勇者にとって冒険の書は呪いのアイテムです
⑩かいていとし(8)
新たに加わった頼もしい仲間達と共にセツリは海魔ヒルテデスの住処を目指し、海底都市を出発した。
途中、魔物との戦闘を繰り返し、水中戦での立ち回りやリエルとベックとの連携の確認を行う。
冒険の書を見た2人と相談し、雷系の特技、魔法は味方にも大ダメージを与えるため、使用しないこととした。
ミリと違い、まだセツリには敵味方を識別して魔法を発動させることは難しい。
リエルもそんな魔法は見たことがないと言っていた。
改めてミリの偉大さを思い知る。
水中での戦闘は地上よりも空間を正確に把握する能力を求められる。
特に魔法は座標の読みを間違えると簡単に回避されてしまう。
雷系の魔法の使用を禁止しているセツリの魔法は事実上、精霊加護の「アリエス」のみとなり、魔法の性質上、座標の読み間違えのリスクはほとんどない。
しかし、リエルの「ウォルタ」は圧縮された水を高速で発射する。ざっくり言えば物凄く早くて威力の高い、水の中でも威力を発揮する水鉄砲だ。
流石人魚というべきか、空間認知の能力に優れており、どんな角度からも確実に魔法を当てる。
またベックの防御力は目を見張るものがあり、「挑発」によって敵の攻撃を引きつけ、大半を無傷でしのいでしまう。
おかげでセツリは水中での剣の使い方を学ぶことに専念できた。
「うん、大分動けるようになってきたね!」
リエルがセツリの成長を素直に喜ぶ。
しかし、セツリとしては雷系の特技や魔法が使えないので派手な攻撃ができず、リエルやベックに良いところが見せられないのでむくれていた。
「はっはっはっ!そう落ち込むなよ、ブラザー。どんな攻撃でも俺が守ってやるさ」
セツリは頬を膨らませていじける。
力が欲しい。水中戦で活躍できる力が…。
セツリもリエルに良いところを見せたい。
美人に良いところを!
そんなセツリの強い想いがあったが、海魔ヒルテデス討伐の旅は順調に進み、ヒルテデスの居城である海底洞窟に一行はたどり着いたのであった。
途中、魔物との戦闘を繰り返し、水中戦での立ち回りやリエルとベックとの連携の確認を行う。
冒険の書を見た2人と相談し、雷系の特技、魔法は味方にも大ダメージを与えるため、使用しないこととした。
ミリと違い、まだセツリには敵味方を識別して魔法を発動させることは難しい。
リエルもそんな魔法は見たことがないと言っていた。
改めてミリの偉大さを思い知る。
水中での戦闘は地上よりも空間を正確に把握する能力を求められる。
特に魔法は座標の読みを間違えると簡単に回避されてしまう。
雷系の魔法の使用を禁止しているセツリの魔法は事実上、精霊加護の「アリエス」のみとなり、魔法の性質上、座標の読み間違えのリスクはほとんどない。
しかし、リエルの「ウォルタ」は圧縮された水を高速で発射する。ざっくり言えば物凄く早くて威力の高い、水の中でも威力を発揮する水鉄砲だ。
流石人魚というべきか、空間認知の能力に優れており、どんな角度からも確実に魔法を当てる。
またベックの防御力は目を見張るものがあり、「挑発」によって敵の攻撃を引きつけ、大半を無傷でしのいでしまう。
おかげでセツリは水中での剣の使い方を学ぶことに専念できた。
「うん、大分動けるようになってきたね!」
リエルがセツリの成長を素直に喜ぶ。
しかし、セツリとしては雷系の特技や魔法が使えないので派手な攻撃ができず、リエルやベックに良いところが見せられないのでむくれていた。
「はっはっはっ!そう落ち込むなよ、ブラザー。どんな攻撃でも俺が守ってやるさ」
セツリは頬を膨らませていじける。
力が欲しい。水中戦で活躍できる力が…。
セツリもリエルに良いところを見せたい。
美人に良いところを!
そんなセツリの強い想いがあったが、海魔ヒルテデス討伐の旅は順調に進み、ヒルテデスの居城である海底洞窟に一行はたどり着いたのであった。
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