転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第4章 第4話

 「今回の目的は軍部首脳陣の一掃だ。

まず、首都ゼブルには巨大な壁、そして内部にはそれよりは規模は小さいが重要区画とを隔てる壁の2つがある。

 しかし、これを集中突破するのは今の戦力では難しい」


 ー今の戦力は戦車30両に装甲車50両程度。しかも外壁の門扉を閉じられたら破壊しなければならない。破壊出来たとしても瓦礫が残る。

 無限軌道キャタピラを持つ戦車ならば突破可能だが、装甲車の大部分が装輪タイヤだ。瓦礫によって封鎖された場所の突破は難しい。

 しかも敵は火砲を保持している。それも、こっちの大陸のとは段違いの精度と火力をもって。

 やるなら大規模な航空支援が必要だ。


 「だが、この無敵にも感じれる城壁にも欠点が存在する。

 それが『水路』だ。ここは都市内部と外部とが繋がっている数少ない場所だ。

 未だ彼らは地下水道を構築していない。

 その為地上に露出した水路を突破する。

 作戦は日が落ちてから決行する。

 異議はあるか?」




 前にテストを見守った攻撃ヘリコプターの制式採用版、「AH-11 グロスビーク」とほぼ同時期に完成した中型多目的ヘリ、「UH-85 シュライク」に搭乗する。

 その能力は1970年代のヘリを少し上回る。

 乗員はパイロット2名に完全武装の歩兵16名を搭乗可能。

 AH-11の大きさがAH-1とUH-60の中間程であり、それも踏まえると必然とUH-60よりは大きくなることは分かるだろう。

 エンジンは2基であり、パイロット席に限り脱出機構はAH-11のものを流用している。

 武装は左右2箇所のハードポイントやドアガンが搭載することができ、固定武装はない。

 この機体は中型多目的ヘリの役割を務めるものであり、攻撃ヘリや戦闘ヘリの役割を務めるAH-11と、他にもMH-6 リトルバードの様な小型汎用ヘリとして開発された小型ヘリ「MH-42 スパロウ」が開発された。

 暗視装置等も装着され、今回の作戦に初となる実戦投入となった。

 その任務は「工作・暗殺部隊を外壁付近まで安全に輸送すること」。

 護衛等全てがヘリコプターで構成されたヘリコプター編隊が、揚陸艦から発艦する。




(H-○○の番号は開発された番号順。AH-11は前回テオバルトが視察された陸号機から5回改修された拾壱号機が採用された為、AH-11。次に開発された機体は拾弐号機から新たに開発され、10回改修され開発されたCH-21。)

ー攻撃ヘリー

・AH-11 グロスビーク(コピー元:AH-1・AH-64)
…低空での長時間の攻撃・戦闘任務を遂行する為に開発された攻撃ヘリコプター。特筆されるのはその安全機構であり、その分機体の性能限界や耐久度に皺寄せがある。

ー多目的ヘリー

・UH-85 シュライク(コピー元:UH-60)
…中型の多目的ヘリコプター。既存のヘリより大きく、輸送ヘリを除いた場合最大のサイズを誇る。完全武装の歩兵16名や榴弾砲の輸送も可能。

・MH-42 スパロウ(コピー元:MH-6)
…小型の多目的ヘリであり、攻撃強襲用ヘリの任務も掛け持ちする。特殊部隊の輸送に必要な完全武装の歩兵4名を輸送能力も持ち合わせる。

ー輸送ヘリー

・CH-21 スターリング(コピー元:CH-47)
…大型の輸送ヘリ。榴弾砲や軽型の機甲戦力の輸送や大量の人員・物資の輸送目的に開発された。

「転生者、兵器道を極める」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く