攻略対象たちが悪役令嬢の私を熱く見つめてきます!

夜明けのワルツ

他のドレスに着替えるんだ





燕尾服姿のエドアルドは格好いい。


理紗は素直にそう思った。


すらりとした長身に少し広めの肩幅。ピンと張った胸のラインが誇り高さと威厳を醸し出している。
背筋がのび姿勢がよく、腰の位置も高い。足もすばらしく長い。
全体的に優美でとてもセクシーだと。


だが理紗が歩み寄るにつれ、その顔がみるみるしかめられていく。


「なんて格好をしてるんだきみは」


ん?


「…どこかおかしい?」


自分を見下ろしながら理紗が問う。


身に纏っているのは深紅の総レースのロングドレスだった。
結婚式のお色直しで着るような、上半身はぴったりタイトで腰から下はパニエでボリュームをもたせた豪華なものだった。


「胸のラインを強調しすぎているし腰も絞りすぎだ。人目を引きすぎる」


「………」


「他のドレスに着替えてくるんだ」


頭ごなしの命令に、はあ? と理紗はカチンときた。
なんともまあ簡単に言ってくれるじゃないの。


「……舞踏会のドレスコードに合わない?」


「そういうことじゃない」


「じゃ、どういうことよ」


ドレスと揃いの生地で仕立てられたケープをエドアルドに突き付け、挑むように見つめる。
もう出発する時間なのだ。
ここでグダグダ言い合うつもりも着替えるつもりも理紗にはない。


「…………」


受け取ったケープを広げ理紗の肩に羽織らせながら、エドアルドは不機嫌に口を引き結んだ。





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