転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第1章 第14話 救援到着

 「目標地点に到着した!総員、作戦通りに散開しろ!」

 がちゃがちゃと音を鳴らしながら歩兵がBTR-60の内、3輌から出てくる。

 その装備は彼らが乗ってきた車輌と比べると歪な程に近代的だ。

 ポリマーやアルミ合金で出来たごついブルパップ式アサルトライフルにホロサイトやフォアグリップ、レーザーサイトにグレネードランチャー、暗視装置と小銃弾すら貫通させない防弾チョッキにヘルメット。

 正に至れり尽くせりな装備群。

 装備はHK433やAR-15、Vector、タボールにネゲヴ、VSSにL86、M200。

 そしてそれらの多くは8.25×65mm弾や規格を変えた.ACP弾等の新規に作られた弾薬に対応している。

 要するにティーガーⅡなどと同じく改造した。弾薬ごと。

 召喚された時から一流の軍人であった彼ら。

 その中からネイビー・シールズにデヴグル、デルタフォース、フォース・リーコン、グリーンベレー、スペツナズにGSG9、GIGN、SAS、GIS、FKPや特殊作戦群 等超一流を選び抜き召喚し、

 新たに設立された特殊部隊、「Blitz」。

 任務は多岐に渡り、空挺から潜水、偵察から破壊工作、暗殺に突入や鎮圧まで。

 彼ら専用の輸送機や車両も開発中である。

 …まぁ、それ程優秀な部隊ってこった。

 



 「よし、撤退する!」

 ちょうど無事な冒険者が負傷者を1箇所に集め終わった時だった。

 「…ボウズ、お前はさっき自分が言ってたことを忘れたのか?」

 周りの冒険者も彼の言葉に同調する。

 「確かに言いましたね。『この戦力だけで』、『ここにいる戦力のみで』撤退は不可能です」

 そこで含みのある言い方をすると、

 「つまり、なんだ?仲間でもいるのか?」

 やはり食いついたな。

 「えぇ、そうです」

 仲間がいる、と言った瞬間ざわざわと冒険者達に希望と懐疑の空気が流れ出す。

 自分達の仲間が助かるかもしれないが、その言葉を信じていいのかどうか分からない。

 当たり前だろう。それでも希望の方が大きいのは、野営して明朝まで待ったとしても…

 …仲間が助かるかどうかは分からないのだから。

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