転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第2章 第5話 手合わせ

 「出でよ、『イグニス』!!」

 「出てこい!『ディヴァイン・ファング』!!」

 炎を纏う黒騎士と、雷を纏う白狼が向かい合う。

 そもそもアイギスは名前の単語の長さで強さのグレードが決まり、人によっては1つの単語のみで召喚は可能だ。しかし、正式名称でないと全力は出せない。

 例えば俺のアイギスだと、『イグニス』だけでは元々武器を持っていないし、復讐の力やオーディンの力を使えない。

 場所は、「王都」・闘技場。王と学園長により、手合わせをすることになったのだ。

 「ふぅむ…両者、準備はいいな!?」

 「「はい!」」

 「ほうほう…若者は元気が1番じゃ。…スゥ…試合!!!!!開始ッ!!!!!!」

 死亡を防ぐのと攻撃が観客席まで行かない為の結界が張られる。

 …さてさて。

 とりあえず睨み合ってる間に能力の整理でもしますかね。

 ライリーのアイギス、《ディヴァイン・ファング》の能力は「電気」。

 それに対して俺の《イグニス・ジェイルブレイカー》の能力は「炎」。互いに干渉しないしできないのだ。

 能力が現象同士だとどうしようもない。

 攻撃力ではこちらに分がある。

 射程距離はこちらの方が上手。ただ魔法を含むとこっちが短い。

 持続力では瞬発力が欠けるがこちらが有利。

 機動力はぼろ負け。

 砂利と土で出来た闘技場の中央を円を描きながら睨み合う。

 大小様々な砂利を足元を見ずに歩く為、バランスを崩してもおかしくない筈なのだが…

 2人共々踏んだ場所の石ころが全て「圧壊している」のだ。

 そしてー

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