勇者にとって冒険の書は呪いのアイテムです

ハイイロチョッキリ

⑬こだいへいき(1)

ゴーレムが現れた!

「おいおいおいおい、なんだよ、これは」

ユージーンがゴーレムを見上げる。

「古代兵器ゴーレム…本では読んだことがありますけど、これは本当にシャレになりません。対竜族兵器ですよ」

「ドラゴンを倒すことを想定した兵器?それはヤバそうな響きね」

ゴーレムがリエルの方を向き、頭部につけられた目が赤く光る。

「ちょっと…なんかヤバいかも」

ゴーレムは腕のパーツの一部を開き、そこから剣の柄を引き抜く。

剣の柄を握ると水色の光を放つ刃が伸び、剣の形状を取る。

モーターの駆動音と共に剣を振り、背部から爆炎をあげてリエルへ襲いかかる。

「リエル!」

ユージーンがリエルとの間に入り、猛毒の盾を構える。

しかし、まるで溶けて柔らかくなったバターのように抵抗を感じさせずに猛毒の盾が斬り裂かれる。

ユージーンは魔鉄の鎧によってダメージを軽減するが、盾ごと左腕を斬り飛ばされた。

「ぐああ!」

「ユージーン!」

リエルがユージーンに駆け寄る。

「バカ!来るなっ」

ゴーレムがリエルを見るや、2撃目を繰り出す。

『雷歩』

セツリが横から雷をまとって高速で接近。

ゴーレムの腕へ水切りの剣で斬りかかった。

ゴーレムの軌道をずらし、ユージーンとリエルを守る。

しかし、ゴーレムの装甲には傷1つない。

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