヤルデス!」

 ――いざ、滅死消去デリート

 エレナが呪文を唱えると、亜スライムは飛散して消えた。

 ――ドサッ ドサッ プニょん

 そして二人プラス青い球状の何かが落ちた。

「す、すまぬ。助かったゾ」
「も、もっと早く助けるデス!」
「ぷにぃ〜」

 それはほとんど裸状態のエルフとエレナとスライムだった。

「やー、どーもどーも、俺はヒカル。睦月ヒカルと申します」
「あ、ああ」
「ふむふむ、これはこれは見事な……E! ですかな?」
「な、なんのことだ?」

 ――パコンッ

「こらヒカル! なに初対面の裸同然のレディのカラダをジロジロと見て、イヤらしい質問してんのよ」
「いや、モノゴトをハッキリとさせたい性分なだけだよ」
「ゴメンなさいね。コイツ、根はエロくて、スケベでどーしょうもないヤツだけど、ただ単に巨乳好きなだけなんで」
「おいディアーナ! フォローになってないぞ?」
「してないもん」
「なにを! 運命共同体なんじゃ……」
「で? あなた、アレキシスパーティーのアリアさん?」

 ディアーナはヒカルの口をふさいで質問を続けた。

「あ、ああ。そうだが?」
「ふぅー、良かった。一人は確保ね」
「うむ。だが本物かどうか分からんから、立ってクルッと回ってもらおうか。あと、跳ねたり、足を開いてみたりしてー」

 ――バコンッ

「コイツの言うことは無視していーけど。もう一人、テトとかいう子は? ドコ?」
「そんなコトまで知っているのか……」

 アリアは立ち上がってターンを決めたあと、腰に手をあて、ポーズを決めていた。

「わーヤバイ! 超カッコイイお姉さま! こ、腰のクビレがまた!」
「ヒカルは黙ってなさい!」
「ハイ~~~~」
「テトは……」

 アリアは周りを見回すと視線を下げ指さして言った。

「それだ」

 アリアの指の先にあるのは……先ほどのスライムだった。

「な、なるほど! コイツか! 転生したら捕食者だった件のスライムっていうのは!」
「や、それは違うし。ヒカル、メンドイからそ~いうの持ち出さないでくれる? しかし、なんで亜スライムからスライムが出てきたのかしら?」
「スライムのテト氏に呪種が取り付いて亜スライム化していたのデス! その呪種を取り除いたのでテト氏が開放されたのかと思うのデス」
「お、おお~俺様の計算通りだな」
「いや、計算なんてしてないでしょアンタ。アンタのせいでテト殺されるとこだったでしょ」
「そーいう決めつけはよくないぞ? ディアーナ。 ね? アリアさんもそう思うでしょ?」
「ふむ。なにを言っているのか分からんが、事情を知っているのなら早い。早くテトを、そのスライムを連れて逃げろ」

 アリアは四つん這いになって何かを探しながら喋り続けた。

「スグにヤツが、デュランが来るだろう。だから逃げるのだ」
「ほうほう〜スタイルも抜群ですなぁ〜」

 ヒカルはアリアの後ろを同じように四つん這いになって、追いかけていた。

「おい小僧! さっきから何をしているのだ!」
「アリアさんの下半身の流線の流れが、右へ左へくねるのを観察しておりました」
「そのことにどーいう意味があるんだ?」
「いやほら、ほんとにアリアさんかどうか分かりませんのでーよーく観察をしていたまでです。決してよこしまな、怪しい、いやらしい、目的ではないってことだけは確かなことです」
「ハイハーイ、つまらないお喋りはそのへんにして〜スライムがテトってことでOKなの?」
「そうだ」
「そっか。良かった。じゃーみんな逃げましょう」
「だから! そんな簡単な話ではないのだ!」

 アリアは拾い集めた矢を弓につがえるとダンジョンの奥に狙いをつけた。

「ほほう〜これはこれは珍しいお客さんがやって来たものだな」

 すると、ダンジョンの奥、暗い闇の向こうから男が現れた。

「デュラン! 貴様!」

 それこそが35階層のダンマス――デュランだった。



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