転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第3章 第2話 集合場所

 王都の郊外に近付く頃、翼を仕舞い着陸する。

 これ以降は、軍を当てにする訳には行かない。

 出せるのはせいぜい銃器だ。それ以外は絶対的秘匿事項だからだ。

 ライリーを抱えながら、腰のベルトにはハンドガンをケースに入れ、装着するように召喚する。

 さてさて…ライリーを起こすか…





 二人共王都の壁内に入ると、大通りの真ん中には王城が、次に横の闘技場と学園が目に入る。

 学園。正式名称『ウロボロス魔法学園』。

 ウロボロスは初等部、中等部、高等部と分かれている。

 俺達が入学するのは中等部。ここから専門的な魔法の知識を学び出す。

 俺が学ぼうと思っているのは回復系なのだが…ライリーは何をしたいんだろうか。

 まぁいい。取り敢えず集合場所は魔法学園北門のはずだ。

 「おい、ライリー起きろ」

 「うー…」

 ねぼすけが。1発拳骨でも食らわせるか?

 「起きる!」

 …勘のいいヤツめ。




 集まったのは500人弱の10歳前半。

 服装の規定は1つ。「常に戦闘可能で、自分の持ちうる全力を出せる服装」。

 俺は黒色の半袖と長ズボンの戦闘服に防弾チョッキやプロテクターを付けるだけの軽装。そして腰のハンドガンをVectorにしておく。

 メインウェポンである416を肩からベルトでかけながら装備し、グリップとフォアグリップを握る。そして遠距離を狙うDMRであるG28を背負う。

 前に会ったどこぞの転生S級ギルド長と同じく、転生者が居た場合バレるが、もうこの際仕方ない。

 この量の装備を着けるのは通常ならば重量の関係で持ちにくい。だが、この世界ではステータスがものを言う。軽々…とは言わないが持てるのだ。

 ちなみにあの創造神サマから授かった盾剣や全身鎧、短剣はイグニスに装備させている。

 …こちらの方が正確な使用法なのではないだろうかという気が前から薄々は感じていた。

 俺のスキルを承知した上で貰った装備だから何かおかしいと思っていたが…。

 「ふむ…中等部外部入学者の諸君!これから最終テストを行う!!!!」

 ビリビリとした声の圧力が体を震わせる。

 「最終テストの内容は1つ!!!そう!『調和性』だ!!」

 まぁ、予測できることだよなぁ。

 さてさて、ダンジョン攻略か魔物狩りか。いや、魔物はまだ荷が重いか?魔獣はありそうだな。

 ちなみに言うと、魔物は魔力によって「生み出された」モンスター。魔獣は魔力によって「侵された」動物。

 魔人も同様。つまり魔獣と魔人の違いは動物種としての違いのみ、ということだ。

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