転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第2章 第3話 王国領同時多発空爆

 「指揮官から空爆要請。コードはB3、C2。B3にはジェットを回せ」

 指揮官から初の要請に、司令部は1時騒然とするも、すぐに命令に沿って落ち着きを取り戻す。

 「了解!」





 震電改二と秋水改が爆装でB3 ─サバタ伯爵家領首都「ローラン」ー に向かう。

 「B3上空には1100に到着予定だ。震電改二は迎撃すると思われるワイバーンを叩き落とせ。復興すら出来ないほどに潰せ!」

 「了解!!」




 多数のJu-87と陸攻がいり混じり、C2 ーボラ男爵家領首都「ベガ」ー を爆撃せんと向かう。




 駿馬がアーリー公爵家領首都、サイルへ届く。その内容はー

 「サバタ伯爵家領首都並びにボラ男爵家領首都が攻撃を受け、陥落。

 かの森で目撃された『鳥』が攻撃を仕掛けたと思われる。攻撃勢力の所属は不明。」

 ーこれがもし、帝国側の仕業ならば。



 事態は絶望的だ。

 帝国と敵対できるのは王国のみであり、それ以外の国々は成す術もなく潰される。

 しかし、帝国が鬼畜、という訳ではない。少々軍国主義や実力主義が強いが、誤差の範囲内である。

 それを指摘しようにもだったら王国だって、となるのがオチである。

 普通はそう考えるだろう。

 ─だが、実情を知っていれば?

 自然と笑みがこぼれる。

 リューン伯爵家が唯一脅迫状を送られており、彼らが口を出すことは無い。

 既に、前例が作られてしまったから。

 ー「手を出したら、こうなる」、という。

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