転生した俺はポンコツ女神と迷宮の防衛?をすることになったようです。~転生のダンマス!~

トキノトキオ

女神のお仕事


「そーいやあ今日の昼はオマエら何してたんだ?」

 安息日の夜、女神達と合流したヒカルは不思議に思っていた。3人ともなんだかいつもと違う、正装のような服を着ていたからだ。

「んー、仕事……かな?」
「へ? 安息日はみんな休みなんだろ?」
「そりゃー下界サイドの話でしょ」
「ん?」
「降臨した女神には、祝福を与える、というオシゴトがあるのデス」
「へ? マジで女神だったの? フィオリナたん以外も」
「だからそ~言ってんでしょーが!」
「なるほど……で? ドコに行ってたんだよ」
「教会に決まってんでしょーが」
「あーあ。なるほどなるほど。それでそんな馬子にも衣装的な服着てんのか」
「うっさいわね」
「そーデス、うるさいのデス。この服は嫌いなのデス」

 そういえばエレナにしても、いつもの真っ黒い衣装ではなく明るい色の服を着ていた。

「で? 教会で何やるんだ?」
「そりゃーもーいろいろよ。祝福を与えたり、懺悔を聞いたり」
「へえ〜」
「そ~言えばさ、来たのよアイツ。ボーマン」
「マジ?」
「マジマジ、超マジよ。で、なに言ってきたと思う? どーすれば女にモテるでしょうか? ですって! ヒィーッひっひっひっひっひ~」
「いや、それはイイだろ別に」
「いやいやあ~危うく、鏡は無いの? 己を知りなさい! って言うところだったわよ。だけど私も女神だからね。そこはグッとこらえてありがたい言葉を与えたし」
「嘘くせーな」
「嘘じゃないわよ。ちゃんと、汝がモテるためにはスバリ、転生することである。って言ったし」
「ディアーナ、オマエ、ひどい女神だな」
「え? そーう? じゃあさ、なんて言えば良かったわけ? 自信を持て! 汝の魅力がわかる者がきっと現れるであろう。とか、嘘を言って希望のない未来を信じさせるべきだったての? それこそむごいでしょ」
「ま、まあそうだが……」
「と、いうよりも……ディアーナさん。あの……その……懺悔の内容を口外しては……」
「あっ! 違う違う、ボーマンみたいなのが来たら面白いのになあ〜って話よ。あはははは、ははは」

 何があっても懺悔には行かねー、そう心に決めたヒカルだった。

「まー、フィオリナっちは、聖水の配布会とか盛り上がってたわね」
「な、なんですと!」
「ね、バカか? ってのよ。握手会とか」
「あわわわわ。マ、マジか?」
「ねーアホーよねー。マジ天使! とか言ったりして。女神だっつーの」
「な、なんで俺を呼ばない! お、俺のフィオリナたんが! けがされた!!!」

 ヒカルの貧弱な頭に浮かんだ光景は、売れない地下アイドルの握手会の風景だった。キモヲタどもが列をなし、トイレ後に洗ってない手でフィオリナの手をベタベタと触った! と思ったのだ。

「ス、スミマセン。ヒ、ヒカルさんの……許可も得ず……司祭様が、信者のために……どーしてもと、おっしゃいましたもので」
「いやいやいや、フィオリナたんは悪くない! ちっきしょー司祭め! 許さんぞ! 会ったらとっちめてやるぜ!」
「あら、前に会ってるわよ」
「へ?」
「ほら、勇者パーティーにいたプリースト」
「あ、あの野郎か。外見だけでなく内面もイケメンのような恵まれたヤツに、ま、負けるワケにはいかんぜ!」
「勝てないっしょ。彼、強いわよ。2桁台のスキル持ちだし」
「あっ」

 そのときヒカルは思い出した。重要なことを。

「どーしたのよ。ハトが豆鉄砲食らったみたいな顔して。正装姿の私に惚れたとか? 惚れ直したとか? 嫁にしたい女神ナンバーワンに登りつめたとか?」
「ちげーよ、ちげーし! スキルだよ! スキル!」
「スキルがどーしたのよ」
「聞いたぜ! 俺だってスキル開放できんだろ?」
「あ……忘れてた」
「え? マジデスか?」

 ディアーナがまさにハトが豆鉄砲食らったような顔をすると、エレナは呆れたような顔をした。
 エレナによれば、ダンジョンの営業時間とか、そういったあたりの説明は一人目の女神がすることになっていたらしい。女神の補佐がある、無いに関わらず必ず行われる説明をディアーナは一切してなかったのだ。

「なるほど、それでヒカル氏あれほどまでに弱かったのデスね。とんだポンコツのダンマスについてしまったと、フィオリナ氏も嘆いていましたが」
「え!」
「いえいえいえいえ、わ、わたくしは、決してそのようなことは言っておりません!」
「ああ、フィオリナたん。分かってるぜ! 俺の女神様だからな!」
「ハイ! ただ、なんでヒカルさんは、あんなにすぐに死んでしまうのでしょう? あんなに弱いダンジョンマスターは見たことがありません。そ~言っただけですからぁあ~」
「うっ……うわぁぁあああああ」
「コラ! ダメじゃないフィオリナっち。フィオリナっちのディスりパワーの破壊力はすざましいんだから、ヒカルが燃え尽きた灰のカスのようになってるじゃない」
「す、す、す、す、すみません!」
「いや、やっぱフィオリナたんは悪くない。悪いのはディアーナ! お前だ!」
「あは、あはははは、やっぱしそーなる?」
「そーだ、そーだ! で? どーすりゃいいんだ?」
「なにが? ヒカル、あんたもモテたいの?」
「ちげーよ! スキルだろーが、スキルの開放はどーすりゃいいーってんだよ!」
「ああーそれね。教会でやってもらうのよ」
「教会で? 誰に?」
「司祭様ね」
「ぐっ アイツか、俺の永遠のライバル、プリーストの野郎に頼まないとなのか」
「そね。ライバル関係とか、全く成立してないけどね」

 ヒカルは少し悩んだ。けっしてプリーストのことが嫌いなのではない。しかし、プリーストのことを思うたびに、フィオリナを汚した光景が頭に浮かんでしまって、それが嫌だったのだ。
 
「ほ、他に教会はないのか? スキル開放できるような」
「あるわよ」
「なんだよー、だったら他をあたろうぜ」
「あるけど、他は、邪教、異教、悪魔教、死神崇拝教とかだけど……いいの?」
「ダ、ダメじゃん、そーいうの他に選択肢があるって言わないじゃん!」
「ワ、ワタシは悪魔教とか、死神崇拝教とか行ってもいいデスけどね!」
「ちっ」

 こうしてヒカルは女神たちを引き連れて、教会に向かうことにした。




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