受験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の成果を見せつける-
計画
「実力を見せるって言ってもなぁ」
アンみたいに大きな魔法を使えるわけでもない。
技量で勝負しているタイプなので理解されなければ意味がない。
やりようがないんだけどな。
「ほら、全属性でいいんじゃないですか?」
「……あぁ!」
確かに。
一般的に全属性、いわゆる火・水・風・土・光魔法の5属性を満遍なく使えるのは珍しい。
氷魔法や闇魔法、回復魔法などはこれらの魔法を組み合わせたりなどして応用したものとなるので属性魔法に数えられない。
「じゃあ、ちょっとだけな。ほい」
手の周りに5属性の魔法で出来た球を作り出す。
火・水・土・光魔法は実体があるか、光っているのでわかりやすいが風魔法には色がついていないので少々ややこしい。
「風魔法はこうした方がいいか」
F級(クラス)の教室に風魔法を通し、そよ風程度の風を起こす。
「これが基本的な5属性の魔法だな。みんなも聞いたことがあると思うが、一般的にこの5属性のいずれかに全ての人はそれぞれ適性があると言われている」
あくまで、一般的にだが。
ライヤはこの説を否定している。
なぜなら、その理論であればどれだけ努力しても使えるようにならない、もしくは実戦に耐えるレベルにならない属性の魔法というものが存在してしまうことになる。
適性とはそういう意味合いだ。
だが、ライヤはこれは得意不得意と言う括りのものではないかと考えている。
適性があるかないかだと生まれた時点で使えるかどうかが決定している。
しかし、アンも苦手であった土魔法を問題なく使えるようになった。
もちろんライヤとて光魔法がもっとも苦手ではあるが、問題なく使える。
ここでいう苦手とは、他の属性の魔法を使うよりは多少神経を使うという意味である。
「す、すごい……!」
どうやら満足していただけたようで良かった。
「このように、ライヤ先生の実力は折り紙付きです。いかがです?」
「ちっ、わかった。それは認めてやる。だが、俺が協力するかは別だ」
「えぇ、構いません。先生、ありがとうございました」
「あぁ」
本当にウィルはライヤが貶されたのが気に食わなかっただけなのである。
ただ、ライヤからすれば自分の存在を存分に利用するのだろうと考えていたので肩透かしを食らった。
それもこれも、ライヤがウィルからの好意を自覚していないことから来るズレであった。
単純に、自分のことを命懸け(?)で助けに来てくれた異性に惚れるなと言うほうが難しいだろう。
ウィルの凄いところはそれを恋心だと9歳ながらに自覚して行動に移しているという点である。
隠すという点も含めて。
特にアンには。
「こうしましょう。陣取り合戦は結局相手陣との接敵部分の奪い合いです。奥深くまでを守る必要は特にありません。よって、その部分に戦力を集中させます。魔法相手の対処を私たちが引き受け、その間にF級の皆さんに攻めを担当していただきます」
ウィルの作戦としては、S級級の火力でごり押ししてF級の皆には足止めさえ数の力でしてもらえれば勝てるだろうというものだった。
しかし、全く魔法を使えないとなると話は変わってくる。
相手の魔法の練度にもよるが、全く対抗できずに突破されてしまう可能性が高い。
ならば数の力を攻めに使った方がいい。
陣取り合戦のルール上、各地にある旗を取ればその地点は取ったチームのものになる。
全範囲を警戒することなど普通は出来ないので数で押せばとれるはずだ。
「どうでしょう、先生」
「だから、口出しは無しだって言ってるだろうが」
和気あいあいと話し合いは進む。
「クン、様子はどうだ」
「どうもこうもない。性懲りもなく来てるよ」
「そうか、こちらにとっては好都合だ」
F級のある男子の家では、怪しげな会話が行われていた。
「さしもの王族も娘を人質に取られたとあってはどうしようもあるまい」
「……本当にやるのか、親父。貴族共はともかく、S級の担任のライヤ先生は本物だぞ」
「なに、先生もS級であれば分が悪かったが、B級だろう。SやAと違って大きな魔法は撃てない。十分に勝機はある」
アンみたいに大きな魔法を使えるわけでもない。
技量で勝負しているタイプなので理解されなければ意味がない。
やりようがないんだけどな。
「ほら、全属性でいいんじゃないですか?」
「……あぁ!」
確かに。
一般的に全属性、いわゆる火・水・風・土・光魔法の5属性を満遍なく使えるのは珍しい。
氷魔法や闇魔法、回復魔法などはこれらの魔法を組み合わせたりなどして応用したものとなるので属性魔法に数えられない。
「じゃあ、ちょっとだけな。ほい」
手の周りに5属性の魔法で出来た球を作り出す。
火・水・土・光魔法は実体があるか、光っているのでわかりやすいが風魔法には色がついていないので少々ややこしい。
「風魔法はこうした方がいいか」
F級(クラス)の教室に風魔法を通し、そよ風程度の風を起こす。
「これが基本的な5属性の魔法だな。みんなも聞いたことがあると思うが、一般的にこの5属性のいずれかに全ての人はそれぞれ適性があると言われている」
あくまで、一般的にだが。
ライヤはこの説を否定している。
なぜなら、その理論であればどれだけ努力しても使えるようにならない、もしくは実戦に耐えるレベルにならない属性の魔法というものが存在してしまうことになる。
適性とはそういう意味合いだ。
だが、ライヤはこれは得意不得意と言う括りのものではないかと考えている。
適性があるかないかだと生まれた時点で使えるかどうかが決定している。
しかし、アンも苦手であった土魔法を問題なく使えるようになった。
もちろんライヤとて光魔法がもっとも苦手ではあるが、問題なく使える。
ここでいう苦手とは、他の属性の魔法を使うよりは多少神経を使うという意味である。
「す、すごい……!」
どうやら満足していただけたようで良かった。
「このように、ライヤ先生の実力は折り紙付きです。いかがです?」
「ちっ、わかった。それは認めてやる。だが、俺が協力するかは別だ」
「えぇ、構いません。先生、ありがとうございました」
「あぁ」
本当にウィルはライヤが貶されたのが気に食わなかっただけなのである。
ただ、ライヤからすれば自分の存在を存分に利用するのだろうと考えていたので肩透かしを食らった。
それもこれも、ライヤがウィルからの好意を自覚していないことから来るズレであった。
単純に、自分のことを命懸け(?)で助けに来てくれた異性に惚れるなと言うほうが難しいだろう。
ウィルの凄いところはそれを恋心だと9歳ながらに自覚して行動に移しているという点である。
隠すという点も含めて。
特にアンには。
「こうしましょう。陣取り合戦は結局相手陣との接敵部分の奪い合いです。奥深くまでを守る必要は特にありません。よって、その部分に戦力を集中させます。魔法相手の対処を私たちが引き受け、その間にF級の皆さんに攻めを担当していただきます」
ウィルの作戦としては、S級級の火力でごり押ししてF級の皆には足止めさえ数の力でしてもらえれば勝てるだろうというものだった。
しかし、全く魔法を使えないとなると話は変わってくる。
相手の魔法の練度にもよるが、全く対抗できずに突破されてしまう可能性が高い。
ならば数の力を攻めに使った方がいい。
陣取り合戦のルール上、各地にある旗を取ればその地点は取ったチームのものになる。
全範囲を警戒することなど普通は出来ないので数で押せばとれるはずだ。
「どうでしょう、先生」
「だから、口出しは無しだって言ってるだろうが」
和気あいあいと話し合いは進む。
「クン、様子はどうだ」
「どうもこうもない。性懲りもなく来てるよ」
「そうか、こちらにとっては好都合だ」
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