攻略対象たちが悪役令嬢の私を熱く見つめてきます!

夜明けのワルツ

舞踏会の準備





帰宅した理紗を待っていたのは、荒ぶる牡牛のようなドロレスだった。


「なぜこんなに帰宅が遅れたんですっ? さぁさぁ急いで仕度しますよお嬢様!」


ぐいぐい背中を押されメアリローズ専用のバスルームに追いたてられた。
体を洗うのを手伝おうと一緒に入ってこようとするドロレスとしばし揉み合いになり、結局理紗は気力体力ともに充実したこの専属侍女に押しきられてしまった。


からだのすみずみまで磨きあげられ念入りにボディクリームをすりこまれる。
手足の爪の手入れをされ、それから鏡台の前に座らされると今度はヘアメイクを完璧に施された。
すべての動きに無駄がなく、素早くかつ丁寧だった。
もはやドロレスの女子力の高さには脱帽するばかりである。


「さぁいきますよっ。息を吐いて~、吐いて~、ストップ!」


「……、……、っ!」


ぎゅうううと渾身の力を込めてドロレスがコルセットの紐を締め上げる。
成人式の振り袖を着たとき以上の圧迫感に、思わずこみあげる笑いにからだが震えた。すかさず背後から鋭い叱責が飛ぶ。


「お嬢様っ! 真剣に! さぁもう一度やり直しますよっ」


なんとかコルセットを装着し、用意されていたドレスに身を包むと。


迎えが到着したと告げられた。


玄関ホールに続く長い螺旋階段を降りていくと、そこには燕尾服に身を包んだエドアルドが待っていた。





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